※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
面白さを原動力に、飛び込んだ「未知」の世界
建築家・妹島和世さんのキャリアは、好奇心と偶然の出会いから始まった。日本女子大学住居学科への入学がきっかけとなり、恩師・高橋公子氏の「とにかく面白いと思うことを何でもやりなさい」という言葉に背中を押された。
「能力を鍛えなきゃいけないというより、ただ“建築の設計というのは面白い”というのがどんどん膨らんでいった」
ただ、建築のプロセスについて何も知らなかった当時の妹島氏は、「分かってないということすら分からなくて、とにかく飛び込んだ」という。
面白いと感じたことに素直に向き合い、建築に興味を持つきっかけになった多木浩二氏の東京造形大学の講義に自ら通うなど、探求の姿勢を徹底した。これが後に、伊東豊雄氏との出会いに繋がる。
弟子入りからの6年間、現場で徹底的に学んだ「作る力」
大学院時代から伊東豊雄建築設計事務所に通い始めた妹島氏は、卒業後も含めて6年間在籍し、建築のすべてを現場で学んだ。
「何でもかんでも吸収していきながら」と語るように、図面を三次元にどう起こすか、クライアントとの関係性、プロジェクトの進行管理といった実務面を、まるで「弟子入り」のようなかたちで身につけていった。30歳で独立を決意したが、師匠・伊東氏からは「え、やっと使えるようになってきたのに」と言われ、「中退」と揶揄されるほどだったという。
独創性の根源は、幼少期の「原っぱの記憶」
妹島氏の建築には、常識にとらわれない独創性がある。その源泉を尋ねると、意外にも子ども時代の原体験を挙げた。
「団地の中で、空き地や原っぱでみんなが集まって遊んでいた。その体験がどこかにストックされている」
茨城県・日立の団地で育った妹島氏。高度成長期の社宅という、全国各地からの働き手が集まる多様な価値観や方言が入り混じる環境の中で育ち、日常の空間に対する感覚が自然と磨かれていった。こうした体験が、「公園のように人が集まる場所を作りたい」という現在の建築理念にも繋がっているという。
「好きなこと」だけでは通用しない、現実との接点
自由な校風で育ち、興味のあることに没頭してきた妹島氏だが、社会に出てからはその姿勢が通用しない場面も多かったという。
「好きなことをやるっていうことと、それをちゃんと責任を持てるのかっていうバランス」
を、伊東事務所時代に痛感させられた。議論に参加すれば「口ばっかりだ」と言われ、黙れば「なぜ喋らない」と叱られる。「喋ることと、喋ったことをちゃんと示せることのバランス」こそが、プロフェッショナルとして求められる姿だった。
※GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、妹島和世氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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