多くの人が首を長くして待っていたiPhone新シリーズ(XS、XS Max、XR)が、9月21日に発売開始となりました。アップルはiPod、iPhone、iPad、Apple Watchと常に新しい製品を開発し、その製品どれもが私たちに新しいライフスタイルを提案してくれました。わくわくする新シリーズの発表を待ち望む一方、iPhoneはいつまで注目を集めるのだろう、いつまで売れ続けるのだろうと疑問に思ったことはありませんか?
製品ライフサイクルというフレームワークを使うと、そのヒントが得られるかもしれません。
製品ライフサイクルとは
製品ライフサイクルとは、製品の導入から衰退までの売上推移や、市場や競合などの特徴を把握する為のフレームワークです。時間を横軸、売上高を縦軸とすると、一般的な製品は、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージを経ながらS字型のカーブを描くといわれています。そしてステージごとに、顧客の製品理解度、競合の数、生み出される利益などに特徴があります。
初代iPhoneが発売されたのは2007年、そして2015年には過去最高販売台数2億3,000万台を記録しました。成熟期の始まりは、市場の売上高がピークに達した時と言われています。よって、iPhoneの導入期は2007年から2011年、成長期は2012年から2015年、販売台数が過去最高に達した2015年が成熟期の始まりになります。
製品ライフサイクルでは、導入期から成熟期開始までの期間から、衰退期の開始を予測できると言われることもあります。導入期から成長期、成長期から成熟期に要した期間は4年です。よって、2015年から4年後の2019年には衰退期に入るのではないかという予測もあります。一方、製品の置かれたステージを把握し、顧客や競合の特徴や自社の課題などを知ることで、マーケティング施策に生かすこともできます。効果的なマーケティング施策により、ステージの延長が可能となるのです。
今回の新シリーズ発表会も、オープニング動画*1は、トム・クルーズ主演の大人気スパイ映画「ミッション:インポッシブル」のパロディだったり、アップル公式のまとめ動画*2ではMemoji(ミー文字)で締めたりとユーモアに富んだ内容でした。クックCEO自らネタを提供して好感度を高めていたようです。
iPhoneの成熟期をいかに長く謳歌できるか、製品ライフサイクルを踏まえたアップルの動向に、引き続き注目していきたいですね。
【参考リンク】
*1 September Keynote 2018 — Opening Film — Apple
*2 Apple’s big news in 108 seconds — Apple