※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
(肩書き等は2025年4月21日収録当時のもの)
人からの学び──経営者との出会いが能力を磨く
吉田氏は、自らの能力開発の源泉としてまず「人から学んだこと」を挙げる。特に、経営者としての経験がその学びを加速させたという。
「2005年にソネットの社長になってから、経営者から学ぶことが多かったですね。上場直後には孫正義さんにお会いするなど、インターネット業界のトップの方々とも多く交流しました。」
ソネット時代にはISP事業だけでなく、通信や放送といった幅広い業界と接点を持ち、多様な経営スタイルや意思決定の現場を体感。さらに出井伸之氏をはじめとするソニー歴代の経営陣からも刺激を受け、「経営をやってみたい」という意欲を確固たるものにしたと語る。
市場からの学び──外部の視点で戦略を検証
2つ目の能力開発の源泉は「市場からの学び」だ。2014年のCFO就任時、吉田氏は社内にこう呼びかけた。
「インターナルネゴシエーションから、エクスターナルアカウンタビリティへ。」
つまり、社内での議論にとどまらず、投資家やアナリストといった外部ステークホルダーに説明できるかどうかで戦略を検証する姿勢だ。特に米東海岸のヘッジファンドやアナリストの鋭い質問は、戦略の有効性を磨く試金石となった。
さらに2014年以降、IR活動では事業担当者自身が直接説明を行う「SONY IR Day」を導入。これは将来の経営者候補を鍛える場にもなり、組織全体の能力向上に寄与したという。
競争を避ける──ユニークなポジションを築く戦略
意外にも、吉田氏は自身の行動パターンを「競争回避的」だったと振り返る。
「金融機関に優秀な人が集まるならメーカーに行く。事業部よりも新しい会社のほうがチャンスがあると思えば、そちらを選ぶ。そのように直接的な競争は避けてきました。」
この姿勢はソニーの競争戦略にも通じる。ビッグテックや海外大手と正面から競うのではなく、「自社しかできないこと」に集中し、ユニークなポジションを築くことこそが勝利の近道だと考えてきたのだ。
「戦略とは、戦いを省くこと。強いところで頑張ることです。」
こうして吉田氏の能力開発は、人と市場からの学び、そして競争を避ける戦略的選択によって形作られてきた。その思想は、変化の激しいビジネス環境を生き抜くための普遍的な指針となりうる。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、吉田憲一郎氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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