※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
「差分」を見極めて、能力を最大化する
太田氏が語る能力開発の出発点は、自分に足りないものを正確に見極めることだった。
「フェンシングは身長がものを言うところもあって。僕は小さい頃から背が低かったので、何で差分を埋めるか、すごくロジカルにモノを考える癖が幼少期からついていた」
具体的にはスピードやテクニック、持久力という要素に注目し、自身の状態を分析。どこが強みでどこが弱みかを分析し続けたことが、結果として自分自身のキャリアに大きな影響を与えていったという。
「教える」「科学的に考える」で学びを最大化
太田氏は、幼少期から一貫して自己トレーニングを行ってきた。特に注目すべきは「教えることで学びを深める」というスタイルを早期から実践していた点だ。
「高校・大学ではコーチがいたものの、見てもらえて週2~3回。すると同級生、しかも高校から始めた子たちと練習することになる。自分でアウトプットする練習をしながら、教えながら、という実践で、学びが深くなっていきました」
また、YouTubeなどの動画教材がない時代、海外に足を運び、VHSで録画した映像を何度も見返すなど、主体的で積極的な情報収集で分析を進めた。加えて「審判との関係構築」など試合外の要素にも目を向け、総合的な能力開発を行っていた点も印象的だ。
本番で力を出すための「思い込みの力」
「僕は本番に強いと思って生きている」
初めての大会で優勝した経験が、「自分は本番に強い」と自己認識するきっかけになり、それが以後のキャリアを支える大きな精神的支柱となった。
「どんなに練習がうまくいかなかったり直前の試合がだめでも、、本番では必ずがリカバリできると思えている。結果が出たオリンピックも結果が出なかったオリンピックもありますが、そういった精神性がすごく重要だったと思います」
さらにオリンピック前など大事な試合前には「足し算」から「引き算」に切り替える——つまり、情報や人間関係、ソーシャルメディアから距離を取り、集中力を高める環境を整えるという戦略も実践していた。
リーダーシップとは「調整力」でもある
太田氏は、日本フェンシング協会会長や国際連盟の副会長としても活動している。その中で培ってきたリーダーシップの根幹は「調整力」にあるという。
「今、このチームにおいてどういう役回りを僕がすると一番円滑に進むかなと考えて行動するようにすることで、信頼を得られた」
また、フェンシングは団体戦もある。その中で太田氏はキャプテンを務め、仲間に声をかけながら背中でも示すリーダーシップを体現してきた。
「言葉少ないリーダーではなく、言葉でやる気にさせるタイプだった」
このように、積極的なコミュニケーションが彼のスタイルだ。多様な関係者との調整が求められる国際競技団体の場でも、大いに活かされているに違いない。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、太田雄貴氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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