※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
(肩書き等は2023年12月6日収録当時のもの)
体力だけでは勝てない。だからこそ鍛えた「心」と「技」
カーレースの世界は、体力で勝負が決まる場面も多い。だが、女性である井原氏にとっては、男性と同じ土俵で戦うには体力以外の武器が必要だった。
「体力以外の能力を開発しないと同等にはいけないので、レースを通して開発能力とかコミュニケーション能力とか解析能力とか、いろんな能力を少しずつ開発しました」
井原氏は、フランスのスポーツ科学研究所に住み込んで心身を鍛えた。1日のトレーニングは、20キロのランニング、100キロのサイクリング、2時間半の筋トレ、そしてプール100本という超ハードな内容だった。
「緊張すると結果を出せなかったりする時があったので、メンタルをどうコントロールするか、食べ物から血流まで、すべてを科学的に学んできました」
「心」は科学で鍛えられる──血流、呼吸、食事がカギ
井原氏が重視したのは、心の状態をいかにコントロールするか。メンタルを「感情」ではなく「生理現象」として理解し、科学的アプローチで制御していった。
「効果的だったのは、血流と呼吸と食べ物ですね。血流が脳にどのくらい回っているかを感覚的に分かるようになって、自分でコントロールできるようになりました」
この「血流感覚」は、スポーツ科学研究所での訓練を通じて身につけたもの。本番レース中も、直線を走るとき(時速350km)は「休憩時間」として呼吸を整えるなど、心拍の緩急を自在に調整するようにしているという。
「レースで集中力を持続させるために、心拍数を定期的に下げる、集中するためにしっかり休む。メリハリを意識しています」
技術習得は「本番で学ぶ」──素直さが成長のカギ
レーサーとしての「技術」はどう身につけたのか。驚くべきことに、井原氏がカーレースを志した時点では、運転免許すら持っていなかった。
「運転免許を取った後、カーメーカーの安全運転インストラクターに応募しました。運転の癖がなかったから、素直に運転技術が入ったんだと思います」
毎日テストコースで訓練を重ね、基礎を3年間徹底的に叩き込まれたことが、後のレースでも生きた。
「免許取りたての時期に基礎を学んだことで、カローラでもフェラーリでも速く走らせられるようになりました。あとは“本番で学ぶ”を大事にして、イギリスに渡って実戦で鍛えました」
自らの限界を科学的に見つめ、超えていく。その姿勢こそが、井原慶子氏の「能力開発」の本質なのかもしれない。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、井原慶子氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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