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ROEとROAの違いを説明できますか?

投稿日:2018/09/21更新日:2019/04/09

今回は、ROEとROAの違いについて説明します。両者はザックリと資産の収益性、つまり会社に投資された資金を活用してどれだけの成果を上げたかを表す指標という点では同じです。しかし、計算式にも違いがあるように、両者にはもちろん違いもあります。主な相違点を以下に示します。

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資産(分母)の違い

ROAの分母には会社の総資産を使用しますが、ROEでは株主の持ち分である自己資本(詳細は「純資産、株主資本、自己資本とは?違いって何?」を参照)を使用します。この違いは、誰にとって重視される財務指標なのか、に起因します。ROEは、株主が自分の出資も含めた持ち分に対して会社がどれだけ儲けてくれたかという、言わば株主にとっての投資利回りを表します。したがって、ROEは株主が重視する財務指標です。

これに対して、ROAの分母である総資産には、株主だけでなく金融機関や取引先などから調達した負債も含まれます。つまり、自己資本と負債を含めた資産全体の運用結果としての収益性を表すのがROAです。そして、会社総資産を効率的に活用して成果に結びつけるのは経営者の責任ですから、ROAは経営者が重視する財務指標と言えるでしょう。

利益(分子)の利益の違い

ROAとROEでは資産(分母)だけでなく、利益(分子)も異なります。ROEは株主が会社に投じた資金に対する株主へのリターンを計る財務指標なので、分子の利益には株主に帰属する利益である当期純利益が使われます。

ROAの分子には、株主の取り分だけでなく債権者の取り分(支払利息)も含んだ利益と言う意味でEBIT(利息及び税金控除前利益)を使用しますが、日本では経常利益で代用するのが一般的です。

財務レバレッジの有無

ROAとROEをそれぞれ分解すると以下となります。

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ROAは売上高経常利益率(収益性)と総資産回転率(効率性)の2つの財務指標に分解できます。ROEは、売上高当期純利益率(収益性)と総資産回転率(効率性)に加えて財務レバレッジ(安全性)の3つに分解されます。使用する利益に違いはあるものの、収益性と効率性が表す意味は概ね同様です。財務レバレッジは財務安全性の財務指標である自己資本比率の逆数であり、財務レバレッジが大きくなるほど会社の財務安全性は低下します。

前述のようにROAとROEは誰にとって重視される財務指標かが異なります。財務レバレッジが高まるということは、株主にとっては自分以外に会社に資金を投じてくれる債権者などの投資家が増えることを意味します。その結果、会社のビジネスや利益が大きくなり自分の取り分が増えることは株主にとっては好ましいでしょう(※)。

一方で、経営者の視点からは、手持ちの戦力である総資産をフル活用して成果に結びつけるためには、新製品の開発、市場の開拓、経費削減等により収益性を高める、在庫を圧縮するなど資産の効率性を高めることが求められます。また、計算式からも明らかなように、ROAを高める経営をすれば結果としてROEも高まります。

最近では多くの上場会社で主要な経営指標に掲げるなど、ROEに対する注目度は年々高まってきているものの、ROAはROEに比べて意識が薄いように思われます。

※どれだけ儲かっても債権者は事前に約束した一定の分しか要求しませんから、その分株主の取り分が増加することになります。一方で、会社が赤字になるなど業績が悪化する場合は株主の被る損失は大きくなります。

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