会社の決算日は変更することができます。例えば、3月決算の会社が12月末へ決算日を変更するなどです。3月決算の会社が決算日を12月末に変更する場合、決算日を変更した年度の会計期間は9ヶ月(4~12月)となります。
では、12月決算の会社が、3月末に変更する場合、会計期間は何か月になるでしょうか。このケースは次の2通りが考えられます。決算日を変更した最初の決算期末を3ヵ月後の3月末とする場合の会計期間は3ヵ月間、翌年の3月末とする場合は15ヶ月間となります。
通常の会計期間は1年ですが、会社法では決算日を変更する年度に限っては最長18ヶ月までの会計期間が認められています。しかし、法人税法の規定では、決算日の変更期が12ヵ月を超える場合であったとしても、少なくとも1年に1度は税務申告する必要があります。したがって、決算日を変更する年度では通常年よりも税務申告業務の負担が増えるでしょう。
『
決算日って3月末でなくても良いの?』で説明したように決算日は経営者が自由に決めることができます。決算日は会社設立時点で決定しますが、事業を進めていく中で、設立時に決定した決算日では都合が悪くなることが考えられます。
決算日を変更する理由
決算日から数ヵ月間は、実地棚卸や決算書類の作成など通常月に比べて決算業務の負荷が高まります。人材等の社内リソースの充実度合いにもよりますが、決算業務に十分な時間が確保できず、決算数値や税務、あるいは資金繰りに関する検討が不十分となる、あるいは決算業務に人員が割かれ販売等の機会損失を被る等のマイナスが考えられます。したがって、事業の繁忙期に決算業務を同時に進めるのは避ける方が望ましいでしょう。
会社設立時には、こうした点まで考慮せずに決算日を決定することもあろうかと思います。つまり、決算日を変更する理由の1つは、会社として本来望ましい決算日に修正するという意味があると考えられます。
また、最近では、経営管理上の観点から、連結グループに属する会社の決算日を統一するという目的で決算日を変更する会社が増えています。親会社と子会社の決算日が異なる場合に、例えば子会社を親会社の決算日に合わせるように変更するというケースです。
決算日変更に必要な手続き
決算日を変更するには、株主総会の特別決議が必要になります。決算日変更を急ぐ場合には、臨時株主総会の招集が必要になります。株主が限定される中小企業や株主は親会社のみの子会社であれば問題になりませんが、多くの株主を抱える上場会社などでは一定の事務手続きが必要になります。また、株主総会での特別決議を通過した後には、会社定款の変更、税務署への届け出が必要になります。