「 称賛出来ない」方のトップは麻生太郎首相と前財務・金融相の中川昭一氏だ。麻生さんは最も人気のない首相の記録を作りつつあるし、中川さんは、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議において、泥酔(もしくは風邪薬の大量摂取)状態で世界中のメディアに露出し、自身だけでなく日本全体に恥をかかせた。麻生さんは、国民を鼓舞したりリードしたりできないし、中川さんの言動(バチカンでの失態についての報道を含めて)は我慢ならないし、ため息をつくほかない。
中川さんは既に辞任していて、麻生さんも次の選挙までにはそうなるだろう。オバマ大統領との会談など新たな刺激材料も、彼を救えるとは思えない。
日本のアカルイミライを象徴するエリートもいる
しかし有難いことに、彼らだけが報道価値のある日本のエリートではない。
まずは、十代の人気プロゴルファー石川遼選手が、米PGAツアーのプレー前に、世界のメディアを前にして英語で会見するのを見て嬉しかった。石川さんは愛嬌のある笑顔と性格をしていて、大舞台を前にして自信たっぷりだった。
それだけでなく、彼には国際舞台で英語を話すだけの自信があった。そういう姿は、日本人に力強い勇気を与えてくれる。彼のもたらす日本への明るいニュースと、今年のPGAに向けての成功を、大いに応援したいと思う。
もう一人はニューヨークタイムス紙の記事に掲載されたトヨタ自動車の副社長豊田章男氏である。
世界最大の自動車会社の次期社長となった豊田さん。記事の中で、米の工場で自社の車を四つん這いになって検査して周囲のスタッフを驚かせたと紹介され、さらに自社のトレーニングセッションにおいてもリラックスしてくだけた英語を話しているところも紹介された。
トヨタ自動車としては、向こう数年国際的に指導出来る、力強く自信あふれるリーダーを必要としているし、この経済環境の厳しい時期に、日本の会社の再活性化のイメージが海外のメディアで報じられることは、とてもタイミングが良い。豊田さんは身を粉にして働くが、それゆえ出だしが早いようだ。
最後に、新米パパになった自分としては、 少子化担当相で、自身も二人目の子供を妊娠中の小渕優子さんに注目せざるを得ない。小渕さんの例は、充実した仕事と家庭の両立が可能であるという素晴らしい証である。
夜遅くまで働き深夜まで飲み歩く日本人の習性は、家庭的ではないし、子供を持つ家庭をぶち壊す。日本が繁栄を続けていくためには、もっと多くの子供が必要だし、そのためには健康的な家庭が育まれなければならない。そうしなければ、暗い未来が待っている事だろう。
自分の息子には、生きる道を決める時には力強く、恐れを抱かずに、石川さん、豊田さん、小渕さんの辿る道を進んで欲しいと思う。より多くの日本人がこのようなポジティブで強い精神を持った先例に強い影響を受けることができるなら、日本には本当に明るい未来が待っている。我が息子のために、その可能性が現実となることを期待している。(英文対訳:是村由佳)