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7Sとは?組織を丸ごと見える化する経営コンサルの必須ツール

投稿日:2025/10/07更新日:2025/12/01タイマーのアイコン 読了時間 7分

7Sとは、マッキンゼーが提唱した組織分析のフレームワークで、7つの要素から組織の整合性や課題を可視化する手法です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

7Sとは

7S(セブンエス)とは、組織を構成する7つの重要な要素を体系的に分析するための経営フレームワークです。

世界的なコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーが1980年代に開発したこの手法は、組織の現状把握から変革の方向性まで、幅広い場面で活用されています。7つの「S」で始まる英単語(戦略、組織構造、システム、共通価値観、スキル、人材、スタイル)を使って、組織を多角的に見える化することができます。

単純に見えるこのフレームワークですが、実は組織の複雑な相互関係を整理し、変革の際に見落としがちなポイントを明確にする優れた分析ツールなのです。経営者やマネージャーにとって、チームや組織全体の健康状態をチェックする「組織の健康診断書」のような役割を果たします。

なぜ7Sが重要なのか - 組織変革の成功率を劇的に上げる理由

組織を変革しようとして失敗する企業の多くは、一つの要素だけに注目して他の要素を見落としてしまうという共通の問題を抱えています。7Sが重要視される理由は、この「部分最適の罠」から抜け出し、組織を全体として捉える視点を提供してくれるからです。

①全体像を見失わずに済む

多くの組織改革では、戦略だけを変えたり、システムだけを導入したりと、単発的なアプローチを取りがちです。しかし、7Sを使うことで、7つの要素がどのように関連し合っているかを把握でき、バランスの取れた変革を進められます。

例えば、新しいデジタル戦略を導入する際も、システムの変更だけでなく、従業員のスキルアップや組織文化の変化まで同時に考慮する必要があることが見えてきます。

②変革の優先順位が明確になる

7つの要素を整理することで、現在の組織で最も改善が必要な部分や、変革の際に最初に手をつけるべき領域が明確になります。限られた時間と資源を効果的に配分するための指針となるのです。

また、各要素の現状を数値化したり評価したりすることで、客観的な判断基準を持つことができ、感情論ではなくデータに基づいた組織運営が可能になります。

7Sの詳しい解説 - 7つの要素で組織の真の姿を明らかにする

7Sフレームワークは、組織を「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けて分析します。ハード要素は比較的変更しやすく、ソフト要素は変更に時間がかかるという特徴があります。この分類を理解することで、変革のタイムラインや難易度を適切に見積もることができます。

①ハードの3S - 目に見える組織の骨格

**戦略(Strategy)**は、組織が目指す方向性や競争において勝つための道筋を表します。どの市場で、どのような価値を提供し、どう差別化するかという基本方針です。

**組織構造(Structure)**は、部門の分け方や報告関係、意思決定の流れなど、組織の骨格部分を指します。階層型なのかフラット型なのか、機能別なのか事業部制なのかといった組織設計の話です。

**システム(Systems)**は、業務プロセスやIT システム、評価制度など、組織を動かす仕組み全般を含みます。どのように情報が流れ、どのように業務が進められるかという運営メカニズムです。

これら3つは図面や規程として目に見える形で表現でき、比較的短期間で変更することが可能です。

②ソフトの4S - 組織の魂を形作る見えない要素

**共通価値観(Shared Values)**は、組織のメンバーが共有する価値観や信念、企業文化の核となる部分です。「お客様第一」「チャレンジ精神」といった、行動の基準となる考え方を指します。

**スキル(Skills)**は、組織として持っている能力や強みを表します。技術力、営業力、マーケティング力など、競争優位の源泉となる組織能力です。

**人材(Staff)**は、組織で働く人々の特性や構成を指します。どのような背景を持つ人が多いのか、年齢構成や専門性の分布はどうなっているかという人的資源の側面です。

**スタイル(Style)**は、リーダーシップのスタイルや組織の雰囲気、コミュニケーションのとり方など、組織特有の「やり方」を表現します。

③7つの要素の相互関係 - なぜバランスが重要なのか

7Sの真の価値は、これら7つの要素が複雑に絡み合っていることを可視化できる点にあります。例えば、革新的な戦略を立てても、保守的な共通価値観やリーダーシップスタイルがそのままでは、戦略の実行は困難になります。

また、優秀な人材を採用しても、その人材のスキルを活かすシステムや組織構造がなければ、期待した成果は得られません。7Sは、このような要素間の整合性を確認し、どこにギャップがあるのかを明らかにしてくれるのです。

7Sを実務で活かす方法 - 明日から使える組織改革の実践術

7Sフレームワークは、理論的に理解するだけでは意味がありません。実際のビジネスシーンでどのように活用するかが重要です。多くの企業で実践されている活用方法を具体的に見てみましょう。

①現状分析での活用 - 組織の健康診断ツールとして

まずは自分の組織の現状を7つの要素で整理してみることから始めます。各要素について、現在の状況を客観的に記録し、強みと課題を明確にします。

例えば、営業部門であれば、戦略(どの顧客にどのような提案をするか)、組織構造(個人営業かチーム制か)、システム(CRMの活用状況)、共通価値観(顧客第一の意識)、スキル(提案力や交渉力)、人材(営業経験年数や専門知識)、スタイル(上司の指導方法)を順番に整理します。

この作業を通じて、「戦略は明確だが、それを支えるシステムが不十分」「優秀な人材はいるが、組織構造が足を引っ張っている」といった具体的な問題点が浮き彫りになります。

②変革計画での活用 - 見落としを防ぐチェックリストとして

組織変革を計画する際、7Sを変革の影響度チェックリストとして活用することで、思わぬ落とし穴を避けることができます。

新しいデジタル戦略を導入する場合を例に取ると、戦略とシステムの変更だけでなく、従業員のデジタルスキル向上(スキル)、デジタル人材の採用や配置転換(人材)、デジタル化を推進するリーダーシップ(スタイル)、イノベーションを重視する価値観の浸透(共通価値観)、そして新しい業務プロセスに合わせた組織構造の見直し(組織構造)まで、包括的に検討する必要があることが分かります。

③チームマネジメントでの活用 - 日常のマネジメント向上に

7Sは大規模な組織変革だけでなく、日常のチームマネジメントにも応用できます。部下との面談や チーム会議で、7つの観点から現状を振り返り、改善点を話し合うことで、より効果的なマネジメントが実現できます。

定期的に7Sの観点でチームの状態をチェックすることで、問題が大きくなる前に早期発見・早期対応が可能になり、チームパフォーマンスの継続的な向上につながります。

参考ページ

7Sとは?【特選!グロ―ビス学び放題】

  • GLOBIS学び放題×知見録

    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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