G1経営者会議2016
第3部分科会A「テクノロジーが変容するプラットフォーム戦略」
「21世紀の富はプラットフォームから生まれる」̶̶かつて喝破されたように、Appl eはiTunesという生態系をつくりあげ、商流や情報流を根底から変えた。シェアリングエコノミーやクラウドソーシングといった新たなプラットフォームが生まれ、テクノロジーの進化によって、不動産や小売、決済といったビジネスもまた、その姿を大きく変えていく。リアルとネットの双方においてプラットフォームを構築し、生態系を生み出していくための戦略とは何か。「ポケモンGO」を運営するナイアンティック、日本最大級の不動産・住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクスト、ポイントサービス「Ponta」会員7700万人を擁するローソン。各社が展開する戦略に「ザ・プラットフォーム」著者の尾原和啓氏が迫る。(肩書きは2016年11月3日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
尾原氏: 今から一時間「テクノロジーが変容するプラットフォーム戦略」ということでお話をさせていただくのですが、まさに本日のテーマはテクノベートです。テクノロジーによってすべてが書き換わってしまう中で、誰が重要なポジションをとっていくのかの一つに、プラットフォームがあります。今日お集まりいただいたのは、プラットフォームを今すでに確立されている3社の方々です。これがさらにテクノロジーによってどういう風に変わってしまうのかということを、一時間深掘りさせていただければと思います。
本日モデレーターをさせていただく尾原ですが、ありがたいのが、去年「ザ・プラットフォーム」という本を書いたことです。そのおかげでここに呼んでいただけ、本当にありがたいと思いながら進めて行くわけですが、後半15分はQ&Aを入れていきます。もし途中で突っ込みたいとか、質問があるということがあれば、手を挙げていただければ拾わせていただきますし、どなたかパソコンでニコ生を見ている方がいらしたら、ニコ生のコメントでこういう質問があるというのを代表して拾っていただけると嬉しいです。僕はどちらかというとネットの住民で、そういうやり方の方が好きなので、ぜひよろしくお願いします。
ここから、先ほど言いました「テクノロジーが変容するプラットフォーム戦略」ということでお話をしたいのですが、プラットフォームという言葉はすごく曖昧ですよね。まず、この3社様の今のプラットフォームがどう捉えられていて、何を強みとして確立されているかというあたりから、お一人ずつお話いただければと思います。
では、750万件と日本最大の不動産プラットフォームをやられている井上さんからお願いします。
井上氏: うちは20年前から始まっている会社なので、テクノロジーと言っても一生懸命追い付くのが大変なんですが、創業当時からやりたかったのは、ユーザーのエクスペリエンスを最高にしていくと言うことです。つまり住み替えをする人達に「最高だ」「良かった」と言ってもらえるプラットフォームを作りたいということで、4つの情報の非対称性を解消する、このプラットフォームを作ってきました。
1つ目は、どこにどんな物件があるのかを100%データベース化したいということです。自社調べですが、今は日本国内の皆さんがお住まいの家も含めて60%くらいはデータベース化が進んでいます。国が持っているデータベースがそこまでの網羅度がないので、民間で作るしかないのです。
それから2つ目は価格ですね。(この続きは動画でご覧ください)