流通業、コンビニ業界などの損益計算書(P/L)には、「売上高」とは別に「営業収益」が計上される場合があります。
「営業収益」「売上高」「営業外収益」それぞれの定義とは
営業収益と売上高の違いは、商慣習的な取り扱いの部分もあり明確な区分は難しいですが、簡単に言うと、会社が継続して営む本業からの収益である「営業収益」の内、製品や商品など有形物を販売する場合には「売上高」として表示します。一方、無形のサービスや手数料などを提供した場合の対価は通常、「営業収益」として表示されます。図で表すと、以下のようになるでしょう。
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なぜ「売上高」ではない区分とするのか?
無形のサービス、手数料を売上高と表現し難いという感覚的な理由や、有形の製品、商品などでは売上高に対応して売上原価がP/Lに記載されますが、手数料などの場合に売上原価として記載する項目が明確でないという理由もあると言われます。
流通業やコンビニ業界を例にとれば、自社や直営店舗における商品の販売による収益が「売上高」であり、テナントからの賃貸料やフランジチャイジーからのロイヤリティが「営業収益」に当たります。
また、銀行などの金融業のP/Lでも売上高ではなく、「営業収益(あるいは計上収益)」と表示されています。以前、商法(現在の会社法)の規定によりP/L上の収益を「経常収益」と「特別損益」に区分し、「経常収益」を「営業収益」と「営業外収益」に区分した名残という面もあると思います。また、会計ルールでは、商品と製品の両方を販売している場合は、売上高を「商品売上高」と「製品売上高」に区分して売上高を表示することを求めています。それ以外にも、売上高総額の10%を超える場合はその売上高の性格を表す名称を別途決めて個別に表示する必要があります。
「営業外収益」の定義とは
「営業外収益」は、会社の本業以外の取引から得られる収益です。本業かどうか区分する基準の1つは「定款」に会社の「事業の目的」として記載されているかどうかです。「定款」は会社の組織、事業目的などの根本原則を定めた会社の憲法に当たります。
しかし、「定款」に記載されていれば無条件に本業と言うとそうではありません。組織の編成や人員の配置などの実態面から見て、会社の事業として継続反復的に行われているかどうかも判断要素となります。一般の事業会社の場合、銀行預金の受取利息や株式投資の配当金が営業外収益の典型例ですが、事業として行わない所有不動産の受取賃貸料やグループ会社からの経営指導料なども営業外収益として計上されています。
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