学生をオンライン授業に積極的に参加させる5つの簡単な方法

現在、私たちのすべてが、マルチポイント、マルチチャネル、マルチスクリーンの世界、新型コロナによってインターネットに接続された世界に属しています。私は多くの学生から、オンラインコースをライブで受講中にグループチャットやセカンドスクリーンを使っていると認める声を聞きました。自分がファーストスクリーンかセカンドスクリーンかを尋ねる勇気はありませんでしたが。

たとえ学生が注意して聴いてくれていたとしても、ほとんどのプラットフォームにおいて、教師の顔が映っているのは画面の5×5㎝ほどにすぎません。

こうした状況の下で、どうすればうまく授業をやり遂げることができるでしょうか?

デリバリーとコンテンツを通じて、エンゲージメントを生み出せばよいのです。

1.オンラインで分かりやすい授業を行うために、教育ツールを変革させよう

オンライン教育を成功させるためのまず第1のステップは、適切な設備を備えることによって生徒とのアクセスを良くすることです。第2ステップは、レッスン中にコミュニケーションを取るためのツールを用意することです。

テキストに加えて図表の入ったPowerPointやKeynoteスライドを画面共有できるように準備して、あなたが話している内容を生徒が視覚的に理解できるようにしましょう。うれしいことに、スライドの内容が複雑な場合は、教室におけるスライド投影よりもオンラインの方が喜ばれます。

特に最初の授業では、スライドを使って、ディスカッションとアクティビティの詳細な手順を説明しましょう。

たとえば、

  1. 皆さんをグループに分けます。
  2. それから課題を与えますので、その課題に取り組んでもらいます。
  3. 自分で出した解決策について、メモや写真をとってください。
  4. 次に、皆さんの解決策を他の受講生と共有してもらいます。

こうして手順を明確にすることによって、時間の節約になりますし、生徒がまごつく可能性も少なくなります。

補足事項が必要になる場合も多いと思いますが、そんなときのために空白のスライドを用意しておきましょう。間違っても補足事項を紙に書いてカメラに近づけるようなことはしないでください。その内容がどんなに大事なことであってもです。読みづらいだけでなく、テクノロジーの魔法を台無しにしてしまいます。

2.チャットボックスを助手代わりに利用しよう

「教室」という場を離れると、得られるよりも失われたものの方が多いように思えるかもしれません。ですが、オンラインツールによっては学習体験をむしろ向上させることも可能です。

そんな優秀ツールの1つが、チャットです。

生徒全員がどんなアプローチで課題に取り組んでいるかをさっと把握するには、生徒にチャットにコメントや答えを入力してもらってください。グループシンク(集団浅慮)が心配な先生は、生徒全員に最終的な答えを入力してもらい、先生から合図が来るまで投稿を待つよう指示してください。

ただこうした利点はあるものの、脱線チャットには用心してください。スペルや入力ミスはたちまちジョークへと脱線してしまいがちですし、友人同士で天気について雑談を始めてしまうかもしれません。Googleリンクがインターネットの「うさぎの穴」(脱線するきっかけ)と化し、本筋から外れてしまう場合もあります。

そうすると、先生の授業は本流ではなく、バックグラウンドノイズと化してしまいます。

チャットは、あなたが始めたディスカッションのためだけに使わせるようにしましょう。短いコメントや絵文字は結構ですが、必要な場合を除き、生徒の関心がチャットに集中しないように気をつけてください。

3.ドラマを取り入れよう!

