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あらゆる領域で増える「サブスクリプション型サービス」現状と見えてきた課題とは?

投稿日:2020/06/29更新日:2021/08/07

本記事は、G1経営者会議2019「次世代のビジネスモデルの潮流~サブスクリプションとXaaS~」の内容を書き起こしたものです。(全2回 前編)

井上陽介氏(以下、敬称略):本セッションでは、「次世代のビジネスモデルの潮流」というテーマでサブスクリプションやXaaSについて議論したいと思います。今日はその第一線で事業変革を推進していらっしゃる方々にお集まりいただきました。

もともとSaaSとしてソフトウェアからはじまったものが、今はモビリティ等あらゆる領域にサブスクリプション型ビジネスとして広がってきたと感じます。たとえば日経新聞の電子版、これもある種のサブスクリプション型サービスですが、こちらで検索をしてみると、ほぼ毎週「サブスク」というキーワードにヒットする記事が掲載されています。ベンチャーのみならず大企業でも、今はサブスク型またはXaaS的なビジネスが、ある意味では不可欠な時代になってきたのではないかと思います。

ちなみに、会場の皆さんの会社でサブスクリプション型ビジネスをすでに運用しているという方はどれほどいらっしゃいますか?40%ぐらいですかね。では、そのビジネスが「超うまくいっている」という方はどれほどいらっしゃいますか?いらっしゃいますね。素晴らしい。「まあまあ」という方は?…では「全然ダメ」という方はどうでしょうか。分かりました。「超うまくいっている」という方にはのちほどお話を聞いてみたいと思いますが(会場笑)、まずは壇上の皆さまに、それぞれの会社でどんなサブスクのビジネスを進めていらっしゃるのかを伺いたいと思います。どのように既存ビジネスからサブスクに切り替えていったのかも含めて、山崎さんから順にお願いします。

サブスクリプションで変わる事業モデル、コスト構造へのチャレンジ

山崎善寛氏(以下、敬称略):当社では大きくは2つ、サブスクリプションというか、SaaSやPaaSと言われるビジネスに取り組んでいる分野があります。1つは、いわゆるクラウドサービスです。これはマイクロソフトがはじめたものというより、コンピューティングにおける技術的なあり方の変化ですね。お客さまに資産を持っていただくのでなく、我々ベンダー側がお預かりして、その代わりに規模の経済で安く、より良いものを提供するというものです。SaaSとして「Office 365」というサービスからはじめました。パートナーさまやお客さまが自ら購入したハードウェアにソフトを入れる形から、我々がお預かりをする形に転換したわけですね。

これについてはチャレンジもありました。まず、IT企業によってもP/Lのあり方は変わります。で、我々やGoogleさんは、もはや世界最大級のデータセンターを運用するデータセンター事業者でもあります。それで、3~5年に1度ソフトウェアの新製品を投入・販売して次の開発資金を稼ぐモデルから、今は我々が完全にお客さまのサーバー運用費を持つ形になりました。ですから、売り上げもサブスクによって平坦になりますが、コスト構造も変わります。たとえば3年間でかさんだ研究開発費を次の新製品で回収するといった従来のモデルも、完全フラットになる、と。それで、データセンターへの投資という継続的なコストが発生する事業モデルに変わります。そうすると、否が応でも収入をできるだけフラットにしたいという思いが会社として出てくるわけですね。ですから、テクノロジーが牽引して、SaaS、PaaS、YaaSの事業をはじめたということもあります。

一方で、今まさに私がチャレンジしていることでもあるんですが、我々にはまだ売り切り型のソフトウェアモデルが数多く残っています。ワードやエクセルに関して、海外に比べて日本は買い切り型のビジネスが異常に肥大化しているんですね。というのも、私は今43で、本会場には年齢的にも近しい方が多いと思いますが、パソコンが流行りだした頃は、家電量販店に行って年賀状ソフトや家計簿ソフトを全部入りで買ってくればパソコンが使えるというところから日本でのビジネスはスタートしています。我々はそれをプリインストールのビジネスと呼んでいますが、実は海外では、Office製品は基本的にプリインストールのビジネスをやっていません。ほぼ日本で発明された、素晴らしいビジネスモデルとして、会社で活用されているわけですね。

