8月、家族でハワイへ出かけた。その際、全員がクロックスのサンダルを履いている、という家族を何組も目撃した。この夏のハワイにクロックスのサンダルはもはや定番。かくいう私の家族も、私以外は揃ってクロックスでの渡航。
アラモアナ・ショッピング・センターの水着ショップでクロックスを試着した時は、その軽さと柔らかさに衝撃を受けた。さっそく購入し、素足で履いてみると、足の裏にぴったり付着するようなフィット感がある。それは、これまでに経験したことのない装着感だった。しかも表面にボコボコと穴が開いているので、蒸れることは皆無。
このサンダルにはユニークな点が多い。色のバリエーションが多く、私の買ったケイマンラインは、27色もある。また、クロックス専用のピンズが売られていて(1個6ドル!)、購入者は、世界に一つしかない自分だけのオリジナル・クロックスに仕上げることができる(ちなみに私は、パールの地色に、左は「ニコチャン」、右には「トッケ」のピンズを装着)。中には、両足で26個の穴のほとんどをピンズで埋めている猛者もいる(数から計算すると、総額2万円近い出費になっているはずだ)。
調べてみると、この靴は靴屋ルートでは買えないことが分かった。靴を売るのに靴屋チャネルは合理的なチャネルである。だが、靴を売るのに合理的なチャネルは靴屋だけではない。特に、クロックスのように、アクセサリーを併売する商品であれば、他にも合理的なチャネルはある。実際、クロックスは、雑貨屋、水着屋、サーフショップ、釣り道具屋など、生活用品を売るチャネルを選択(実際は、そうせざるを得なかったのかもしれないが)しており、それもまた、合理的なチャネルである。
靴は靴屋で売る、というのは正解の一つにすぎない。靴を靴屋以外で売ることのメリットもあるかもしれない。靴は靴にして靴にあらずと考えてみたらどうか。
商品カテゴリーの呪縛を外してみれば、新しい可能性が広がる…そんなことを感じさせるクロックスの夏でした。