オンラインではより表現豊かになる必要があります。ジェスチャーを行う場合、そのジェスチャーは5×5cmのボックス内に収まらなければならないのです。笑顔を見せるなら、大胆に笑顔を見せなければなりません。

ヒステリックになるのは避けたいですが、表現力は高めましょう。

オンライン授業におけるペンライトは、あなたの声なのです。音節を伸ばすように発音し、言葉と言葉の間には間をおき、ピッチや声量を上げたり下げたりしましょう。自分が言っていることに句読点を付けるのにも、声を使います。重要なポイントの終わりに来たら、以下のように自分の声で大きくゆっくりしめてください。

「ですから。決して。去ってはいけません。テーブルの上にお金があります。」

見過ごされがちなことを説明するときは、カメラに近づいて、舞台上でささやくように、以下のように伝えます。

「これが鉛を金に変える秘訣です……」

こうしたディテールのすべてが、スライドの内容を強調させるのに役立ちます。単に説明や要約を与える場合でもこれは同じです。

4.サウンド・オブ・サイレンス(沈黙)を利用しよう

効率よく話しましょう。文章を途中で切ったり、同じ言葉を繰り返したり、「うーん」とか「ええっと」と唸ったりしないよう気をつけましょう。文法的に逆配置された文章も避けましょう。これができるのはヨーダだけです。ヨーダではない私たちは、滑らかな構文で、あまり言葉を多く使わないようにして、意味のある沈黙を心がけるようにしましょう。

実際の話、最もパワフルな声の使い方の1つが、声を使わないことなのです。音が欠如することによって、かえってそれが耳をつんざかんばかりの音になることもあります。1つひとつの言葉が大きく感じられるのです。言葉と言葉の間に間をおくと、聴き手は次にどんな言葉が来るのかと注意して聴いてくれるようになります。逆に言葉がよどみなくスラスラと出てくるような話し方が、たとえ声調や声量に変化があったとしても、大変退屈だと感じられることもあります。

間をおいて、その間を他の人に埋めてもらうようにしましょう。

答えがすぐに返ってくることはほとんどありません。動画の遅延がなかったとしても、参加者には時間が必要です。教授が質問した後、数秒たっても答えがないので、すぐに別の質問に移ったのを目にしたことが何度もあります。それでもまだ答えが得られないとなると、同じ質問を別の言葉で言い換え、その次にまた他の質問をするのです。これではライブでインタラクティブな授業はすぐに、とりとめのないモノローグとなってしまいます。

この罠に陥らないようにしてください。質問をしたら、それで一旦話すのをやめましょう。

そして、待つのです。

少なくとも5秒の間をおきましょう。永遠のように感じられるかもしれませんが、参加者の側からすれば、ほとんどゼロに等しいのです。グループがフォーマットに慣れていない場合や、文化の違いによって主に黙って先生の話を聴くよう教育されている場合、言語の壁が原因で答え方が分からないといった場合などには、さらに長く待つ必要があるかもしれません。

沈黙を気まずく感じ、何か話さないといけないと思ってしまうかもしれません。

話してはだめです。

5.ウォームコールを実施しよう

ノートパソコンの画面の壁を突き破ってください。

教室と同じように、生徒を参加させる最善の方法は、挙手を待たずに、生徒に呼びかけることです。突然生徒を名指しして答えさせる方法はコールドコールとして知られてきました。これは望まれない名指しです。疑うことを知らない学生を教授が怒鳴りつけて精神的なダメージをもたらし、学問への興味を閉ざしてしまう恐ろしい形の教育です。ですが現代の教育のプロとしては、コールドコールではなくウォームコール(会話への参加を促すように呼び掛けること)をお使いになることをお勧めします。

ただウォームコールの後に、時として静かな生徒がとりとめもなく話し出すことがあります。話を止めさせてあげましょう。私のお気に入りのフレーズは、「ちょっと待って」です。簡単な言葉ですね。あるいは、手を挙げて止めさせることもできます。生徒が息が切れるまで話し続けるのは止めさせましょう。 他の生徒から授業を続けたいという意欲を削ぐことになってしまいます。

―――

オンライン授業を始めるにあたって、最初は孤独に感じるかもしれません。ですが、実は生徒たちも同じように感じているかもしれないのです。オンラインコースを試してみようという自分に対し、少しばかげていると感じてさえいるかもしれないのです。時として、教師ができることとして最も大切なことは、生徒に成功できるんだよと伝え、時間や余裕を与えてあげることなのかもしれないのです。

*本記事は、GLOBIS Insightsに掲載したものを、翻訳転載したものです。

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