※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
幼少期に学んだ「ハードワークの価値」
キャシー松井氏が「能力」の源としてまず語ったのは、小学生時代から続いた畑での労働経験だった。
「毎週末、夏休み、母の日やバレンタインデーの前には必ず畑を手伝っていました。お小遣いという概念は我が家になく、働けば対価がもらえるという価値観を得られたのがよかったと思います」。
「能力というか、いわゆるハードワークという価値を小さい時に学んだ」
こう語るように、物理的な働きと家族の一員としての責任感が、後の高い成果を生み出す基盤となったのだ。
ハーバードで鍛えられた「情報処理」と「議論」のスキル
ハーバード大学での専攻は「ソーシャルスタディーズ(社会科学)」という分野。政治哲学やヨーロッパの歴史など、多岐にわたるテーマを扱い、毎週2冊の課題図書について、30ページのレポート提出が課された。
「当時はパソコンもなく、タイプライターで書いていました」「少人数での授業では毎週同級生や先生の前で討論をしなければならず、常に緊張していました」
膨大な情報を読み込み、自分の意見を論理的に構築し、それを人前で表現する能力が徹底的に鍛えられた。
また、松井氏は最初の数ヶ月、毎晩眠れないほど必死に勉強したとも語っている。
親、そして姉の影響を受けて選んだ進路に疑問を持ちつつも、「ドロップアウトしたら親に申し訳ないと思ったので、毎晩とにかく失敗しないよう必死に勉強した」と振り返る姿には、自身の責任感と努力の原点がにじむ。この経験が後のキャリア形成において、強い支えとなったのは間違いない。
日本での経験がルーツを自覚させた
ハーバード卒業後、松井氏は奨学生として初めて日本に渡り、国際基督教大学と神戸大学で学んだ。ここで初めて、自身の「ルーツ」に向き合うことになる。
「初めて成田に到着したら、みな自分と同じような外見で驚いた。アメリカではずっとマイノリティだったので、逆カルチャーショックでした」
アメリカでマイノリティとして育った彼女にとって、日本は新たなアイデンティティの発見の場だった。日本の面白さに気づき、学びたいと思うようになったのだった。
金融業界への転身と出会いの連鎖
その後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院を経て、日本の三井銀行本店でのインターンシップを経験。ここで金融業界の面白さを知り、就職活動を開始。最終的にバークレイズ証券に入社し、キャリアの第一歩を踏み出す。
さらに運命的だったのが、後の夫との出会いだ。「ジョンズ・ホプキンス大学の先輩であり、三井銀行で再会した彼と出会い、恋に落ちて日本に戻ってきました」。「愛のせいで」金融キャリアが始まったというエピソードに、人生の面白さがにじみ出ている。

※GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、キャシー松井氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問(能力開発/挑戦/試練/仲間/志)を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。
■その他 『リーダーの挑戦』シリーズおすすめの動画はこちら
- リーダーの挑戦(53) 安宅和人氏(慶應義塾大学環境情報学部教授/Zホールディングス株式会社 シニアストラテジスト)
- リーダーの挑戦⑦ 星野佳路氏(星野リゾート代表)
- リーダーの挑戦⑥ 三木谷浩史氏(楽天代表取締役会長兼社長)
■GLOBIS 学び放題で、さらに学びを深めませんか?
GLOBIS 学び放題は、ビジネススクールを運営するグロービスの動画学習サービスです。
上記でご紹介した目標設定、マネジメントに関連する動画を始め、マーケティングや経営戦略など、14カテゴリのビジネススキルが学び放題。
▼特徴▼
- MBAほかで教える講師監修の高品質なビジネス動画を提供
- 17,800本以上の動画(※2025年4月時点)を毎月書籍1冊分の価格で見放題
- 1動画3分〜、スマホやアプリでいつでもどこでも学べる
- ビジネスの原理原則〜最新トレンドまで、仕事に役立つ実践的な知識を体系的に網羅
- 初級・中級・実践まで自分に合うレベルを選べる
- オンラインイベントやユーザー主催の勉強会などで、一緒に学ぶ仲間に出会える
第20回日本e-Learning大賞で厚生労働大臣賞を受賞!

ユーザーアンケートの結果、90%以上の利用者が高評価!

GLOBIS学び放題で、あなたの可能性を広げる一歩を始めませんか?
▼さらに詳しい情報や、無料体験はこちらから▼