そんなわけで、皆さんも量販店で「パソコンを月1万円で買いませんか?」と言われたら少し「うっ」という感じになると思いますが、企業も同じです。B2BでもB2Cでも、今はそういうことが起きています。パソコンは寿命が尽きるまで使うものであり、Officeはそれに付いてくるものというお客さまの意識がある。なので、そうした日本独自の部分については我々がもう少し頑張らなければいけないと思っています。

井上:収益へのインパクトはいかがでしたか?今は過去最高益を記録していらっしゃると思いますが。

山崎:ちょうど今週決算発表がありましたけれども、今売上を牽引しているのは完全にサブスクリプション型です。逆に、従来型のソフトウェアは売上を落としていて、今は予算の組み方も「それでいい」となっています。最大の変化は単年度の売上を追わなくてよくなった点ですね。従来は新製品を出した年に売上もどかんと上がって、それが次第に下がっていって、そしてまた3年後かいつかにどかんと上がる、と。その繰り返しから、なだらかなカーブのなかでアップセルを仕掛けるようになりました。

中国では「UX×行動データ」をループさせ運用

藤井保文氏(以下、敬称略):私は自社でもSaaSのビジネスをやっていますが、それ自体は冒頭の「まあまあ」という程度です(笑)。一方、私は『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(日経BP)という著書でも書かせていただきましたが、今日は中国から来ているので、中国の事例と日本での先進的な取り組みの差のような部分についてお話できればと思います。

まず、私はコンサルティングで日本企業の皆さまとお仕事をさせていただくなか、中国企業と日本企業でベーシックなマインドセットの違いを感じることがあります。一番大きな差だと思うのは、「いかにデジタルで包み込むか」という考え方が日本ではしっかりなされていないケースが見受けられる点です。具体的には2つ。まず、サブスクやXaaSではいかに高頻度接点をつくるかが、特に2Cで重要になると考えています。これは行動データをたくさん取ることができるからだと思いますが、では、そのデータを何に使うのか。中国企業は、得ることができた行動データをユーザーエクスペリエンスに返していくということを当たり前のように考えていると感じます。

たとえば、サブスクというと中国で最初に名前が出てくるのはZuoraのTien Tzuoさんという方ですが、彼は「通常の課金型とは違って、お客さんと定期的に接点を持つことができて、その状況が可視化できるからサブスクに意味があるんだ」と言っています。特に中国では2Cが強いんですが、2Cでも2Bでも、私が見ている中国の事例ではそうした考え方が前提になっていると感じています。そうして「UX×行動データ」のループを回すということを、サブスクリプションを通じてやっているのだと思います。

井上:なぜ日本企業と中国企業でそうした差が生まれているんでしょうか。

藤井:環境の違いというか、これを言ったら元も子もないかもしれませんが、やはり14億いますので。日本企業の国内ビジネスは人口が少ないこともあり、付加価値を高めて少人数から高い金額を取っていく形になりがちだと感じています。でも、中国はネットワーク効果が効くのでユーザーが何億も集まるわけですね。そこで使い続けてもらうためには、つまりMAU(Monthly Active Usage)何億といった数字を達成するためには、デジタルでやるほうがいい。そのなかでUXを良くしていけば他の追随を許さずMAUをキープできるという考えが、ビジネスの論理として根付いていると感じます。

それともう1つ、日系企業さんとお話をしていると、現状では今お話しした「UX×行動データ」で運用するためのケイパビリティを持つ企業自体が少ないように感じます。スタートアップならデジタルでそれをつくればいいわけですが、もともとモノづくりにフォーカスしていた企業は、なかなかそうしたケイパビリティを持つことができていない、と。その点、これも背景の違いはあると思いますが、中国企業は外からどんどん調達してきていると感じます。

たとえば、中国の私企業としてはアリババとテンセントに続く時価総額3位の平安保険という企業があります。こちらは従来型の保険企業から大変革を行ってデジタルトランスフォーメーションに大成功しました。で、この企業がお医者さんの予約や健康管理を行う「Ping An Good Doctor」というアプリをつくったとき、アリババさんとうまく提携をして進めたという話を小耳に挟んだことがあるんですね。それで、「どうやったんだろう」と思って話を聞きに行ってみたんです。

