商品の相場価格が下落しただけで会計処理は必要なの? 

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相場価格が下落した場合に会計処理は必要?

たな卸し資産商品を含む棚卸資産は、当初購入した金額(取得価額)で貸借対照表(B/S)に計上されます。しかし、決算期末時点で「時価」が取得価額よりも下落している場合は、B/Sに計上する金額(簿価)を時価まで切り下げる必要があります(簿価切り下げ)。簡単な例を挙げると、取得価額100の商品の時価が70まで下落した場合、B/Sの商品の金額は100から70へ修正が必要になります。

切り下げられた金額はどうなるの?

そして、差額の30は当期の費用として損益計算書(P/L)に計上します。なお、市況の悪化や品質劣化等を原因とする時価の下落による場合の簿価切り下げ額は「売上原価」へ計上されますが、災害など臨時的な原因による時価の下落であり、かつ金額が多額になる場合は「特別損失」で処理します。

時価は具体的にどういう金額?

決算期末時点の「時価」について少し詳しく説明します。この場合の時価とは、決算時点の見込販売価格から追加製造コスト見込額や販売手数料、物流関連費用などの販売直接経費見込分を控除した金額(正味売却価額)を言います。

正味売却価額=見積販売価額-(見積追加製造コスト+見積販売直接経費)

したがって、会社は決算期末ごとに正味売却価額を把握してたな卸資産の取得価額と比較する仕組みが必要になります。

対象となる棚卸資産は?

棚卸資産には、商品だけでなく原材料、仕掛品、製品等も含まれます。ざっくり言うと、会社が販売目的で保有する棚卸資産を含むほぼ全ての棚卸資産が簿価切り下げの対象となります。なお、原材料のようにそれ自体を販売目的で保有しない場合(最終的に製品として販売)は、継続適用を条件として正味売却価額の代わりに決算期末時点の市場からの見積購買価額(再調達原価)を使用することができます。

会計ルールでは、販売価格の下落等による簿価切り下げの要否は、原則として会社が保有する棚卸資産の個別品目ごとに行います。

簿価切り下げの方法

簿価の切り下げの原因ごとに前期の簿価切り下げ額の戻し入れを行う方法(洗替え法)と、行わない方法(切り放し法)があります。原則として棚卸資産の種類ごとにいずれかを選択できます。ただし、一度選択すると継続適用が必要です。

簿価切り下げは年度末決算のみ必要か?

なお、上場会社では四半期決算が必要になりますが、棚卸資産の簿価切り下げは四半期決算ごとに必要になります。

 

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