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non-GAAP情報ってどんな情報?【GAAPとは?具体的な活用シーンから解説】

投稿日:2019/02/22更新日:2023/10/26

GAAP、non-GAAPとは

GAAPとは、一般に公正妥当と認められる会計原則(generally accepted accounting principles)を指します。GAAPに基づいた情報には、例えばP/L、B/Sなどの財務諸表に含まれる各利益、資産、負債等の情報、あるいはこれらの情報を用いたROEや各利益率などの財務指標の数値などが挙げられます。GAAPに否定のnonが付くnon-GAAP情報とは、いわば会計ルールに基づかない情報ということです。

広く一般に適用される会計ルールに基づく情報は、汎用性が高い反面、必ずしも個社の事業の特性を的確に表しているとは限りません。そこで、自社の事業の実態を投資家等に適正に理解してもらうためにnon-GAAPを決算説明会などで使用します。

筆者は、かつてのフィギュアスケートに例えて、会計ルールに基づく財務諸表を「規定演技」、会社独自の切り口で投資家にアピールする際に使用する決算説明会資料を「フリー演技」と呼んでいます。決算説明会やそれに使用する資料は、会社が自社の事業やその進捗を評価するためのKPIをどのように理解しているかを把握するためにも有用な情報であると考えます。

non-GAAP情報の活用シーン

non-GAAP情報として有名なものにEBITDAがあります。EBITDAとは税金、利息、償却費控除前利益(earnings before interests, taxes, depreciation and amortization)のことです(詳細は『EBITDAって何?計算方法やメリット、留意点まとめ』にて)。設備投資などの投資が活発な会社は減価償却費が大きくなり、その結果、目下の利益は小さくなる傾向があります。このような会社では、将来への投資と現在の収益を区分し、収益の成長性を示す等の目的でEBITDAを重視することがあります。

また、米国の企業の決算書には、会計ルールに基づく当期純利益等の利益以外に、減損等特殊要因による損益を控除した「調整後利益」等のnon-GAAP利益を公表する例も少なくありません。最近では、日本企業でも日立、JT、電通、楽天、武田薬品工業などが同様のnon-GAAP利益を公表しています。例えば、武田薬品工業では調整後利益をcore earnings(中核利益)として、会社の真の収益力を表す指標と位置付けています。

non-GAAP情報を採用する企業

我が国では、こうしたnon-GAAP情報を採用する企業はIFRSや米国会計基準を採用する会社に多くみられます。IFRS等の採用会社のP/Lには経常利益が表示されませんので、日本基準を採用する会社であれば特別損益に該当する項目が営業利益に反映されることになります。
そのため、日本企業を採用する会社の営業利益とは名前は同じでも利益に含まれる項目が異なる(例えば、減損損失が営業利益に含まれると日本基準を採用する会社よりも営業利益が小さくなる)ことになります。ある意味、異なる会計ルールを採用する同業他社との収益性の比較を容易にする効果があると言えます。

一方で、気を付けたい点もあります。米国でも問題になりましたが、公表されるnon-GAAP情報は多くの場合、会計ルールに基づく利益を上回る傾向が見られます。また、会計ルールに基づかない情報であるため、監査法人等のチェックもありません。

non-GAAP情報は、個社の事業の特徴や成長ステージを踏まえた、会社の実態把握により役立つ情報ではありますが、会計ルールに基づかないということはその分情報利用者の会計リテラシーが問われることでもあります。


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