すると、実際は正式な提携関係は一切なかったんですが、同プロジェクトをスタートさせたトップの人が、かつてアリババに在籍してECでソフトウェアを担当していた方でした。で、平安保険がその人を引き抜いて、その人がアリババから人をごっそり引き抜いてきたらしいんです。それで、1/3は平安保険のプロパーで営業ともつながりが強い方々、1/3は今お話しした元アリババの方々、そして残り1/3はモバイルインターネットのヘルスケアをやっている方々という布陣でアプリをつくったそうです。中国企業は、そんな風に人を集めてオリジンとデジタルをうまく混ぜていると感じます。

「ああ、もうタイヤを替えなきゃ」心配事や面倒から生まれたサブスク

三枝幸夫氏(以下、敬称略):ブリヂストンは昔から自動車用のタイヤを製造・販売している会社です。今日は、なぜそんなコテコテの製造業がサブスクやデジタル変革を行っているのかというお話からはじめたいと思います。たとえば、皆さまはご自身の車をガソリンスタンド等へ点検に出して、それで「タイヤがすり減っています。変えないと車検通りませんよ?」と言われたらどう感じるでしょうか。おそらく九割九分の方は、「ああ、しまった。嫌だな」と。「できればもう1回車検通らないかな。どうしてもダメなら安いのにして欲しい」なんて考えたりすると思うんですね。タイヤというのは、そういうプロダクトです。では、そういうプロダクトで今後も生き延びていくにはどうしたらいいのか。私たちは常に自問自答しています。

そこで当社が考えているのは、点検で「ああ、もうタイヤを替えなきゃ」とか、冬に「雪が降るからスノータイヤに変えなきゃ」といった心配事や御負担を、皆さまにおかけしないようにすること。そういう面倒な部分は当社がすべて行ったうえで、お客さまに提供する価値は、安全に確実に、行きたいところへ行けるという移動のお手伝いにしよう、と。これが1つの解ではないかなと考えています。

で、もちろん皆さん個人の乗用車もそうですが、トラックやバスの運転、あるいは鉱山の運営でも、そこで本質的に行われているのは荷物や人や鉱物を運ぶことですよね。では、その効率を高めるために我々は何ができるのか。そう考えると、タイヤ1本をいくらで売って、「競合よりも10%安いです」「10%長持ちします」という風にするのでなく、お客さまのオペレーション効率がより高まるよう、生産性を高め、オペレーションコストを下げるところにコントリビュートしたいと我々は考えました。

では、どんなコントリビューションを実現するのか。プロダクトであるタイヤはサービスとして提供します。そのうえで、「車1台あたり」「月々いくら」といった形にすればお客さまも予算的に安定するし、面倒なことをやらなくても済むから良いのではないかと考えました。それで、最近はサブスクリプションという言葉が流行ってきたものですから、「我々も以前からサブスクリプションをやっています」という風に言っています。

これは2015年頃、まずトラック・バスの運送会社様向けサービスとしてはじめました。タイヤそのものに加えて、空気圧の点検、ローテーション(タイヤの位置交換)、季節の変わり目の交換等々、メンテナンスの提供ですね。今はそれを一生懸命広げていて、ある程度は上手く行っています。ただ、我々としては、これをどんどん進めていって、お客さまとの契約ベースのビジネスをマジョリティにしたいと考えていたんですね。今でもそう考えています。でも、その拡大ペースは思ったほど上がっていません。

なぜか。現在のプライシングモデルでは、お客さまとして、「あ、これならお得だね。我々としてもビジネスになるね」という着地点を個別に見つける部分で大変な手間がかかっているためです。ここはテクノロジーで今後解決していくべきところだと思いますが、とにかく今はそちら側のバックオフィスが膨らんでいる、と。それで、解約されないようダイナミックにプライシングを行っていくような部分がボトルネックの一つになっていました。その辺が今後の課題かなと思っています。

井上:課題がありながらも、お客さまへの提供価値自体はサブスク型ビジネスに取り組んだことで高まってきているという認識でよろしいですか?

