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あなたは大丈夫!? 失敗するミドルリーダーに足りない4つの視点

投稿日:2018/03/14更新日:2019/05/16

読者の皆さんの周りには以下のようなミドルリーダーはいないでしょうか?

1)ヒラメタイプ
内心では自分の考えとどこか違う、と思っていながらも、上司の指示に従うことしかできないYESマン。考えながら仕事をやっているようで、結局上司の意見を気にすることに最大限の労力を注いでいる。

2)理想原理主義タイプ
自分の想い、あるべき姿を過度に強く持つが、周囲の声に耳を貸さず、衝突が絶えない。

3)評論家タイプ
客観的な環境分析はしっかりしているが、当事者意識に欠け、自分で何かアクションをしようという気概がない。

4)現状延長線タイプ
自分たちに確実に出来ることや、今まで自分達がやってきたことの改善だけにしか意識が向かず、本来何をやるべきか、ということに思いが向かない。

これら4つのタイプは、私たちがミドルリーダーにインタビューした結果として浮き彫りになった「失敗した事業」の典型的なリーダー像です。

これを見て「うちの上司は〜タイプだな」とか、「あいつは〜型だな」と他人に想いを馳せる人もいるかもしれませんが、自分がそうなっている場合もあります。特に、昨今の急激な環境変化に伴い、トップの急な指示とボトムの反発の間に立たされ、思うように身動きが取れなくなっているミドルリーダーは多いのではないでしょうか。

では、このような状態に陥らないためにはどうすればよいのでしょうか。そして、ミドルリーダーとして結果を出せる人とそうでない人を分けるものは何でしょうか?

研究のアプローチ

本稿は、「事業やプロジェクトの成否にはミドルリーダーの行動に一定の法則があるに違いない」という仮説のもと、グロービス経営大学院の「研究プロジェクト」という科目において、50名に調査を行った結果をまとめたものです。競争のルールは業界によって異なるため、業界特有の行動様式についてはできるだけ排除し、普遍性のある行動を炙り出すように分析を進めました。

まず周囲のミドルリーダーに、成功した事業において具体的にとった行動をヒアリングしました。一方で失敗した事業においても語ってもらうことで、その差分の仮説を立てました。それらの共通項をまとめて、アンケートという形で数多くのミドルリーダーに回答してもらったものが本稿のベースとなっています。

この共通項は、成功のための一様なHow toというよりは、自らの行動を振り返り自分の中に欠けていた観点・行動に気づくことができるような『チェックリスト』的な役割を果たせるものであり、同じ時代を生きる変革の同志として本稿が皆さんの一助になれば幸いです。

浮き彫りになった4つの視点

まず、アンケート結果の大きなポイントのうちの1つをお伝えします。それは、成功した事業のミドルリーダーは、「外部環境」「上位層の意向」「内部環境」「自身の思い」という4つのポイントに対してバランスを取りながらケアをしている、ということです。

一般的に、戦略を成功させるためには、市場や競合などの「外部環境」を正しく捉え、それに対してリソースなどの「内部環境」をうまくフィットさせていく、といういわゆる「3C」の視点を押さえておくことがセオリーとして認識されていますが、ミドルリーダーにとっては、このような「外部」と「内部」というだけでは不十分ということです。そのミッシングピースが「上位層の意向」と「自身の思い」という2項目です。

私たちはこれらが文字通り“4つの視点”であることと、各項目の頭文字を取って『4-VIEWs』というネーミングを付けました。

冒頭の陥りがちな状態をこのフレームワークに当てはめると以下のような状態です。どのタイプも、いずれかの観点に偏りすぎてしまい、バランスを欠いていることがわかります。

4viewsフレームワーク

実際にアンケートでは、成功した事業ではバランスよく4つの視点が押さえられており、失敗した仕事ではそのバランスが欠けている傾向が見られました。欠けやすい視点に一貫性はなく、アンケート対象者が置かれた立場や仕事内容により様々でした。

具体的な行動様式

漠然と4つの観点といってもなかなかイメージが掴みにくいと思いますので、さらにここで4つの観点を押さえるための行動様式を成功したプロジェクトから炙り出しました。それが次の表です。

チェックリスト

これらの行動様式を押さえるのも、なかなか一筋縄ではなさそうです。次回以降の連載ではこのチェックリストをいかに使えるツールにするか、解説と実例を加えながらさらに深堀していきます。

※本稿で言うミドルリーダーとは、「仕事を進めていく上で上長の決済が必要であり、組織内で意思決定の中間層に位置する「ミドル」の中で、複数の関係者を巻き込んで変革の実行を主導する人」という定義を行なっています。また、成功、失敗とは本人の相対比較に基づいています。

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