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ポイント引当金って何?

投稿日:2017/01/17更新日:2019/04/09

家電量販店、通信会社、コンビニ、航空会社など、様々な業種で顧客向けのポイント制度が普及し、消費者も購入先をポイント制度の充実度で決めるなど、ポイントは我々の生活に不可欠な存在となっています。

ところで、顧客に提供するポイントは、会社の会計ではどのように処理されているのでしょうか。ポイント制度といっても、ポイントの有効期限の有無、即座に使用可能、一定のポイント数に累積後使用可能など様々ですが、ここでは比較的簡単な例をもとに一般的な会計処理を説明します。

【前提】
ある会社が、顧客の売上1,000円当たり1ポイントを付与します。顧客は、1ポイント当たり10円で会社の商品とポイントを交換できるとします。決算期末に付与されたポイント未使用残高は10,000ポイントで、将来におけるポイントの使用見込率は過去の実績等から50%と見込まれるとします。なお、ポイントの使用期限はありません。

【ポイント付与時=当初商品販売時】
会計処理は不要

【決算期末(1年目)】
借)ポイント引当金繰入額(販管費) 50,000円 貸)ポイント引当金(負債) 50,000円
50,000円=ポイント残高10,000×@10円×50%

次年度になり、10,000ポイントの内、2,000ポイント分が使用されたとします。

【ポイント使用時】
借)販売促進費(販管費) 20,000円 貸)売上 20,000円
20,000円=2,000ポイント×@10円

【決算期末(2年目)】
借)ポイント引当金 20,000円 貸)販売促進費(販管費) 20,000円

2年目において発生した販売促進費20,000円が、決算期末にポイント引当金と相殺されています。この結果、ポイント使用時の販売促進費が取り消されるとともに決算期末(2年目)ではポイント引当金の残高は80,000(=100,000円‐20,000円)となります。

ここで、1年目から2年目にかけての一連の会計処理を改めて説明します。1年目の決算での会計処理は、会社が顧客に付与したポイントの内、将来顧客によって使用される見込分をポイントが実際に使用される前に予め費用として会計処理するものです。この場合、ポイントの経済的意義は会社が売上を得るための販売促進(費)という考え方です(※)。

このように、1年目で将来のポイント使用に伴って発生が見込まれる費用(販売促進費)を全額認識しているため、2年目に実際にポイントが使用された(ポイントと交換に会社が顧客に商品を提供された)時点では改めて費用(販売促進費)を認識する必要はないことになります。

(※)日本の会社で一般的に採用される会計処理ですが、国や会計ルールの違いによっては、取り扱いが異なる場合があります。
 

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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