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固定資産の取得価額は購入代金とは違うの?

投稿日:2016/11/01更新日:2019/04/09

<p><img alt="" src="https://chikenrokuglobis.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/images/6059/content_51617744_l.jpg?q=75&fm=webp" class="img_pl" style="float: right; width: 400px; height: 266px;" />

減価償却って何?減った資産の価値はどこに行くの?」で説明しましたが、減価償却は固定資産の取得価額を耐用年数にわたって段階的に費用(減価償却費)とする手続きです。したがって、減価償却費を正しく計算するためには、固定資産の取得価額を正しく認識することは重要なポイントです。実は、固定資産の取得価額には固定資産の購入代金以外にも様々な費用が含まれます。取得の方法によっても異なりますが、ざっと以下のようになります(固定資産の中でも有形固定資産を念頭に置いています)。</p>

<p><strong>【購入の場合】</strong><br />

取得価額=購入代金+付随費用</p>

<p><strong>【自家建設の場合】</strong><br />

取得価額=製造原価<br />

建設に要する借入金の利子で固定資産の稼働前の期間分を含めることができます。</p>

<p><strong>【交換の場合】</strong><br />

取得価額=交換に供された自己資産の適正な簿価</p>

<p><strong>【贈与の場合】</strong><br />

取得価額=受入資産の時価等を基に公正に評価された額<br />

(もらったからと言ってタダというわけではないのですね)</p>

<p>以下、一般に最も多い購入の場合について説明します。まず、購入代金は固定資産の本体の代金です。製造設備であれば、設備の価格です。次に、付随費用ですが、引取運賃、荷役費用、購入手数料、(輸入の場合)関税などがこれに該当します。固定資産を取得するために、まさに付随して発生する費用です。その他付随費用には、固定資産を自社の事業で使用するために直接要した費用も含まれます。例えば、製造設備であれば据付費用や試運転費用などが該当します。また、販売用車両を例にとると、そのままでも運搬具としては機能しますが、会社がより販売効果を上げるためや運搬効率を上げるために車両に一定の改良を加えたりする場合に係る費用が考えられます。要するに、会社の意図したように使用する状態にするまでにかかった費用が該当しますので、同じ固定資産であっても会社の使用目的によって取得価額は異なることがあります。</p>

<p>固定資産の取得原価には本体の購入代金以外にも様々な費用が含まれますので、購入の都度、取得価額に含めるべきかを慎重に検討する必要があります。</p>

<p>なお、法人税法の規定では、固定資産の取得にかかる税金の一部などの費用については取得原価に含めずに発生時に一時費用として処理することが認められています。</p>

<p>また、概略の説明のために割愛しましたが、付随費用には上記以外に「資産除去債務」があります。資産除去債務は簡単に言うと、固定資産を使用後廃棄、撤去する際に必要となる費用であり、現在の会計ルールでは取得時に見積もって固定資産の取得価額に含める必要があります。<br />

&nbsp;</p>

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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