4月になり、皆さんも新生活をスタートされているのではないでしょうか。同様に3月決算会社も新年度を迎えましたが、同時に決算業務に追われる時期でもあります。日本では、3月決算会社が多い印象を持つ人も多いでしょう。実際、上場会社では7割弱の会社が3月決算会社です。次に多い12月決算会社が1割弱なので、圧倒的に3月決算会社の割合が多いです。しかし、非上場会社も含めると3月決算会社は株式会社全体の2割程度で、6,9,12月決算会社が1割前後となります。
決算日は会社が自由に決めることができます。また、請求書の締め日、例えば20日を決算日(例:6月20日)とする会社もあります。変わった例では、社長の誕生日を決算日とする会社もあるようです。
特に上場会社のような大企業に3月決算会社が多くみられるのは、以下の理由が考えられます。
- 国や地方公共団体等の予算編成期間
- 学校の年度設定
- 法律の施行時期
ザックリ言うと、日本の国全体が4~3月を1年としたサイクルであることが要因でしょう。大企業となると国や地方公共団体との業務上の関係が深い会社も少なくありません。その場合、行政機関と会計期間を同じにした方が予算を立てやすいでしょう。同様に、大学、高校といった教育機関の大部分が3月卒業であることも3月決算会社が多い要因といえます。また、法改正などの法律の施行時期も4月からであることが多く、会社にとって期中に会計処理方法などを変更することを避けるという目的もあります。
現在は、株主との対話を増やすために株主総会の日程の分散を推進していますが、以前は、特殊株主等を回避するため株主総会の日程を特定日に集中させる目的で、他社と同様に3月末に決算日を合わせていたこともありました。
12月決算は暦年決算と呼ばれ、海外の会社には多く見られます。会社は決算日を自由に決められますが、個人事業主は税法で決算日が12月末と決められています。そのため、比較的規模の小さい会社などでは、個人事業から株式会社へ法人化する際に決算日を変更せず12月末のままとしているなどが考えられます。また、グローバル展開している会社や国際財務報告基準(IFRS)を採用している会社では、グループ企業の決算期の統一を目的として親会社の決算日を12月末へ変更をする事例もあります。
また、ビジネスが比較的スローな時期を決算期とする会社もあります。例えば、大手スーパーなどの流通業では、2月、8月が閑散期と言われます。流通業に2月決算会社が多くみられるのは、ビジネスの繁忙期に棚卸などの決算業務が追加されると本業に支障をきたすのを避けるためともいわれます。