あすか会議2016
第6部分科会「宇宙に挑戦する起業家たち」
テスラモーターズCEOのイーロン・マスクが創業したスペースXは人類火星移住計画をゴールに掲げ、Amazon.com創業者ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジンは、2018年にも商業宇宙飛行を開始すると発表した。かつて国家や大企業主導で進められてきた宇宙開発に、いまや起業家たちが次々と参入し、宇宙旅行や資源開発の商業化が現実のものになろうとしている。日本初の月面無人探査を目指すHAKUTO、超小型衛星事業を行うアクセルスペース――宇宙という最後のフロンティアを目指す起業家たちに、ビジョンとビジネスの可能性を聞く。(肩書きは2016年7月3日登壇当時のもの)。
<動画冒頭をテキストでご紹介>
石田氏: 最近、日本でもニュースが増えてきていると思うのですが、アメリカを中心に、政府だけではなく、民間企業やベンチャー企業が中心となる宇宙ビジネスが増えています。
イーロン・マスクという名前は何人くらいの方がご存じですか。(会場挙手)ほとんどの方が知っているということですね。そういう新しいプレイヤーがこのビジネスをひっぱってきています。
あと、日本で有名なのはジェフ・ベゾスですが、彼が宇宙にかかわるビジネスをやっているというのは、どれくらいの方がご存じですか。(会場挙手)こちらは半分くらいですか。そのあたりの話も出てくると思います。
僕も2~3か月前、コロラドで行われたスペースシンポジウムという世界最大の宇宙カンファレンスに行ってきました。ジェフ・ベゾスが来てスピーチをしていて、この会場のここと一番後ろくらいの距離で初めて生で見たのですが、面白い宇宙の話を聞くことができました。
グローバルで盛り上がっている「宇宙」ですが、実は日本でもかなり盛り上がりが起きていて、本日の登壇者はおそらく今の日本の宇宙ビジネスを代表する方々のうちの三人です。
皆さん、イーロン・マスクを知っているということは、ベースはあると思うのですが、そうは言っても宇宙ビジネスとは何ぞやと言ったら、なかなか答えるのは難しいでしょう。
このパネルの最初の方では、それぞれの方々が、今、起業家としてどんな挑戦をしていて、宇宙の領域で何をやりたいと思っているかを教えていただきます。
袴田氏: 私はispaceという会社を2010年から始めて、本格的には2~3年前から宇宙ベンチャーとしてやっています。何をやっているかというと、「HAKUTO」という月面探査のプロジェクトを手掛けていまして、Google Lunar XPRIZEという国際レースに出場する形で、民間初の月面探査にチャレンジしています。Google Lunar XPRIZEは、民間で2017年末までに月面にロボットを送り込み、500m以上移動させて動画を撮ってくるというレースです。(この続きは動画でご覧ください)