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会社の中枢「人事」にテクノロジーを活用せよ

投稿日:2019/07/06

新刊『テクノベートMBA基本キーワード70』の5章「ヒト/働き方」から、「Keyword054 HRテック」を紹介します。 戦略やマーケティングといった重要な活動を実行するのは、突き詰めれば組織、そして一人ひとりの人材です。そうした人材を効率的に採用したり、配置、育成、評価などを行うことが非常に重要であることは論を待ちません。一方でこれらの分野は、これまで人事部門などの属人的なノウハウに頼るところが大でした。そこにテクノロジー、特にビッグデータとAIを導入することで、人間には判断できなかったような効果的な人事施策を打とうというのがHRテックです。 この分野は米国企業が先行していますが、日本企業でも徐々に活用事例が増えています。先進国の中でも会社に対するエンゲージメント(愛着心や思い入れ)が低いとされる日本企業だからこそ、HRテックの活用はそこに大きなインパクトを与える可能性を秘めているとも言えそうです。 (このシリーズは、グロービスの書籍から、PHP研究所了承のもと、選抜した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

HRテックとは?

人的資源管理(Human Resource Management)の分野における課題を、テクノロジーで解決しようとする考え方、あるいはそのためのサービスのこと。

解説

人的資源管理は組織の生産性にダイレクトに影響を与える重要な分野であり、近年はここでもテクノロジーが活用されています。HRテックもフィンテック同様、すでにさまざまなサービスが立ち上がりつつありますが、本項目ではその中でも代表的なものを紹介します。   まずは採用におけるHRテックがあります。新卒採用であれば、エントリーシートをレイティング(数値化)することで数を絞り込むといった活用例が見受けられます。かつては属性データ、特に学歴だけを見ている企業も多かったと思われますが、最近は学生の志望動機の文書をAIで採点するなどの動きも広がっています。 米国などでは、面接した際の表情から将来の仕事における活躍度を推測するサービスもすでに登場しています。あるいは「その会社にどうしても来てほしい人材」ということが分かれば、どうすれば自社に来てもらえるか、その方法論を提案するといったこともAIができるようになりつつあります。 ややニッチな分野ですが、スポーツビジネスにおいては、世界中のプロリーグや代表的なアマチュアリーグの選手の活躍度合いをカバーしておくことで、自チームの日々の結果に応じて「今のチームにおける必要度が高く、かつ金銭的にもまかないやすい」選手が自動的にレコメンデーションされるシステムもあります。 他には人事管理、スタッフィング(配置)への応用も進んでいます。かつては人事部が属人的なスキルをもって人事異動などを行っていましたが、今後は事実に基づく社員の過去の記録(業績、スキル、学んだこと、周囲からの評価など)や、社内における仕事ごとの特性(求められるスキル、仕事のハードさ、学習効果など)をビッグデータとして蓄積しておくことで、「彼(彼女)には、次にこの仕事をしてもらうことが、業績向上の面からも育成の面からも望ましい」といったマッチングを、個人レベルだけではなく、全社最適で導くことができるようになる可能性もあります。 タレントマネジメントは多くの企業にとって重要な課題ですので、この分野の伸び代は大きいでしょう。実現はまだまだ先かもしれませんが、将来的には(社内外も含めた)経営陣のサクセッションプランニング(後継者育成計画)にもAIなどが活躍するかもしれません。 労務管理もすでにHRテックが進んでいる分野です。単に労務時間を管理するだけではなく、タイムカードを押した時間などを分析して「この社員は3カ月以内に辞める可能性が高い」といったウォーニングを出すサービスも研究されています。 社員のメンタルヘルス管理もテクノロジーとなじみやすい分野です。顔の表情や体の動き、ウェアラブルからのビッグデータなどを参考に、「もっと睡眠、休暇を取るように」などのレコメンデーションがくる時代も到来するでしょう。

テクノロジーは学習すらも大きく変える

HRテックと重なる分野として、教育の分野にもテクノロジーの波が押し寄せています。社内教育に限らず、教育に関するテクノロジー全般をEDテック(エドテック)と呼ぶこともあります。 オンライン教育の提供やその学習履歴の蓄積もさることながら、将来的には、特定の社員の言動などをAIで解析することにより、本人や上司も気がついていないポテンシャルを見出したり、その反対に陥りやすい弱点を指摘できたりするようになるかもしれません。 EDテックは、現時点では教育コストの低減や、教育をより多くの社員に行きわたらせることに注目が行きがちですが、おいおいこのような見えざる真実を見出す活用にも注目が集まるようになるでしょう。 これ以外にも、報奨や昇進・昇格を決めるといったデリケートな業務にもAIの活用が試みられています。経営者や人事部の立場からすれば、あるべき組織の姿を描きつつ、これらのテクノロジーを適切に取り入れていくことが求められるでしょう。 (本項担当執筆者:嶋田毅 グロービス出版局長)

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