※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
(肩書きは2021年2月26日撮影当時のもの)
美意識が人間を動かす
「組織では、論理や言語で行動を決定します。ですが、個人の決断は“美意識”でほとんどを決めていると思うんです」
猪子氏は、アートへの関心の始まりをこう語る。論理では説明できない“美”こそが、人の行動を決定する核だという視点だ。
「例えば、自身の今の仕事を単純に儲かるから選んだわけじゃなく、何らかの美意識で選んでると思うんです。だけど、その“美”が何なのか、案外わからないんです」
人間の行動を決定する最も根源的な要素であるにもかかわらず、“美”という概念の正体がつかめない。その疑問こそが、彼の好奇心の原点だった。
美の探求とアーティストの役割
歴史を見ると、アーティストは美ではなかったものを美に変えてきた。つまり人類の“美”は、アーティストによって拡張されてきたと言える。この視点は、猪子氏の創作活動の原動力でもある。
「自分の人生を通じて人類の“美”をほんの少しでも拡張できたら、人類の行動を少しでも変えることができたら、それはすごくいいなと思ったんです」
美とは何かを問い続けながら、自らの作品を通じてその定義を広げていく。これこそが彼のアートとサイエンスを融合する創作哲学である。
自らの能力を高めるための設計
猪子氏は、自身の能力を高めるための戦略を明快に語る。
「大学までの教育ではサイエンス的な教育を受けてきた。そこで、チームラボという場を作って、自分をそこに置いて“何かを美にする”ことを作り続けることで、自分の能力を上げていきたいし、クリエイティブにしていきたいと思ったんです」
教育や訓練に頼るのではなく、自ら環境を設計し、その中で実践を繰り返すことで能力を伸ばす。このアプローチが、彼のクリエイティブな力を支えている。
原体験としての原生林
「徳島の実家の裏には小さな山があって、原生林だったんです。学校の帰りにそんな自然の立体的な空間で遊べた体験が、今の僕にとって意味があったと思います」
幼少期に立体的な自然空間で過ごしたことが、空間芸術としての現在の活動の素地となっているという。
原体験としての自然との関わりが、空間美への感性を育んだ。この記憶が、彼のクリエイティブな出発点となっているのだ。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、猪子寿之氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問(能力開発/挑戦/試練/仲間/志)を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。
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