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なぜリーダーは歴史を学ぶべきなのか?求められる「現状認識」と「フラットなリーダーシップ」【島田太郎(東芝)・深井龍之介(COTEN)・山口明夫(日本IBM)】

投稿日:2023/08/30更新日:2023/12/13

あすか会議2023
第1部全体会「歴史から学ぶリーダーの在り方」島田太郎×深井龍之介×山口明夫×君島朋子
(2023年7月1日開催/国立京都国際会館)

歴史は最高の教訓を私たちに与えてくれる。特に組織におけるリーダーシップについて、過去の偉大なリーダーたちの行動や決断から多くを学ぶことができよう。現代におけるリーダーたちは、歴史から何を学び、自身の組織をどのように導き、どのような課題を解決してきたのか。各業界の最前線で活躍する彼らの経験と見識を通じて、過去から学び、未来を創るためのリーダーシップについて考える。(肩書きは2023年7月1日登壇当時のもの)

00:42 議論のセットアップ

02:02 深井氏が語る、リーダーがなぜ歴史を学ぶ必要があるのか

-成功するリーダーと失敗してるリーダー、それぞれ特徴がある。現状認識が一番難しい。単純なことを認識するのがすごく難しい。
-今の時代がどんな特徴があるのかを理解するには、過去を勉強するしかない。

05:23 山口氏はどのように大変な局面を乗り切っているのか?

-大変なことをすぐ忘れるので、改めて聞かれると良い思い出がたくさんあるが、分社化されるときに辛い思いをした。経営判断は正しいと思っていたが、社員一人ひとりのことを考えると辛かった。両方の会社を良い形にしようと決意して、今も取り組んでいる。プロジェクトでものすごいお客様に迷惑をかけたことがあった。総じて自分ではなく、やっぱり部下に助けてもらっている。だから彼らに返したいと思って仕事している。

13:06 島田氏はどのように大変な局面を乗り切っているのか?どのような歴史から何を学んだか。

-そもそも、なぜリーダーシップを学ぶ中で、歴史に学ぶ必要があるのかを理解する必要がある。経済学を勉強してもCFOまでにしかなれない。リーダーたるもの、いかにせこくならないかが大事。部下の人数が変わるとやることは全く変わる。自分のためにやっては絶対ならない。それを勉強するのは経済学ではなく、歴史。だから歴史の本を読まねばならない。
-吉川英治著『太閤記』を小学校2年生に読んでからハマって、吉川英治や司馬遼太郎はほとんど読んだ。違う人の歴史書も読んだほうが良い。人間の原点に近いもの。好きな人物は、ユリウス・カエサル(シーザー)やソクラテス。リーダーになりたければ、ソクラテスの弁明を読まないと最後間違える。ソクラテスは死を恐れない。リーダーとして大事なのは、死を恐れないこと。

21:13 どこに歴史的な普遍的なリーダーとして大事なあり方があったのか。

-(深井氏)今朝は寺院に行って話を聞いていて、2人の話を聞いて思ったのは、「大欲」と「小欲」。セコいというのは小欲、自我を越えたところに出てくる欲求が「大欲」。
-(山口氏)島田氏の話を聞いて、自分はセコいなと思った。社長に就任したばかりの時には死を恐れていた。まだリーダーとして成長の余地があるなと思った。
-(島田氏)そんなことを出来る人は本当はいない。堀氏がシーザーが好きだというのはそういうこと。堀氏は自分のやりたいことをやって、人に与え続けているが、大義はある。ただそんなのはサステナブルではない。
-(山口氏)なぜああいう判断をしたか?と聞かれた時に、自分で言えるようになっていこうと思っている。全くもって自分が完璧だと思わない。

26:46 優秀な人たちがたくさんいる中で、自分がリーダーでいいと思うのか。

-(山口氏)そんなの、社長やれって言われた時に一番最初に思いました。嫌だって思いました。ただ何をもって優秀かというのはある。経営者も新入社員もエンジニアも、みんなロール(役割)。それぞれのロールを遂行すること、お互いリスペクトして一緒にやればいいと思っている。その方が楽しい。
-(島田氏)悩んだことは一度もない。絶対に祀り上げられる。大事なのは、自分は実は能力がないもしくは無知であるということを常に意識せねばならない。

31:10 普遍的なリーダーとして大事な事は

-(深井氏)2人ともフラットであることを大事にしている印象。ただ100年以上前は身分制度があったので、誰がトップをやると決まっていたので、実はフラットなリーダーは結構最近の方。フラットなリーダーは、現代的なリーダーの特徴だと感じた。
-(島田氏)中国の皇帝の話であるのは、実際に現場で起こっていることは何かが皇帝の耳に入らなくなったら、その国は滅びると書かれている。本当に世の中を変えるリーダーは、現状認識をして大局観で間違わないことが大事。今のテクノベート時代で大変なのは、ものすごいスピードで動いていることを素早く認知せねばならないこと。なので、多くの大企業の社長がSNSをやらないことは危険だと思う。いかに実態の情報を自分の耳に入れることが大事。
-(深井氏)正しい現状認識は当たり前のこと、という感覚があると思うが、放っておいたら絶対にできない。かなりの努力か、自分の認知をゆがめる阻害要因を認識しなければいけない。
-(島田氏)だから忙しいのに京都まで来る(このカンファレンスに参加する)。

