堀 義人 グロービス経営大学院 学長
<100の行動9>
経済拠点としての日本の魅力度を上げよ!
~経済の成長なくして、日本の諸問題の解決はない
過去の政権は間違っていた。病気で弱った体にカンフル剤を打ち、刺激を与えて一時的に元気にさせていたようなものだ。だがそのために結局心身ともに疲弊し、病気が悪化し、カンフル剤の資金も底をついてきた。ここで日本はどうすべきか?(肩書きは2015年2月のもの。視聴時間4分28秒)
1.経済の体質改善のために、「開国(TPP/FTA)」「経済拠点としての魅力度アップ」「新陳代謝によるイノベーション」の3つを追求せよ!
1) 開国(TPP/FTA)して、世界からヒト、モノ、カネ、チエ、技術、情報などが自由に出入りするように
2)「6重苦」の解消を通じて、日本の経済拠点としての魅力度を高める
3)規制緩和で新規参入を促し、新陳代謝を進める
2.「6重苦を」を打開して、日本の生産拠点としての魅力を上げよ!
1)高い法人税→ 今回の提言3
2)二酸化炭素排出抑制をうたった京都議定書 → 単純延長に日本は参加しなかったので解決済
3)労働慣行→ 今回の提言4
4)円高による輸出不況→アベノミクスで解決済み
5)FTA・EPA等の自由貿易の遅滞
→ 100の行動8 自由貿易(FTA/TPP)を成長戦略と位置付け、ルール作りで主導権を握れ!
6)電力不足問題
→ 100の行動7 多様化・自給率向上・クリーン化を可能とするバランスの取れたエネルギー政策と規制を!
3.法人税の引き下げを!
法人税の実効税率(約40%)を、国際的水準(25-30%)に引き下げる。法人税の引き下げは税収減にはならず、工場、投資、人材を呼び込み、経済活動の密度やスピードを上げる
4. 労働慣行の硬直性を打開せよ!
解雇、非定期雇用、派遣労働者の雇用への規制強化があるが、これからは自由度を高くすべきである
5. 魅力を高める「人材戦略」と「市場のゆがみの是正:競争」を!
今後は、英語力がある人材、プロフェッショナル人材が必要となる。また、経済的弱者を守る独占禁止法政策でなく、世界で戦える産業を創出する競争政策へと転換したい。政府の「経済財政諮問会議」が契機となり、日本の経済拠点としての魅力度を上げたい