※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
実践・読書・観察で高めた競技者としての力
「コーチの言うことを素直に聞くタイプではなかった」。そう語る為末氏が、自らの能力を高めるために重視していたのは「実践・読書・観察」の3つだ。特に中学時代、恩師の勧めで解剖学や運動力学などにまつわる専門書を読むようになったことが、後の競技力向上に大きく影響したという。
「中学校の時、全国で一番になった。その帰り際で先生に『オリンピックに出たい』と言ったら『それは君の能力が高いということに加え、世界的に見て優位かどうかが大きい』と言われたんです。そういった、戦略についての議論がすごく印象に残っています」
戦略的な視点と理論的な理解、そこに実践を重ねる姿勢が、日本人初のスプリント種目メダリスト誕生に繋がったのだ。
セカンドキャリアに意識した「言葉の力」
競技引退後のセカンドキャリアとして、為末氏は競技から離れたマルチな活動に挑んでいる。その中で直面したのは“正解のない世界”だった。「速く走る」ことが成果でだったスポーツと違い、ビジネスや教育、社会活動には明確なゴールがない。そのなかで自身の軸になったのが、「言葉」に関する能力だ。
「競技をやっている頃から、読書や書くことが好きだった。言葉にすること、コミュニケーションが好きだったんです。引退後色々なことをやっていく中である時、周囲の人から“喋るのが上手い”と言っていただいて。それが大きかった」
その後は話し上手な人を観察するなどを通じ、積極的に学習を重ねていく。そして、インタビューや講演を通じて相手の表情を観察し、反応を見て言葉を磨いていった。そんな為末氏が、コミュニケーションで気を付けていることとは何だろう。
「競技経験に偏りすぎていると言われたことがあるのですが、言われてみたらそうだなと。なるべく違う世界の人の目線で見ないと、最終的に響く言葉にならないんじゃないかと思って意識しています」
元々の読書経験や実践、観察の異なる分野の視点を積極的に取り入れる姿勢が、言葉の力に深みを与えているのだ。
繰り返しによって磨かれる人間力
為末氏は、自身の成長を「アウトプットとフィードバックの繰り返し」だと表現する。
「陸上ならば『速くなる』かどうかでアウトプットも分かりやすい。しかしそれと違うセカンドキャリアにおいては、成功の定義も分からないし、高めていい能力というものが非常に広い。実践の中から身につけていくことになるんです」
競技者時代の学びのプロセスーー読書、観察、ディスカッション、そして実践は、セカンドキャリアにおいてもそのまま応用されています。「一つの分野で成功した方法を、別の分野に当てはめていくことが大切」だと語るように、成功体験に固執せず、柔軟に学び直す姿勢が印象的だ。
アンラーニング(学びの捨て直し)こそが、次なる成長の鍵であると実感させられるエピソードだ。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、為末大氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問(能力開発/挑戦/試練/仲間/志)を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。
■その他 『リーダーの挑戦』シリーズおすすめの動画はこちら
- リーダーの挑戦(53) 安宅和人氏(慶應義塾大学環境情報学部教授/Zホールディングス株式会社 シニアストラテジスト)
- リーダーの挑戦⑦ 星野佳路氏(星野リゾート代表)
- リーダーの挑戦⑥ 三木谷浩史氏(楽天代表取締役会長兼社長)
■GLOBIS 学び放題で、さらに学びを深めませんか?
GLOBIS 学び放題は、ビジネススクールを運営するグロービスの動画学習サービスです。
上記でご紹介した目標設定、マネジメントに関連する動画を始め、マーケティングや経営戦略など、14カテゴリのビジネススキルが学び放題。
▼特徴▼
- MBAほかで教える講師監修の高品質なビジネス動画を提供
- 17,800本以上の動画(※2025年4月時点)を毎月書籍1冊分の価格で見放題
- 1動画3分〜、スマホやアプリでいつでもどこでも学べる
- ビジネスの原理原則〜最新トレンドまで、仕事に役立つ実践的な知識を体系的に網羅
- 初級・中級・実践まで自分に合うレベルを選べる
- オンラインイベントやユーザー主催の勉強会などで、一緒に学ぶ仲間に出会える
第20回日本e-Learning大賞で厚生労働大臣賞を受賞!

ユーザーアンケートの結果、90%以上の利用者が高評価!

GLOBIS学び放題で、あなたの可能性を広げる一歩を始めませんか?
▼さらに詳しい情報や、無料体験はこちらから▼
