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有価証券も減損の対象になるの?

投稿日:2017/02/28更新日:2019/04/09

<p><img alt="" src="https://chikenrokuglobis.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/images/6756/content_pixta_1018473_S__1_.jpg?q=75&fm=webp" class="img_pl" style="float: right; width: 400px; height: 266px;" />

有価証券とは?投資有価証券との違いを整理【会計上のルール/4つの区分とは】」で説明しましたが、会計ルールでは株式を含む有価証券を以下の4つに区分します。</p>

<p>・売買目的有価証券<br />

・満期保有目的の債券<br />

・子会社・関連会社株式<br />

・その他有価証券</p>

<h3>時価変動の取り扱い</h3>

<p>上記の区分ごとに、取得後の時価変動の取り扱い方が変わります。まず、「売買目的有価証券」は決算ごとに時価評価され、評価差額は損益計算書(P/L)に計上します。「満期保有目的の債券」と「子会社・関連会社株式」は、時価が変動しても取得価額のまま据え置かれます。「その他有価証券」は決算ごとに時価評価されますが、評価差額はP/Lへは計上せずに貸借対照表(B/S)の純資産の部(その他有価証券評価差額金)へ計上されます。</p>

<p><img alt="" src="https://chikenrokuglobis.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/images/6758/content__________1_2.jpg?q=75&fm=webp" style="width: 650px; height: 178px;" /><br />

(*)以下の減損の場合は除きます。</p>

<p>しかし、<strong>時価が著しく下落</strong>した場合には、「売買目的有価証券」以外の有価証券も価値の下落分をP/Lへ計上する必要があります。つまり、固定資産と同様に減損処理が求められます。</p>

<h3>著しい時価の下落とは?</h3>

<p>時価の下落が著しいかどうかの判定は、有価証券に時価があるかどうかによって異なります。ここでは、一般の事業会社において保有されることが多い「子会社・関連会社株式」と「その他有価証券」を例に挙げて説明します。</p>

<p><strong>■時価のある有価証券の場合</strong><br />

時価のある有価証券とは上場株式などが該当します。取引先の株式などを保有する場合はその他有価証券に区分されます。取得価額に対する時価の下落率を(1)30%未満、(2)30%以上50%未満、(3)50%以上に区分し、(3)のケースでは近い将来(概ね1年以内)に株価が取得価額まで回復すると見込まれない場合は減損処理が必要となります。また、(1)のケースは減損不要、(2)のケースは会社が自社ルールで減損処理すると規定している場合のみ(3)と同様の取り扱いになります。</p>

<p><strong>■時価のない有価証券の場合</strong><br />

非上場株式のように時価のない有価証券であっても、会社の業績や財政状態の悪化により有価証券の実質的な価値が下落したと考えられる場合は、減損損失を計上する必要があります。子会社・関連会社株式がこのようなケースに該当する場合が多いと思われます。</p>

<p>有価証券の実質的な価値は、基本的に1株当たりの純資産額に持ち株数を乗じて算定します。取得価額に対して実質的な価値の下落率が(1)50%未満、(2)50%以上の2ケースに区分され、(2)のケースで実質的な価値に回復可能性が見込まれなければ減損処理が必要になります。(1)のケースは減損不要です。具体例を100%子会社の場合で図示します。</p>

<p><img alt="" src="https://chikenrokuglobis.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/images/6754/content__________2.jpg?q=75&fm=webp" style="width: 650px; height: 340px;" /><br />

親会社が100の出資で設立した子会社が損失計上により純資産が当初の100から30に下落するようなケースが(2)に該当します。</p>

<h3>回復可能性の判断</h3>

<p>取引先などの上場会社の株式の時価の下落と比較して、子会社・関連会社のように経営に関して支配が及ぶ場合は、事業計画の入手や経営指導等によって親会社が実質的な価値の回復可能性をより直接的に判断することができます。しかし、事業計画に基づく業績回復が予定通り進まないと判明する場合は、当該決算期末における減損処理を検討する必要があります。したがって、固定資産同様、予算達成・未達成が明らかになる第3四半期から年度末にかけて子会社・関連会社株式の減損が増加する傾向があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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