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ダイバーシティニュース 政治(10/19)津田大介【11/30までの限定公開】

投稿日:2021/10/20更新日:2021/12/01

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 流産した赤ちゃん遺棄 逮捕の20代夫婦が不起訴

妊娠4〜5ヶ月で流産したときに初めて子どもを授かっていたと知り、自ら役所へ連絡・相談したにも関わらず、遺体を冷蔵庫に入れていたことを遺体遺棄の疑いとして逮捕されてしまった。そもそも罪に問われるような事案でないため最終的に不起訴となったが、メディアが警察発表通り実名で報道したため、妻は自主退職も余儀なくされている。少しでも状況を考えれば分かる話なのに逮捕したのは大変な問題だと思う。

2. 他者PC使った仮想通貨採掘 高裁の有罪判決が見直しか

最高裁が弁論を行うということで、高裁の有罪判決が逆転または差し戻しとなる可能性が出てきた。ブログ運営者が特定のコードを貼ると、ブログ閲覧者のCPUパワーを借りて仮想通貨を採掘する仕組みだ。高裁は一審無罪を覆し、「ウイルスにあたる」と有罪判決を下したが、これにセキュリティの専門家が異議を唱えたりしていた。有罪が確定するとITサービスの自由度が損なわれる可能性もある。最高裁判決に注目したい。

3. 術後患者に対するわいせつ行為の有無で最高裁弁論

上記の件と同様、一審無罪、高裁有罪を経て、最高裁弁論で逆転無罪または差し戻しの可能性が出ている。手術を担当した外科医がベッドに横たわっていた原告女性の上半身を舐めたか否かが争われている事案だ。胸には医師のDNA反応があったものの、原告は術後せん妄の状態にあり、DNAも被告人が手を洗わず触診したことが原因と、弁護側は主張している。判断の難しい事案だが最高裁で審議を尽くしていただきたい。

4. 韓国の言論仲裁法改正案が「言論封殺」批判で見送り

ネット世論工作に対する懲罰措置も盛り込んだ法案だが、故意でない誤報もあるわけで、悪意で情報を歪めたことの証明は難しい。結果的に成立は見送りとなった。「ネットの誹謗中傷やフェイクニュースへの適切な対応」は日本の政党も総選挙の公約に含めている。フェイクニュースへの対抗と表現の自由を守ることは諸刃の剣。今後日本でも同様の議論になったとき、本件は参考になると思う。

5. 立民議員が名誉毀損で提訴 投稿者の回線は法人運営

17万近いフォロワーを持つアカウントが以前から野党に対するネガキャンのようなツイートを繰り返しており、そこで攻撃されていた野党議員2人が名誉毀損で提訴、発信者情報開示を経て法人名の回線契約が確認された。当該企業の取引先には自民党や自民党議員、または関連企業が、世論工作的な業務を請け負っていた疑いがある。他の事案では自民が野党への否定的投稿を業者に依頼していた例もある。選挙前に明らかにすべき話だと思う。

【スペシャルトーク】衆院選の各党公約レビュー

スペシャルトークでは、衆議院議員選挙が公示され本格的な選挙戦がはじまるにあたって、津田大介さんに各党の公約を掘り下げていただいた。

今は各党の公約集がWebサイトからダウンロードできる。そのなかで、特に政党として強く訴えている“重点政策”を、優先度の高さ順に各党から3点ずつ選んだうえで大まかに要約してみると、下記のようになる。

  • 自民:1.コロナ対策、2.「新しい資本主義」による中間層再構築、3.「農林水産業を成長産業に」
  • 公明:1.コロナ対策、2.ポストコロナ経済再生、3.「子育て・教育を国家戦略に」
  • 立民:1.コロナ対策、2.「一億総中流社会」の復活、3.脱原発と脱炭素
  • 共産:1.家計応援の政治、2.気候危機対応、3.多様性と個人の尊厳を大切にする政治
  • 維新:1.国会・行政改革、2.税制・規制改革、3.社会保障・労働改革
  • 国民:1.積極財政への転換、2.「給料が上がる経済」の実現、3.「人づくりこそ国づくり」
  • 社民:1.感染症対策、2.格差貧困の解消、3.脱原発・脱炭素
  • れいわ:1.生活底上げで消費税廃止、2.積極財政、3.脱原発グリーンニューディール

「NHK党」はNHK受信料の徴収に関する公約のみだ。政策別に見ると、たとえば消費税については党によってかなり違う。基本的に言及していない自公に対して立憲・維新・国民は5%への減税を掲げているが、その期間は3者で異なる。そして、社民は3年間ゼロ、共産は恒久5%、れいわは廃止だ。他の税制と合わせて議論する必要のある話だが、昨年の税収はおよそ60兆。ステイホームやテレワーク対応の新たな需要で消費税収が増え、コロナ禍にあって過去最高だった。そうした状況も鑑みたうえで財源確保や格差是正も合わせて考えることになるわけで、税制に対する考えを見ていくことで各党が目指す国づくりの形も見えてくると感じる。

いずれにせよ、各党の公約を一通り読み込んでいくと今回はどの党も非常に気合いが入っていると分かるし、「日本にはこれだけ多様な社会課題があるのだ」とも感じる。公約を読んで初めて知る課題もあるほどだ。ぜひ重点政策だけでも一読してみて欲しい。そこで「お?」と思うものがあればネットでさらに調べたり他の党と比較したりして投票先を検討すれば、“投票後の後悔”も少なくなるのではないか。今回はどの党の公約も面白い。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

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