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日本企業は「ケイツネ」がお好き?

投稿日:2015/11/03更新日:2019/04/09

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「経常利益」という言葉、ビジネスパーソンであれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本の経済社会では、会社の収益性を計る重要な指標として「ケイツネ」の愛称で親しまれてきました。

ところで、損益計算書には経常利益以外の利益も表示されています。売上総利益、営業利益、当期純利益などです。

売上総利益: 売上高から製品、商品の製造原価、仕入代金を控除した利益。『粗利』
営業利益: 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益。『本業の利益』
経常利益: 営業利益から受取/支払利息などの財務関連の収益費用を加減した利益。『ケイツネ』
当期純利益: 経常利益から臨時的な利益と損失、税金費用を加減した利益。

それぞれの利益が表す意味は異なります。ざっくり言うと、「売上総利益」は製品や商品の付加価値の高さを、「営業利益」は売上総利益から販売活動や事業の維持運営に必要な費用を控除した本業から産み出される利益を表します。「当期純利益」は特別利益や特別損失と言った毎期発生しない臨時的で金額的にも巨額な項目を含んでいるため、年度によって大きく変動する場合があります。

会社に対する立場や関心によって、注目する利益は変わるかもしれません。例えば、株主であれば配当金のベースとなる当期純利益に、より注目するのではないでしょうか?

経常利益は、本業だけでなく毎年継続して発生する支払利息等の財務活動の収益と費用を加味しつつ、特別損益のような臨時的な項目を除外した利益です。ある年度の経常利益を見ることで、毎年だいたいこのくらいの利益を出す会社であることが把握できます。つまり、経常利益は会社の収益性を代表する利益と言うことができます。この点が、日本の経済社会で経常利益が重視されてきた理由でもあるでしょう。

皆さんはどの利益に注目しますか?利益の表す意味をざっくり理解すると、損益計算書の読み方も変わってくるのではないでしょうか?

なお、経常利益は欧米諸国の損益計算書には表示されていません。会計ルールはその国の商慣習や価値観が反映されるので、国によって相違があります。

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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