三枝:はい。先ほどの藤井さんのお話と同じですね。なぜサブスクをやって、そこにデジタルを入れるのか。お客さんのオペレーション、あるいはお客さん自身とのつながりをより深くすることで、お客さんが困っているポイントや、どうすれば提供価値を高めることができるのかを、より細かく知るためです。そのためにはタイヤのオペレーションに関するプロフェッショナルとして、お客さんが気づく前に、その先をいくサービスを提供し続けないといけない。そこでデジタルがすごく役に立っていると考えています。

井上:マイクロソフトはソフトウェア、ブリヂストンはハードウェアのものづくりがベースになりますが、そうした立ち位置の違いは何かあるでしょうか。

山崎:デジタルに関しては我々としても考え方が大きく変わってきています。ソフトウェアを(CD-ROM等に)刷って売っていた頃は、売ったあと、どんな風に使われているのかを我々も知りようがなかったんですね。“お客さまのデータセンター”のなかにサーバーと製品があって、そこで買っていただいたものが使われているかどうかも分からなかった。それがクラウドになるとどうなるか。もちろんプライバシー上見ることのできないデータは沢山あります。ただ、どのお客さんが我々の製品を「買ったぶんに値するだけ使っていただいているか」というデータが取れるようになりました。ですから、MAUが上がらないとアップセルにつながらないわけですが、そこを捕捉できるようになりました。逆に、そこを怠ってはいけない、と。我々も長くやっているなかでチャーンは出はじめています。ですから、ただデータを見るだけでなく、どのようにしてそこから次の購買行動につなげるかという考え方に、今は大きく変わってきています。

井上:ブリヂストンさんも、単品でプロダクトを売っていた時代にはなかなか見えなかったデータが今は徐々に見えてきていますよね。

三枝:売りきりで終わっていたときは、あとでお客さまにさまざまなことを言われていました。「タイヤがすぐにすり減る」ですとか「パンクする」ですとか。我々はそうしたご指摘をいただいて改善をするわけですが、その情報はやはり断片的だったわけですね。ただ、お客さんが困っているわけですから、たとえば丈夫な材料に変えたり材料を厚くしたり、いろいろな対応を行っていました。

しかし、お客さまのオペレーションに対して直接サービスを提供することで、そうした情報をデジタルで取ることができるようになったらどうなったか。実は重たい荷物を積んで高速道路を走るトラックと、比較的狭い圏内を止まったり動いたりしながら走るバスとでは、タイヤにかかる負荷がまったく違っていたんです。そこで、製品特性そのものから変えて、よりカスタマイズした製品やサービスを提供するようになりました。それによって我々のコストもお客さまへの提供コストも下がるし、信頼性も高まるということが、今さらながらに分かったというケースがたくさんありますね。

今は、バリューチェーンの川下にあるサービスだけを手掛けて新しい価値を生み出しているようなプレイヤーさんが数多くいらっしゃいます。たとえば、ネットでどこかから安く買ったタイヤがあったとして、それを交換して空気を入れてあげるサービスだけを、ネット注文で安く提供するようなプレイヤーさんも今はいるわけです。我々はそうしたところに対しては、サプライチェーンもR&Dもすべて持っている点を生かすことによって差別化できるのではないか、と。

井上:使用状況を継続的に追いかけることが次の価値にも転換されていく、と。また、そのためには事業モデルとして常に顧客を満足させ続けなければいけないし、そこからアップセルを実現することもサブスクビジネスの本質なのだと思います。そのあたりの取り組みについて、成功ポイントや事例もぜひ伺ってみたいと思います。

山崎:我々は外資系ですし、サブスクについて述べられた書籍に書いてあるようなことはだいたいやっています。それで「カスタマーサクセスユニット」という、そのままの名前の部門もあるわけですけれども、こちらは、社内でBuild Revenueと呼んでいるような、お客さんのキャッシュフロー的な売上指標はまったく持っていません。基本的にはAU、もしくはコンピューターをどれほどの時間使っていただいたか。それも売上と関係なくはないんですが、とにかく利用率をメトリクスにして活動しています。シンプルな話、使っていただかないとチャーンにつながるので、そこを専門的に追いかける部隊はいますし、そこはある程度うまくいっています。

