※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
本からではなく、人生から学んだ
「僕が今まで学んできた人生そのものを、このJリーグにつぎ込んだ。何らかの本を読んでこうしようと決めたわけじゃありません」
川淵氏は、よく学生たちから「どんな本を読んで能力を鍛えたのか」と尋ねられるという。しかしその答えは明快だ。学びの原点は本ではなく、自らの経験と人生の歩みそのものにある、というのが川淵氏のスタンスだ。
小学校時代に演劇、中学では野球、高校からサッカーと、多様な活動を通して自らの「表現力」や「自己認識力」、そして「他者との関係構築力」を身につけてきたという。特に演劇活動は、観客にどう見られているかを意識しながら自己を表現する場であり、後のリーダーシップにも活かされたと語る。
チームスポーツが教えてくれた「支え合い」の力
「チームでは、自分が調子が悪いときに味方に助けてもらう。自分が調子が良ければチームを引っ張っていける」
高校から始めたサッカーを通して、川淵氏はチームとしての相互作用の重要性を実感する。個人競技とは異なり、サッカーのような団体競技では、チーム全体のバランスと支え合いが欠かせない。
また、個の能力を高めることが前提でありつつも、それだけでは勝利には繋がらない。むしろ、役割の異なる選手を適材適所に配置し、時には能力が高い選手であってもチームのために起用を見送る判断が必要だという。これはまさに、企業組織のマネジメントにも通じる視点だ。
能力開発に必要な「徹底したコミュニケーション」
「選手の能力を理解していると、次の自分のプレーを予測しながら動ける。それがコミュニケーションの大切さです」
能力開発のカギとして、川淵氏が何度も強調したのが「コミュニケーション」。個人のスキルを向上させるためには繰り返しの反復練習が重要だが、チーム全体のパフォーマンスを上げるには日常的な意思疎通が不可欠だという。
例えば、ある選手の苦手なプレー傾向を把握していれば、そのプレーに備えて自分の動きを調整できる。これは「技術」ではなく「理解と信頼」の上に成り立つ、組織のコミュニケーション戦略にも応用できる発想だ。
社会人経験が育てた「定量的な思考」
「なるべく漠然とした抽象的な表現というのはあんまりしない。それは企業で学んだことがそのまま生かされていると思います」
川淵氏は現役引退後、大手企業に入社しサラリーマンとしても活躍した。そこで得たのは、当時流行していたTQC(Total Quality Control)を通じた「具体的に語る力」「データで示す力」だった。
この経験が、JリーグやBリーグの運営、さらにはサッカー協会での制度設計などに活かされている。抽象論ではなく、実行可能な戦略を具体的に語ることの重要性は、まさにビジネスの現場に通じる学びと言えるだろう。
※GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、川淵三郎氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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