やる気になって工夫すれば二兎も三兎も追える

Google新刊『MBA 問題解決100の基本』の3章「行動する技術」から、「Basic030 「『より多くのこと』を『より速く』」を紹介します。

よく「拙速は避けるべき」と言われます。たしかに、十分な検討もないままスピードだけを追っても、通常は好ましい結果にはつながりません。一方で、近年のビジネスはスピードとの勝負という側面が強くなっています。拙速は確かに好ましくはありませんが、可能な範囲でスピードを上げ、同時にアウトプットの質や量を高めるという「二兎(見方によっては三兎)」を追うことの必要性は確実に増しているのです。

さまざまな企業でそのための方法論が模索されていますが、中でもシリコンバレーのIT企業などから、効果的な手法が多数報告されています。今回はその中からグーグルのSPRINTを紹介します。どの部分を参考にできそうか、ぜひ考えてみてください。

(このシリーズは、グロービスの書籍から、東洋経済新報社了承のもと、選抜した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

「より多くのこと」を「より速く」

この言葉を1つの指針にしているグーグルは、世界中の企業がお手本とするエクセレントカンパニーです。グーグルはさまざまな仕事術を開発してきたことでも有名ですが、ここでは「より多くのこと」を「より速く」行う手法としてSPRINTを紹介しましょう。シリコンバレーの企業がベンチマークにしている手法でもあります。詳細は『SPRINT 最速仕事術』(ジェイク・ナップ他著、ダイヤモンド社)に詳しいのですが、そのエッセンスを挙げると以下のようになります。

・7人以下の専門家の精鋭を集め、5日で結果を出す。そのための時間やスペースを確保する
・曜日毎に何をするかが決まっている(ソリューションを決めるのが水曜日、プロトタイプを作るのは木曜日など)
・個々人がソリューションを考え、それを持ち寄ることで最も適したソリューションを考える

図1

5日で仕事の成果なんて出ないと思う方も多いかもしれませんが、「5日でやると決めて集中的に取り組めば結果はついてくる」というのが、グーグルが発見した事実でした。

SPRINTで特徴的なポイントの1つに、ソリューションは個々人が徹底的に考え、それを持ち寄るという点があります。

SPRINTは、グーグルの社員の特質や企業文化、クリアすべき課題の特性などがマッチしたからこそ機能したわけであり、あらゆる企業が簡単に真似できるわけではないかもしれません。

しかし、「役割分担も不明なままいつまでもダラダラ議論をしない」「日程を決めたら徹底的にそれに向けて皆が知恵を振り絞る」などは、ヒントになる部分も大きいのではないでしょうか。

#キーワード
SPRINT、プロトタイピング

(本項担当執筆者:嶋田毅 グロービス出版局長)

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