知見を広げる
MBA/テクノベート
キャリア/志
万博クリエイティブプロデューサー・小橋賢児　「人間力」への気づきで人生が変わった

万博クリエイティブプロデューサー・小橋賢児　「人間力」への気づきで人生が変わった

投稿日：2025/07/17 読了時間 3分

子役として芸能界に入り、現在は2025年大阪・関西万博の催事企画プロデューサーを務める小橋賢児氏。華やかにも見えるキャリアの裏側には、苦悩や葛藤、そして大胆な決断がありました。本記事では、彼がどのようにしてクリエイティブディレクターとして新たな人生を歩み始めたのか、その転機と原点に迫ります。

※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。

実践で鍛えられた俳優としての基礎力

自身の能力開発について尋ねられた小橋氏はまず、「俳優時代では本当に実践」と語ります。
8歳でテレビ番組のオーディションを経て芸能界に入った小橋氏。セリフを短時間で覚え、即興で演技を披露する過酷なオーディションを何度も経験したことが、自然と自分を鍛えてくれたというのです。

特に印象的なのは、人気投票で出演が決まる番組に自ら何通もハガキを送ったというエピソード。子供らしい行動ながらも、こういった行動力と工夫は、幼少期からの高い自己動機づけの表れでした。

「自分のやりたいことに対して後先考えず行動した結果が、芸能界という道に繋がったのかなと思うと、子供ながらのワクワクと行動は必要だったと思います」

実践と行動を通じて能力を磨く姿勢は、どのような職業にも通じる成長の鍵です。

自分の"WANT TO"を見失いかけた俳優時代

若くして多くのドラマに出演し、成功を収めたように見えた小橋氏。しかし「俳優だからこうしなければならない」という制約に縛られ、自分の本音と行動が一致しなくなっていったと言います。演じる自分と本来の自分の乖離に苦しんだ日々を、次のように振り返ります。

「子役の時は自らWANT TOでやりたい、会いたい、行きたいと思って俳優をやっていたのが、俳優であることがHAVE TOになって、自分の心に嘘をついて生きていた」

やがて、それが限界に達し、芸能活動の休止という大きな決断を下します。「自分の本音に耳を傾けること」の重要性は、あらゆるビジネスパーソンにとっての示唆となるのではないでしょうか。

自然と遊びから生まれたクリエイションの可能性

大きな決断の背景には、まだ俳優活動を続けていたころに出かけた沖縄でのキャンプ中での出来事がありました。クリエイター・水口哲也氏との出会いです。
音楽を流しながら星空を眺める中で、「これをゲームにしたら面白くない？」と語った水口氏の言葉が、小橋氏の感性に火をつけました。

「自然と遊びながら得たイマジネーションをクリエイションに変えていくことに、すごくワクワクして」
「一方で、自分に嘘をつきながら活動を続け、自分の内側からクリエイションしていなかったので、ある意味で劣等感を感じた。それからもっと知らない世界を見たいな、見なきゃいけないなと思ったんです」

ネパールで気づいた「今を生きる力」

そう思った小橋氏が単身訪れたのは、ネパール。ここでは現地の同年代の男性と出会い、「今を必死に生きる力」の真価に気づいたといいます。

「突然彼の背中が大きく見えて、嗚咽するくらい号泣した。彼は今しかないので今を生きるために必死に生きてる、この人間力みたいなものの差に気づいた。自分は過去や未来に囚われて、今を生きていなかった」

この経験は小橋氏にとって人生観を根底から覆すもので、心のリハビリのような機会になったのかもしれません。
人生の価値は、今この瞬間にどれだけ本気で向き合えるかにあると学んだ経験でした。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、小橋賢児氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問（能力開発／挑戦／試練／仲間／志）を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。

■その他『リーダーの挑戦』シリーズおすすめの動画はこちら

■GLOBIS 学び放題で、さらに学びを深めませんか？

GLOBIS 学び放題は、ビジネススクールを運営するグロービスの動画学習サービスです。
上記でご紹介した目標設定、マネジメントに関連する動画を始め、マーケティングや経営戦略など、14カテゴリのビジネススキルが学び放題。

▼特徴▼