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【速報】G1@Clubhouse㉚「テキストメディアの未来:新聞、雑誌、書籍の進化系とは?」徳力基彦×瀬尾傑×浜田敬子×池田光史×堀義人

投稿日:2021/02/28更新日:2021/03/26

目次

 
昨日、2月27日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㉚の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「テキストメディアの未来:新聞、雑誌、書籍の進化系とは?」。

出演者:徳力基彦(noteプロデューサー)、瀬尾傑(スマートニュースメディア研究所所長)、浜田敬子(ジャーナリスト)、池田光史(NewsPicks編集長)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)新聞、雑誌、書籍の販売部数減の実態

・新聞協会加盟の日刊紙総発行部数は2020年10月時点で3509万部。ピークの97年頃から減り続け、特にここ3年は700万部減と、著しく減少した。部数減と連動して広告費も減っている。単価がまったく違うため、それをデジタル広告で補うこともできていない。電子版契約者数が76万前後で唯一成功していると言われる日経新聞も、紙は100万部ほど減っている。

・雑誌も96年頃のピークから下がり続け、市場は1兆2000億から5000億を下回るぐらいに縮小した。減少が目立つのは週刊誌。かつては100万部売れるとヒット雑誌と言われたが、今は『週刊ポスト』で刷り部数が35万を切るぐらい。『週刊文春』でも50万そこそこ。広告の減少幅も大きく、特に女性誌は売上より広告で儲かる事業モデルだったので大きな打撃を受けている。

・書籍は10年前におよそ2兆円だったものが今は1.2兆円前後にまで縮小した。ただ、電子書籍が増えていて、全体では10年前の8割前後というイメージだ。文庫と新書は2008年に3100億だったものが今は1610億前後。電子書籍が480億ぐらいなので、トータルでは2008年から1000億ほどの減少だと思う。現在はコロナによって家で過ごす時間が増えたこともあり、売上は下げ止まった感じがする。

2)既存メディアの戦略と新規参入の現状

・新聞系では毎日新聞統合デジタル取材センターに注目している。100人ほどの記者が調査報道ほか、ライフスタイル関連やジェンダー系の記事を書いていて、「面白いな」と思うのはこちらの記事ということが多い。デジタルファーストと言いつつ紙優先が続いていた新聞のなかでも、毎日新聞は大きくデジタル側に振り切ったと思う。

・グローバルではニューヨーク・タイムズ(以下、NYT)がデジタルシフトに成功していて、有料読者数は前年比48%増の500万人超。アプリと紙媒体で計750万人ということで、やり方によっては新聞も成功し得ると感じる。NYTはトランプ政権になったときの特ダネで読者が一気に増えたと言われる。コンテンツの力が部数やPV、ひいては収益を高めるうえでまだまだ大事なのだと思う。

・雑誌系では『文春オンライン』。今はLINEやYahoo!等、あちこちにスクープを売っているし、サブスクを含めいろいろな形で課金している。表現方法も、たとえば最近の菅総理の息子の件では音声を公開したりと、デジタルをうまく使っている印象だ。ただ、スキャンダルで差別化している文春以外のメディアは寂しい状況にある。かつて雑誌は長い時間をかけた調査報道に力を入れていたし、新聞社がやれないことをやるのが雑誌の強みでもあったが、今はそれができていない。

・新聞でも雑誌でも、紙にこだわり過ぎてデジタルシフトに遅れたところと、自分たちのミッション再定義に失敗したところが苦しんでいると感じる。一方、日経はビジネスパーソン向けとして、NewsPicks(以下、NP)は純デジタル媒体として、ターゲットを絞ったことで成功しているという印象がある。

・今は総合新聞がやるべきことを文春がやっている。コンテンツ自体は違うが、とにかく記者ががっつり張り付く調査報道という手法、つまり雑誌のモデルをデジタルにシフトすることで突破口を見出していると感じる。

・NYTの成功例もあるし、総合新聞も紙を捨てるぐらいの決断ができればと思う。河井案里氏の件なんて本来は新聞がやることだった。でも、タレコミや内部告発は今すべて文春に集まるし、文春はそこに大変な人手をかける。朝8時になった瞬間、秘書13人を記者が一斉に訪れたり。一方で新聞のほうはというと、朝日新聞の従軍慰安婦報道問題等、いくつかの出来事を通して、今は「訴えられたり、間違えたりしたらどうしよう」と、踏み込めなくなっているように感じる。