35:47 どのように現状認識しているのか。

-(山口氏)あなた方は、第一線のメンバーに、一番何に役に立っているかを役員に聞いている。メンバーにとって役に立つと思う人のところに情報が集まってくる。2年前から、ガンガン詰めて上がる数字は本当の数字じゃない、本当にお客様のためになるというビジネスをやるために何をすべきなのかを考えよう、とガラッとIBMも変わった。情報がすごく共有されるようになった。トップが何を感じているのかを何も隠さず、つまびらかに発信している。ヘルシーな環境を作っている。
-(島田氏)AIはMLOps、データを食わさないと制度が落ちてしまう。常にデータをアップデートしなければならない。なので、アップデートしなければならない。テクノベート企業として今後やっていく上について非常に重要な点としては、みんなわかっている当たり前のことなんかやったらダメ。予測して今後やっていくことが重要。

42:26 質疑応答①

-なぜリーダーシップを歴史から学ぶのか。それは歴史からしか学べないのか。実際にどのように学ぶのか。
-もし今の役割になられる前の数十年前の自分にこれをやっておけ、というアドバイスができるとしたらどんなアドバイスをするか。

53:44 最後のメッセージ

-(深井氏)現代のリーダーは、世界観を養うために哲学と歴史を勉強した方が本当にしたほうが良い。
-(山口氏)勇気を振り絞っているわけではない。やりたいと思っているし、やらないといけないと思っている。感謝を忘れないでおきたい。自分は、日本IBMは、何のために存在するのかを考えている。家の机の前に7つの丸を書いている。ステークホルダー全体として責任を果たせているかを悩みながら、ベストな解を出そうとしている。
-(島田氏)犬死だけはダメ。本当にやるべきだということを選ばなければならない。6月29日にBiSHが解散した、あれは必要なことだった。

  • 島田 太郎

    株式会社東芝 代表取締役 社長執行役員 CEO

    新明和工業株式会社、シーメンス株式会社などを経て、2018年10月にコーポレートデジタル事業責任者(CSO)として株式会社東芝に入社。2019年4月より執行役常務 最高デジタル責任者(CDO)、2020年執行役上席常務CDO、2022年3月より代表執行役役社長CEO、2023年12月より代表取締役 社長執行役員 CEO。2022年3月まで、東芝デジタルソリューションズ 取締役社長、東芝データ 代表取締役CEO、一般社団法人ifLinkオープンコミュニティ 代表理事。現在は、一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)代表理事を務める。 著書に『スケールフリーネットワーク ものづくり日本だからできるDX』(日経BP、2021 年)がある。

  • 深井 龍之介

    株式会社COTEN 代表取締役 CEO

    複数のベンチャー企業で取締役や社外取締役として経営に携わりながら、2016年2月に株式会社COTENを設立。 約3500年の世界史を体形的に整理し、人間の社会的傾向や行動パターンを理解しやすくする、世界史データベースの開発に取り組む。 COTENの広報活動として「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」を配信。
  • 山口 明夫

    日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長

    和歌山県出身。
    1987年日本IBMに入社。エンジニアとして金融機関のシステム開発・保守を担当後、アジア地域の2000年問題対策を指揮、その後経営企画、マーケティング、CFO補佐、ソフトウエア製品販売 テクニカルセールス担当、米国IBM役員補佐を歴任。
    2007年よりコンサルティング、システム開発・保守、ビジネス・プロセス・アウトソーシングなどのサービス事業担当。
    2019年5月代表取締役社長就任。
    また2017年より、米国IBM本社の経営執行委員として、グローバルな戦略立案と実行にも関わる。
    一般社団法人 企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)代表理事、経済同友会 副代表幹事・企業経営委員会委員長、東京理科大学大学院 経営学研究科技術経営専攻 上席特任教授も務める。

モデレーター

  • 君島 朋子

    グロービス経営大学院 研究科長

    国際基督教大学教養学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。法政大学大学院経営学研究科キャリアデザイン学専攻修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インクにて、経営戦略コンサルティングに従事。その後、グロービスにて、現・グロービス経営大学院の設立担当、コーポレート・エデュケーション部門ディレクター、ファカルティ本部長を経て、現在はグロービス経営大学院研究科長。教員としては、思考領域・人材マネジメントの科目を担当。キャリアデザイン学会会員。共著書に『武器としてのITスキル』、共訳書に『デジタル・シフト戦略』がある。

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