新社会人に贈るメッセージ:「選択力」がキャリアを切り拓く 

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この4月から社会人になられたみなさんおめでとうございます。あなたは世の中に無数ある会社の中から、たった1社、いまの会社を「選び」ました。自信をもってそこを選んだ人もいれば、最後まで複数の中から悩んで選んだ人もいるでしょう。また、ここしか選ぶものがなかった人もいるかもしれません。今回はそんな「選択」に関わる力の話です。
図1

3つの「選ぶ力」

人生は選択の連続です。私たちは朝起きてから夜寝るまで、大小無数の選択をして進んでいきます。そのとき人には「選択力」の差が出ます。「選択力」とは───

1. 選択肢を分析・判断する力
2. 選択肢をつくり出す力
3. 選択を(事後的に)正解にする力

1番目は、目の前にある選択肢のうちどれが最良のものかを決める力、あるいは優先順位をつける力です。情報を集めたり、違った視点でながめたり、本質的なことを洞察したり、人に助言を求めたり、そういった力が問われます。

例えば、大学受験の時や就職活動の時を振り返ってみてください。入学試験の合格を勝ち取った大学がA校、B校、C校と3つあったとき、どこに入学を決めるか、あなたはいろいろ分析して、決断したのではないでしょうか。あるいは、就職活動で、D社とE社の面接が重なってしまったとき、どちらの会社に行くか、さまざまな角度から考えて判断したのではないでしょうか。

こういった「眼前の選択肢を分析・判断する力」は、これから仕事をしていく上でもいろいろな場面で遭遇することになるでしょう。
図2

「選ぶ力」においても受動的と能動的とがある

2番目は、選択肢を増やす力、呼び寄せる力です。容易に揃う選択肢、受け身で与えられる選択肢、既存の枠にはまった選択肢、そこから何かを選ぶのは、ある種簡単なことです。しかしそこからは決定的な状況打開ができないとき、どうすればいいでしょう。――それには、新たな選択肢をつくり出すしかありません。

例えば、あなたは入社1年も経てば、先輩社員や上司からいろいろな業務処理の技術を教わることになるでしょう。いわば自分の中に、処理方法P、処理方法Q、処理方法Rといった選択肢が身につくわけです。当面の業務はそうしたP、Q、Rの選択肢の組み合わせで仕事が回せていけます。

しかし、さらに大きな仕事、未知の仕事を任されたとき、既存の選択肢では歯が立たない状況が生まれます。そのときに、既存にないやり方を生み出せるか、また、先輩方も気づかなかった新しい発想を提案できるか。そうやって自分の中に選択肢を増やしていくことが大事なことになります。

遠回りになりつつも、積極的に、既存の枠の外から選択肢をつくり出せる。仕事・キャリアを独自に大きく切り拓いている人は、この点に地力があります。また、そうした選択肢をつくり出す過程で、状況打開の筋が見えてくる場合も多いものです。

長い時間をかけ選択の正しさを証明していくものもある

そして3番目は、自分が選んだ道をその後の努力で「これが正しかった!」と思える状況をつくる力です。

選択は往々にして、その行った時点では正しいとも正しくないともわからないものです。それを事後的に自分が納得できる形に持っていくのも大切な力です。図太く、粘り強く未来をつくっていく力と言ってもいいでしょう。

まさにあなたはいま、この会社を選びました。晴れて一流のブランド企業に入社できたからといって、その選択がはたして正解であるかどうかはわかりません。数年先、仕事内容に違和を感じ、身体を壊してやめざるをえないようなケースに陥らないともかぎりません。逆に、志望順位は何番目かの会社だったけれど、その会社の資源や特性をうまく活用して自分の能力が思う存分開花したというケースもあります。

ひとまず人生最大級の選択である「就職」を終え、その選択を事後的に正解にしていく戦いはいま始まったばかりです。ともあれ、みなさんの希望に満ちた船出を心から祝福いたします。

【参考書籍】
『働き方の哲学』
村山昇(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン

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