・Webメディアのビジネスモデルは、新聞的なものと雑誌的なものに分かれると感じる。前者はPVを追ってGoogle AdSenseやバナーで収益をあげるモデルだ。『東洋経済オンライン』等のビジネス系媒体とか、『ギズモード』等のカテゴリーに特化したWebメディアとか。ただ、最近は彼らもPV重視のモデルからNPのようなサブスク課金にシフトしていて、より雑誌的にお金を払ってくれる人たちにコンテンツを提供する方向へ特化してきた印象がある。

・コンテンツが大事なのはWebメディアも同じだが、コンテンツ強化とともに、ストレスフリーで、かつ最も良いタイミングで記事を読むことができるよう、ユーザー体験を高めることも大切だ。その2つを実現できるかどうかという点では、新興も既存も関係がないように思う。

・スマートニュースはアメリカで伸びている。メディアもグローバルに出ていく必要性があると思う。漫画はすでにそうなっていて、たとえば講談社も電子で海外販路を広げたが、テキストではそういうルートができていない。日本のメディアが日本の情報をどのように外へ出すのか。手法はさまざまだと思うが、いずれにせよグローバルで勝負しないとなかなか成長はできないと思う。

・ビジネス・インサイダージャパンも最初は無料の広告モデルだったが、1年前にサブスクをはじめた。ただ、新興メディアを見渡してみると大成功しているのはNPだけだと感じる。プラットフォームとパブリッシャーをかけ合わせたモデルというのが秀逸だったと思う。広告もサブスクも収益が見込めるということで、かつての雑誌のモデルだと感じる。

3)テキストメディアは自らをどのように改革していくべきか

・新聞社は得意なニュースを絞り切る必要があると思う。産経新聞は記者クラブで得られるような速報は通信社にある程度任せ、支局の数を減らしている一方、独自取材に集中する体制にシフトしている。売上減に伴うリストラとも言えるが、それで結果的には去年までの赤字が今年は黒字になった。フルラインナップでやるのでなく、勝てる部分に特化して身軽になろう、と。そのうえでサブスクか広告、あるいはその組み合わせていけば、やっていける部分はあると思う。

・新聞は、どれだけスリムかつ強靭な体制にしていけるかが問われている。単に記者を減らすだけでなく、何を強みにするのか。その意味で、今は販売地域が複数の都府県にまたがるブロック紙でも、共同取材をしたりして強みを発揮しているところがある。組織が大きくなり過ぎたナショナルメディアより地方メディアのほうが可能性はあるのではないか。地方に特化して細やかにコンテンツを提供することで読者と濃密な関係を築くというのは、大新聞にはできないし、そこをビジネスやマネタイズにつなげることは大事だと思う。ただ、デジタル化に抵抗している経営者は多く、まだまだその辺もうまくいっていない。

・インターネットコンテンツの世界はwinner-take-allなので、特に総合紙は1~2社に収斂するように思う。また、今は毎月3,000円を支払うような新聞の事業モデル自体が崩壊しているので、ローカル紙もデジタルで儲ける方法が見つけないかぎり生き残るのは大変だと考えている。その意味では血が滲むような改革も必要ではないか。経営者の決断として、販売店等の整理や記者のリストラを含め、どこまで捨てられるかという話も今後は問われていくのだと思う。

・外からの資本を入れる考え方も必要だと思うが、今は日刊新聞法が壁になって他業界から新聞社を買うことができない。このルールは取っ払ったほうがいい。地域密着で多くの読者を持つ魅力的なローカル新聞はある。そういうところに外の資本が入って、今までと異なる事業モデルを展開すれば、さまざまな形で生き残れるのではないかと思っている。

・少人数でも地域に必要とされるデジタルメディアをつくることができたら、損益分岐点を超えてからは一気にやりやすくなるように思う。そのうえで、個人で終わらせず、きちんと組織にしていく。雑誌も初期はそうだったと思うし、今後はそういう形が増えることを期待している。

・アメリカの地方紙では現場の取材を地域のコミュニティ記者に任せているところもある。そのうえで、上がってきた原稿のチェックや行政の監視等、プロフェッショナルな部分はメディアのほうが担っていくという棲み分けで成功しているメディアはある。

・新聞社にも「誰にどんなコンテンツを届けるか」という視点で企画を立てるエディター職が不可欠だと思う。日本の新聞社にはそうした立場の人がいないが、そうした職種がないと外部ライターに書いてもらうこともできない。いわば徒弟制度のなかで育ってきた新聞社のデスクは、外の視点を尊重できない面もあるので。

G1@Clubhouse㉚「テキストメディアの未来:新聞、雑誌、書籍の進化系とは?」徳力基彦×瀬尾傑×浜田敬子×池田光史×堀義人

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