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イグジットとは?起業家と投資家が知っておくべき「出口戦略」の全て

投稿日:2025/07/14タイマーのアイコン 読了時間 5分

イグジットとは、起業家や投資家が株式売却などで事業の成果を現金化する手法です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

イグジットとは - 起業家と投資家にとっての「ゴール」

イグジット(Exit)とは、ベンチャービジネスや企業再生などにおいて、創業者やファンド(ベンチャーキャピタルや再生ファンドなど)が株式を売却し、利益を手にすることを指します。

別名「ハーベスティング(Harvesting・収穫)」とも呼ばれ、まさに長年育てた事業の成果を「収穫」する重要な段階といえるでしょう。

起業家にとっては、自分が築いた事業の価値を現金化する機会であり、投資家にとっては投資した資金を回収し、利益を得る最終目標となります。単なる株式売却ではなく、事業の成長ストーリーの完結点として位置づけられる重要な戦略的判断なのです。

なぜイグジットが重要なのか - 事業成長の原動力となる理由

イグジットが重要視される理由は、単に利益を得るためだけではありません。事業の持続的な成長と発展において、きわめて重要な役割を果たしているからです。

①投資家の資金回収と新たな投資サイクルの創出

投資家は、投資した資金を回収してはじめて次の投資に向かうことができます。イグジットによって得られた利益は、新しいスタートアップ企業への投資資金として活用され、イノベーションの循環を生み出します。

②起業家のモチベーション向上と成長意欲の促進

明確なイグジット目標があることで、起業家やマネジメントチームは具体的な目標に向かって努力することができます。将来の成功をイメージできることは、困難な局面でも諦めずに取り組む強力な動機となるのです。

イグジットの詳しい解説 - 多様な手法と戦略的意義

イグジットには複数の方法があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。企業の状況や市場環境に応じて最適な手法を選択することが重要です。

①株式公開(IPO)による資金調達と企業価値の向上

株式公開(Initial Public Offering:IPO)は、最も代表的なイグジット手法の一つです。証券取引所に上場することで、株式を一般投資家に売却し、資金を調達します。

IPOの大きなメリットは、企業の知名度向上と信用力の増大です。上場企業としてのステータスを得ることで、優秀な人材の確保や取引先との関係構築が容易になります。また、株式の流動性が高まることで、既存株主はいつでも株式を現金化できるようになります。

一方で、上場には厳格な開示義務や規制遵守が求められ、経営の自由度が制限される側面もあります。また、上場準備には相当な時間とコストがかかるため、企業の成長段階や財務状況を慎重に見極める必要があります。

②M&A(企業買収)による事業統合と相乗効果の創出

M&A(Mergers and Acquisitions:企業の買収・統合)は、他社に事業を売却するイグジット手法です。買収企業にとっては新たな事業領域への参入や市場シェアの拡大が可能となり、売却企業にとっては適正な価格での事業売却が実現できます。

M&Aの魅力は、買収企業の既存リソースを活用することで、単独では困難な事業拡大が可能になることです。また、IPOと比較して短期間での実行が可能で、市場環境に左右されにくいという特徴があります。

③MBO(マネジメント・バイアウト)による経営権の取得

MBO(Management Buyout:マネジメント・バイアウト)は、経営陣が自社の株式を買い取り、経営権を取得する手法です。外部投資家からの出資を受けて事業を拡大した後、経営陣が再び主導権を握る形となります。

MBOの特徴は、経営陣の事業に対する深い理解と愛着を活かしながら、より柔軟な経営判断が可能になることです。また、従業員の雇用維持や企業文化の継承がしやすいというメリットもあります。

イグジットを実務で活かす方法 - 成功につながる戦略的アプローチ

イグジットは単なる最終目標ではなく、事業運営の各段階で戦略的に活用すべき重要な概念です。実際のビジネス現場では、どのように活用すればよいのでしょうか。

①事業計画におけるイグジット戦略の組み込み

事業計画を策定する際には、必ずイグジット・プランを明確にしておくことが重要です。「いつ頃」「どのような方法で」「どの程度の価値で」イグジットを実現するのかを具体的に示すことで、投資家に対して明確な投資回収の見通しを提供できます。

たとえば、「5年後のIPOを目指し、時価総額100億円を目標とする」といった具体的な目標設定により、投資家は投資判断を行いやすくなります。また、この目標に向けて必要な売上規模や市場シェア、組織体制などを逆算して計画を立てることができます。

②企業価値向上のための継続的な取り組み

イグジットの成功は、企業価値の向上に直結しています。そのため、日常的な経営活動においても、将来のイグジットを見据えた価値創造活動を継続することが重要です。

具体的には、財務体質の強化、競争優位性の確立、人材育成、ガバナンス体制の整備などが挙げられます。これらの取り組みを通じて、投資家や買収企業にとって魅力的な企業となることで、より有利な条件でのイグジットが実現できるのです。

また、市場環境の変化に応じて柔軟にイグジット戦略を見直すことも重要です。当初IPOを予定していても、市場環境が不安定な場合はM&Aに切り替えるなど、常に最適な選択肢を検討し続ける姿勢が求められます。

参考ページ

MBA経営辞書「イグジット」

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