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海外で結果を出す組織創りとリーダーシップ 前編

投稿日:2021/10/25更新日:2022/12/06

目次

企業の人材・組織開発の責任者(CLO:Chief Learning Officer)を対象としたカンファレンス「第10回CLO会議」が、2021年9月に3日間にわたりオンラインで実施された。本レポートでは、2日目の「海外で結果を出す組織創りとリーダーシップ」の概要を紹介する。新興国タイで最先端の内視鏡技術を普及させ、内視鏡ビジネスの拡大をけん引したオリンパス株式会社の山田貴陽氏を迎え、海外で勝てる組織創りと、求められるリーダーシップの要諦を紐解いていった。前編では、山田氏の講演を紹介する。(全2回、前編)後編はこちら※肩書は記事公開当時のもの。

新興国における組織創りに必要なリーダーとしての4つのポイント

まずオリンパス山田氏による基調講演が行われた。山田氏は内視鏡事業で2010年からタイ、香港に駐在し、同社の内視鏡製品を市場に広めていった。

当時、タイでは開腹手術が主流だったため、高い技術力が求められる内視鏡手術を普及させるのは容易ではなかった。その状況下で、ASEAN初の内視鏡の医療トレーニングセンターや、ASEAN全域での官学産共同プロジェクトの設立、内視鏡ビジネスの拡大を成功させた。その際、リーダーに求められたのが次に挙げる4点である。

  1. 商売をする相手を見極める「目」
  2. 自らの限界と周囲に求める価値を明確に定義
  3. サステナブルな組織
  4. 他業種のリーダーとのネットワーク

山田氏は、この4点について一つひとつ丁寧に解説した。

(1)商売をする相手を見極める「目」

タイは政情不安などの外部要因リスクが多く、それによって病院の8割を公立・公的機関が占めるにもかかわらず、医療機器などの支払い保留が想像以上に発生していた。さらに、「与信管理がそもそもない」「支払サイトが口約束」「契約書に支払期日の記載なし」など、日本では考えられない障壁があった。

そこで、山田氏は恒常的に支払保留などがある病院については、直接経営者と交渉しながら、『契約を行わないように』といった指示を出すこともあったという。

「リーダーは、現場の肌感覚を常に感じ取れるポジションに立って、時に撤退するという視点を持って判断することが求められます」(山田氏)

(2)自らの限界と周囲に求める価値を明確に定義

山田氏は、タイでの駐在経験を重ねていくに従って、医療を切り口に日本とタイをつなぐ仕組みを構築できないかと考えるようになったという。

しかし、一人で行うには限界がある。そこで、自分の強みである、医療関係者や日本政府関係者といったネットワークを活かして、「(自分だけでは)動かせない人」たちを「動かすための施策」を追求した。そして、日本とタイ政府関係団体との接点が持てる場として、バンコク商工会議所内に医薬・医療分科会を設立。

さらに、その発展系として、タイをハブにラオス、ミャンマー、カンボジア、ベトナムに日本の高度な医療技術を伝える官学産共同プロジェクト「日本式腹腔鏡トレーニングプロジェクト『MESDA』」が生まれた。

「自分の限界を見極めることで、自分自身の強みが明らかになり、パートナーの強みと組み合わせることによって、MESDAのような新しい価値を産み出せました」と、山田氏は語った。

(3)サステナブルな組織

駐在員が帰任すると、それまでの戦略が止まってしまうことがよく起こる。そうならないようにするためには「現地スタッフへの手厚いフォローが重要だ」と、山田氏は強調する。

「私は2つのアクションを実行しました。1つは『自ら戦略、夢を語ること』。なぜ、今この戦略を推進するのか。その目的や想いを伝えることに時間を費しました。そこに共感してもらえれば、私が帰任しても現地スタッフは意義を考え、仕事を継続してくれます。

但し、全ての戦略や夢について自信を持って語ることは不可能です。その状況も今の自分の「限界」と楽観的に受け入れ、たとえ100%の自信がなくても、内面を隠さず『共に成長していきたい』というメッセージを発信し続けました。

もう1つは『メンバーに、戦略実行のための知識を吸収できる機会を作ること』。例えば、メンバーを選抜して、ビジネススクールに参加してもらいました。実際、そこで学んだメンバーが、現在タイの現地法人の営業責任者として活躍しています」

(4)他業種のリーダーとのネットワーク

山田氏にとって、現地で活躍している他業種のリーダーたちとのネットワークを築けたことは、今に至るまでの大きな財産になっているという。

「超一流のリーダーからは集中力、突破力、経営力、ティーチング、立ち振る舞いなど多くのことを学びました。彼ら良きリーダーとの出会いがなければ、MESDAのようなプロジェクトの実現も困難だったと思います」

後編では、山田氏の講演を踏まえモデレーター高橋亨と「海外で結果を出すリーダーは何が違うのか」についてディスカッションを行う。

後編はこちら

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