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スリーミニッツとエブリーに見る動画コンテンツの影響力

投稿日:2017/04/03更新日:2019/04/09

スマートデバイスにおける動画コンテンツの増加

回線インフラの進化やユーザー体験のリッチ化で、スマートデバイスにおける動画コンテンツは年々増加している。とりわけ最近注目されているのは、視聴コンテンツとしての動画を超えて、電子商取引(EC)との連携を図るサービスが登場していることだ。その勢いは、インフルエンサーと呼ばれる発信力の強いユーザー自身が広告やプロモーションの媒介者となって、「ユーチューバー」などと呼ばれる新しい「職業」を産み出しているほどである。

スリーミニッツとエブリーの例から動画コンテンツを考える

スリーミニッツ(東京・渋谷)の宮地洋州代表取締役(33)は、広告代理店の営業を経て、2011年より前身となる会社で主にファッション領域のプロダクトのプロデュースおよびプロモーションに従事した後、14年に同社を創業した。1000人以上のインフルエンサーをマネジメントするとともに、自社サービスとして15年12月にMINE(動画ファッションマガジン)をリリースし150万人を超えるユーザーを集めている。16年5月からはGINI(動画ファッションECサービス)が順調な立ち上がりを見せ、静止画よりも購入単価が高いようだ。

「動画というコンテンツで、洋服の素材感や質感なと静止画では実現できないファッションの魅せ方を追求してユーザーの利便性を高めたい。メディアの歴史を見ても、新聞(活字)→雑誌(写真)→TV(動画)という変遷は不可逆であったし、インターネット上でも、テキスト(ツイッター)→インスタグラム・ピンタレスト(写真)という歴史をたどってきていて、動画コンテンツが鍵になるのは今がベストタイミングであると認識している。GINIでは、個が発信するブランドも世界で活躍できるプラットフォームとなることを目指していく」と宮地氏は語る。

エブリー(東京・渋谷)は、大手インターネット企業の取締役を経験した吉田大成代表取締役(35)によって15年9月に設立。フェイスブックなどのソーシャルネットワーク上にDELISH KITCHEN(料理動画メディア)やMAMA DAYS(ママ向け動画メディア)を中心としたライフスタイル系の分散型メディアを展開し、既に月間延べ2500万人以上のユーザーにリーチしている。

吉田氏は言う。「TVや雑誌と並ぶスマートフォン(スマホ)に最適なメディアとしての地位を確立したい。ユーザーのスマホ視聴体験・時間に即した1分前後の動画フォーマットは新しい市場だ。1分間の動画が伝える情報量は180万語・3600のウェブページに匹敵するとも言われ、影響力が高い。更に顧客データのデジタル化の流れは、既存の流通業者がオムニチャネル化に取り組んでいるように、垂直統合によるより質の高いサービス提供を容易にするため、単なる動画メディアから購買行動までつなげていきたい」

両氏が語っていたように、インフラやデバイスの進化とユーザーのリッチコンテンツに対するニーズの増加は、動画コンテンツ普及の不可逆性を物語っているし、その時にはTVをしのぐ影響力を持ち得る可能性がある。他方、サービス提供者は、スマホのユーザー体験に即したコンテンツの制作・提供・拡散の手法を確立するとともに、ユーザーデータの分析といった科学的手法なども用いつつ、いかにコンテンツ視聴から購買への転換をスムーズに促すことができるかが成否を分けるであろう。
 

(2016年7月7日付日経産業新聞の記事「VB経営AtoZ」を再掲載したものです)

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