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決算報告書や有価証券報告書の「セグメント情報」って何?

投稿日:2016/02/16更新日:2019/04/09

大手家電メーカーの第3四半期決算発表で、事業ごとの売上高や営業利益が公表されました。全体の営業利益の1/3超が金融事業によるとのことで、家電メーカーのイメージとのギャップを感じた人もいるのではないでしょうか。

このように、決算発表では会社全体の業績だけでなく、事業ごとの業績が公表される例は少なくありません。ある程度の事業規模になれば、本業だけでなく経営を多角化して複数の事業を営んでいる会社も多いでしょう。経営者は、それぞれの事業を総力して全体の業績目標を達成すべく努力するのですが、結果として好調な事業とそうでない事業があるはずです。外部の投資家や株主などのステークホルダーにとっては、そういった情報を詳しく知りたいというニーズがあります。

このようなニーズに応えるのが「セグメント情報」です。会社の決算発表でも一部報じられますが、有価証券報告書に開示される情報の方が充実しています。

セグメントは一般的には「部分」や「階層」といった意味ですが、企業業績開示においては会社によって事業別、あるいは地域別などを基準に区分されます。中心となるのは決算書の注記である「セグメント情報」のセクションであり、最近2期間のセグメント別の売上高、利益(営業利益であることが多い)、資産、投資額などの情報が記載されます。これにより、各セグメントの事業規模(全体に占める割合)、利益率やROIC(投下資本利益率)などが把握できます。また、これ以外にも有価証券報告書には従業員数、業績の概要説明、生産や販売実績、研究開発投資額、保有設備や設備投資計画情報などの情報がセグメント別に開示されます。業績といった過去情報だけでなく、会社が今後どのセグメントにより重点を置こうとしているのかを読み取ることができます。

日本版スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードが導入され、会社と投資家との間でより一層のコミュニケ―ションが図られる中で、セグメント情報は会社の今後の方向性や業績を理解するためにますます重要になるでしょう。セグメント情報を読みこなすには慣れが必要ですが、少し気にかけると今まで気が付かなかった会社の情報が得られるかもしれません。

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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