※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
能力開発の原点——問いを深め続けた少年時代
幼少期、両親や祖父母に世の中の事象について表面だけでなく背景まで「なぜ?」と質問し、困らせていたという宮田氏。その「深くまでを理解する」姿勢が実践に現れたのが、中学時代に取り組んだ『高校への数学』という雑誌だという。同誌では、数分で解ける問題ではなく、一日中考え続けるような問題に向き合いながら、多様な解法を模索する。
「通常の解答方法だけではなく、他にもっとエレガントなアプローチがないかを考えつづける。実際、社会に出た後はそういうことの方が多いですよね」
表層だけではなく、背景にあるものまで理解し、それを構造化していこうとする姿勢が、後の研究者としての基礎になったと言えそうだ。
多様な知を統合するアプローチ
宮田氏の学びは、特定の専門にとどまらない。心理学、社会学、生物学、法律、脳科学、テクノロジーまで、広範な分野を横断して探究してきた。
「哲学だったり科学でさまざまな物の見方がある中、いろいろな人たちが何を大切にしながら世の中を見てきたのか。これを学びつつ自分自身がどう世界と向き合うのかを作らないといけない、そういう科学者になろうと思っていた」
大学時代には、授業だけでは得られない学びを求め、30名以上の教授と面談し、ディスカッションを重ねた。彼らの視点に対して自分の考えをぶつける。その先に新しい発見があると信じたゆえの
広く学ぶことの苦労と覚悟
一方で、こうした複数の見方を組み合わせながらという学際的なアプローチは、学術界では必ずしも評価されやすいものではない。修士論文のテーマは「正しいデータを扱って正しく世界を見るとは何か」。極めて本質的なテーマだが、研究の世界では異端視されることもあったという。
「広い部分のテーマで論文を書いたとしても、基本的にそれはゼロに近い評価だし、苦労が10倍ぐらいする割にはその時点ではほぼ評価にはならない」
「でも、学士論文は研究者としての初心表明。効率性を度外視してでも、自分の核となる問いに取り組むべきだと思ったんです」
知を広げ、深めるリーダーとしての軌跡
宮田氏の言葉から浮かび上がるのは、深く掘るだけでなく、広く学ぶ覚悟を持つことの重要性だ。問いを深め続ける姿勢、多様な分野を横断して学ぶ柔軟性、そして困難を乗り越えてでも真理に迫ろうとする探究心——それらすべてが、今日のリーダーシップのあり方に通じる。
「世の中をより良くするために、今すぐ役に立つ知識だけでなく、その次起こることも含めてより深い部分から物事を理解する」その言葉は、ビジネスパーソンにも強い示唆を与えてくれるのではないだろうか。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、山崎直子氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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