ICTで外国人労働者の課題を解決――フラミンゴとワンビザの場合 

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年初に厚生労働省が発表した統計によると、日本で働く外国人労働者の数が昨年初めて100万人を超え、4年連続で過去最高を記録した。そうしたなか、移民や外国人労働者に向けた新たなサービスも出てきている。

フラミンゴ(東京・渋谷)は「異国における暮らしを豊かに」をビジョンに2015年に設立された。金村容典社長(24)は大学在学中の米国でのインターンシップ(就業体験)生活を通じて事業のアイデアを得た。

外国語学習のマッチングサービス「フラミンゴ」

同社が提供する外国語学習のマッチング(仲介)サービス「フラミンゴ」はスマートフォンアプリで講師や時間・場所を予約し、安心安全に街中で語学レッスンを受けられるようにしている。サービス開始から11カ月で千人超の講師が登録。先月には日本最大級の学生団体と提携し、実践型語学力向上プログラムの提供を始めた。

「米国で出会ったインドから来た友人が、目標を持って生き生きと仕事をしていた。ふと、日本に暮らす外国人を見た時、必ずしも恵まれた環境でも多様な選択肢のある環境でもないことに気付いた。日本を外国人から愛される国にしたいと思ったのが第一歩」と起業の経緯を語る。

そこには「これからは個人が注目を浴びる時代。会社のブランドやマニュアルよりも、個人の才能やキャラクターを生かせるかが肝要だ」との視点がある。「継続性が肝となる語学学習で、講師が工夫を凝らしたレッスンを提供できることが支持を得ている。一人でも多くの外国人講師からの支持を得るために、外国人同士のコミュニティー形成を働きかけている」と語学学習にとどまらないビジネス感を持つ。

外国人従業員管理の煩雑さを解決するオンラインサービス「ワンビザ」

レジデンス(東京・渋谷)は岡村アルベルト社長(25)が「世界から国境をなくす」をビジョンに2015年に設立した。ビザ取得・更新書類の作成など、企業向けに外国人従業員管理の煩雑さを解決する「one visa(ワンビザ)」というオンラインサービスを提供している。

ペルーで生まれ8歳から日本で暮らす岡村氏は入国管理局で勤務した経験があり、日本語が流ちょうでない外国人が難解な公的書類のやり取りに苦労していることから事業の着想を得た。サービス開始2カ月で70社以上の企業に導入され、業種も金融・IT(情報技術)・小売り・飲食など多岐にわたるという。

同氏は「世界の移民数は年々増加傾向にある。米国では有力スタートアップの半数が移民による創業というデータもある。日本で外国人労働者を雇用している事業所は17万カ所以上あり、初めて雇用する企業も増えている」と語る。

他方で「移民に必要なビザの取得でITを活用している国は少ない。各国の士業や代行を許可された事業者がアナログな方法で各業務を行っているため煩雑でコストもかかる」と指摘。「これらの事業者と共存共栄しながら、一人でも多くの移民が活躍しやすい環境を提供したい。将来は在留資格情報を与信情報として役立てたい」と語る。

少子高齢化が進む日本で、移民や外国人労働者が経済成長においてより重要な役割を占めるであろうことは自明の理だ。マイノリティーであるが故に意識が及びにくい外国人にとっての日本生活の不便さをICT(情報通信技術)を活用して解決することは、観光目的の訪日外国人向けサービスとは別に、日本が中長期で居住する外国人から支持を受けるために重要な要素だと言える。

 

(2017年9月14日付日経産業新聞の記事「VB経営AtoZ」を再掲載したものです)

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