ダボス会議の3日目。本日も世界のリーダーがどう考え、どう世界が動くのかを僕なりに理解し、且つ自らが正しいと思うことを徹底的に伝えていきたいと思っている。
最初のセッションが「中東の地政学」だ。パネリストは、ウィルソンセンターのジェーン・ハーマン代表、ヨルダンの首相、トルコとオマーンの外務大臣。モデレータはWEFの代表だ。
中東問題と言えば、当初はイスラエルとパレスティナの問題だったが、イエメンで戦争が発生し、シリア&リビアの内戦、イラクを舞台にした米イランの紛争等が起きた。米国が撤退する中で、トルコ、イラン、ロシアが存在感を高めている。中東に限っては、「冷戦」から「熱い代理戦争」に移った。
続いて、「21世期会社を導く」というセッションに参加中。マッキンゼー、シスコ、クレディスイス、そしてナスダックのCEOが登壇して、「社会を良くするために企業として何ができるのか?」を議論している。「ステークホルダー資本主義」によって意識が変わってきている。
コングレスセンターからいったんホテルに戻り、午後13時半からYPOハブ@ダボスで登壇。YPOらしくジーンズ姿で登場した。グロービス創業の経緯、現況とビジョン、そしてG1について語った。後日動画で配信されると思うので、乞うご期待(^^)
YPO登壇後、プロムナードを歩いてホテルに戻った。コートが不要なほど暖かい。インドのタタ社の出店で無料のチャイをゲットし、サウジアラビアのMisk財団が提供するカフェに入った。
ダボスでは、スポンサーが無料で飲食等を提供する。飲食に限らず、帽子を無料で配っているぐらいだ。アラブのお茶菓子を堪能した。美味しい!
これから国際NGOのトップとアポだ。彼が、カルロス・ゴーン氏について言及した模様がNHKニュースで大きく報道されたのを見て、メールで激しく応酬し、結局ダボス会議で会うことにした。今、英語でどう表現するかをメモ書きし、法務省が出した英語のQ&Aをホテルで予習中。
たった今Human Rights Watch代表のケネス・ロス氏とミーティングを終えた(本人の了解を得て名前を出している)。僕からは以下3点を伝えた。
1)ゴーン氏の逃亡を『ディフェンドしないが、日本の司法制度に問題がある』と言及したことは、逃亡を正当化しているように捉えられている。
2)現在HRWが日本の司法制度を調査している。仮に日本の問題点を指摘するならば、主要国にも入り、比較した上で公表して欲しい。この時期に日本のみ調査するのは偏った意図を感じるし、フェアではない。
3)HRWの偏ったスタンスに憤りを感じている声を日本で多く聞く。司法制度の調査は、ゴーン氏とは全く別の案件として、時期をずらして取り進めるべきである。
ロス氏は、必ずしも全てに同意されなかったが、「主張を聞いた」とのことで、握手して別れた。僕は、同じような意見をWSJの編集トップにも伝えた。Bloomberg TVにも出演して、同様の意見を世界に発信した。正しいと思うことを伝えることはとても重要だと思う。
ダボス会議で世界の世論がある程度は作られる。微力ながらも僕なりにできることを全て行った。世界の世論が少しでも変わることを期待したい。
「未来の米国外交方針」というセッションに参加中。今年のグローバルリスクのトップ3が、米国に関することだ。米国の外交方針に注目が集まっている。登壇者は、ウィルソンセンターのジェーン・ハーマン代表、イスラエルのシンクタンクのディレクター、フォーリン・アフェアーズ誌の編集長。カーライル社のルービンシュタイン氏がモデレータだ。
コングレスセンターを出て、まっすぐジャパンナイトが開催されるホテルに向かった。19時にスタートした。会の冒頭に安倍総理からのビデオメッセージがあった。やはり、ジャパンナイトと言えば、鏡開きですよね。僕の横に竹中平蔵さん、前が中西経団連会長だ。たまたま真ん中に立ち位置があって、ラッキーだった。
ジャパンナイトにクラウス・シュワブご夫妻が登場!僕は、シュワブ氏が創設したダボス会議の50年間の歩みに、心の底から敬意を表している。シュワブさんと1対1で何度か個別に会う機会も頂いた。
シュワブさんは、本当に日本のことが好きだと感じることができて、とても嬉しく思っている。僕も、微力ながらも日本の代表として世界に貢献していきたい。
ジャパンナイトを後にして向かったのは、インドネシアナイトだ。ステージに座りながら、子供の様に語り合っていた。ダボス会議で出会い、国境を超えて親しい友達ができ、とても嬉しい。
そしてプロムナードを歩いてYPOハブが目に入ったので、フラッと立ち寄った。YPOの次期会長がジントニックを作ってくれた。最高!
ダボス会議の夜はまだ続く。水曜日の夜と言えば、マッキンゼーナイトだ。深夜1時過ぎまで踊り続けた。
2020年1月22日
ダボスにて
堀義人
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