平昌オリンピックが盛況のうちに閉幕しましたが、スポーツに関しては年始の箱根駅伝における青山学院大学(以降、青学)の4連覇も記憶に新しいところです。
4連覇を率いた青学の原監督については、マネジメントに関する書籍が出版されるなど、指導の仕方が注目されています。報道などを見ていると、その特徴は「自主性を引き出す」ところにあるようです。
組織の風通しを良くして、指導も一方的に上から押しつけない。「目標管理シート」を取り入れ、お互いに進捗を話し合うミーティングも定期的に行う等々。原監督は、企業での実務経験などから「Y理論」の立場をとって指導をしているように見受けられます。
X理論・Y理論とは
(視聴時間:48秒)「X理論・Y理論」とは、マグレガーが提唱したモチベーションに関する理論です。上司から見て、部下の働き方を「生まれつき仕事が嫌いで、責任をとろうとしないものだ」とみなした場合の考え方をX理論、「生まれつき勤勉で、進んで仕事をするものだ」とみなした場合の考え方をY理論と呼びます。
X理論の考え方に立ったマネジメントを行う場合は、進捗を監督し未達成の場合は罰を与えるなど、命令や強制による管理を行います。一方、Y理論の考え方に立ったマネジメントを行う場合、個人のやりたい仕事と企業目標の整合をとったり意思決定に参加させるなど、部下の自主性を尊重する管理を行います。マグレガーは、著書『企業の人間的側面』において、「重要なのは経営者がX理論のような狭い仮説を捨てることである」と喝破しました。
青学陸上部の部員をはじめ、現代の若者は合理性を重視する傾向があるといいます。「なぜ、それをしなければならないのか」が納得できないと動かない若者にとって、X理論に基づいた「指示に黙って従え」という指導では、これだけの結果は出なかったでしょう。
さて、あなたの部下への見方は、X理論でしょうか?Y理論でしょうか?