ただ、アップセルはそれほど簡単でもありません。我々はいろいろな製品を持っていて、日本でサブスクとなる「Office 365」のビジネスをはじめてからはすでに5~6年経っていますが、やはり次の製品を売らないといけない。なので、外資ということもありますし、買収等を行うことで事業ポートフォリオを広げて次の世界に出ていこう、と。それで我々が今一番力を入れているのはセキュリティのサービスと、実は電話なんですね。「Office 365」でご契約いただくと外線電話を利用できるようになっています。そうすると、営業担当者も次のビジネスをどんどん学んでいかないといけない。

それともう1つ。カスタマーサクセスというのは、「チャーンを生まない」とか「活用度を高める」といったところまでは大変うまく機能します。お客さんにもすごく感謝していただけます。ただ、そこからアップセルをしていただくためにはカスタマーサクセス側にも少しハードルがあります。今までは、お客さんに「新しいものを使ってください」と言わなくてよかったんです。「持っているものを使ってください」で良かった。お客さんはすでに払っていますから。しかしサブスクになると、少し“売り子”にマインドシフトしないといけない。なので、我々としては、ある程度のビジネス領域がすでにアップセルのモードに入っているので、そうしたマインドセットを今後はどのように植え付けて、それをお客さまと共有できるかというのがすごく大事になると思っています。

顧客満足度を高める取り組みと、アップセルを提案する取り組みで、求める能力が変わる

井上:カスタマーサクセスというのは、アップセルがなければとても気持ちの良い仕事というか、顧客の満足感も高く、フィードバックもあるという。

山崎:お客さまには「感謝しかされない」というような状態ですね。払っていただいている費用の範囲で「もっと素晴らしいことができます」と働きかけていくので。ただ、本当は、そこでお客さまマイクロソフトへのロイヤリティを一層高めてもらったうえで、「マイクロソフトとなら、もっとこんなことができるのでは?」と、次のステージに進んでいただくことが一番のゴールです。そこでは課題もある状態ですね。

三枝:最初に契約をしていただいて、それをいかに使い倒していただくかという点では我々もマイクロソフトさんと同じです。カスタマーサクセスという名前ではありませんが、同様の役割を持つソリューション営業という部隊があるんですね。彼らはお客さんの気持ちになって、いかにしてお客さんに得をしてもらうかというマインドで、お客さんにもバックエンド部隊にもいろいろ提案します。

ただ、同じサービスを提供し続けていては売上も大きくなりませんし、お客さんもだんだん飽きてしまいます。ですから、提供価値をどんどん改善する必要があるし、それに伴ってプライスモデルも変えていきたい。でも、そこでソリューション営業部隊がお客さま側の視点だけになってしまうと、会社の利益が少し置いていかれたりするわけですね。いままで隙間がお客さんと会社とのあいだにあって、そこを埋める役割として1つ手前にソリューション営業部隊ができたのは良いことだと思うんですが、今はそうした部隊と我々実行部隊のあいだに少し溝があるという課題はあります。

また、これまではタイヤ1本いくらといったプロダクトセールしかやったことがないような人たちしかいませんでした。でも、ソリューション営業では、どのようにお客さんに価値を伝え、お金を払っていただくかというコンセプトを、まず社内の営業マンが理解しないとお客さんに勧めることはできません。ですから、今はそこの教育プログラム等、すごくアナログなところにリソースをかなり割いているのが実態です。今までは壁に棒グラフが貼り出されて、「今月は(タイヤを)あと何十本」とか「あと何百ドル」とか、そういう営業をしていたわけですね。そこからソリューション営業に変わっていくなか、求めるケイパビリティはかなり変わってきました。

井上:顧客満足度を高める取り組みと、アップセルを提案する取り組みで、求める能力が変わるというのはマイクロソフトさんでも大きなチャレンジになりますよね。

山崎:そうですね。もちろん、サブスクでもまったく使わないのに買うお客さんはいません。営業がどんなに頑張ったとしても、やはり月々で払うのならお客さん側にそれなりの意思が必要なので。ですから最初のフェーズは比較的活用モードで使っていただけますね。ただ、その次の段階として我々のサービスにロイヤリティを感じていただくためには、コミュニケーションの幅をもっと広げる必要があります。「我々であれば、こういうことができます」と、きちんとプロトコルを合わせたうえでお客さんと話をしていかなければいけません。そうした後半のフェーズはやはりハードルが少し高くなりますね。(後編に続く)

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