「社長ブログは社風の伝達など採用面にも寄与。社内SNSもナレッジシェアで積極利用している」(鉢嶺)
神原弥生子氏(以下、敬称略):会場の皆様は御三方の会社について十分ご存知だと思うので会社紹介は割愛し、まず経営トップである御三方がどのようなソーシャルメディアをいかに活用しているかというお話から伺っていきたい。まず森川さん。(01:03)
森川亮氏(以下、敬称略):ツイッターやフェイスブックあるいはリンクトインと色々使っているが、当然ながら最近はLINEの社内利用もかなり進んでいる。これは僕たちの会社だけでなく、ベンチャー企業では電話を止めてLINEにしているところもある。あと、僕の廻りでは「支社との関係が良くなった」といった社長さんのお話もよく聞く。たとえば何かの理由で叱ったあと、「少し気まずいな」と感じたとき上司のほうからスタンプを送ったりして(会場笑)、良い感じで和んだりするという(笑)(01:39)
必要なことを必要なときに伝える機能はツールとして必要だが、コミュニケーションで大事なのは共感や信頼を得ることだ。そこで言葉を超えたメッセージを伝える必要があるのだと思う。LINEが企業のなかに入ることで、企業内でもそうしたコミュニケーションが活発化する面はある。あとはリアルタイム性の向上だ。トラブルがあったときにすぐ繋がり、そこでメッセージのやりとりをするという使い方も多いと思う。(02:45)
で、ツイッターに関して言うと最近はリリース系の発信が多い。一時期はLINEに関する匿名のお問い合わせも僕のツイッターアカウントで受けていた。ただ、それで「繋がりにくい」、「UIが使いづらい」といった声をすべて受けていたら夜も眠れないほど忙しくなってしまった。従って、今はあまりやっていない。また、リンクトインを使うと世界中から応募があるし、フェイスブックに関しては最も利用頻度が高いと思う。(03:28)
神原:お立場を明確にしたうえで各種ソーシャルメディアをお使いになり、ツイッターでは森川さんの元にサポートやクレームが来ていた時期もあると。(04:01)
森川:一時期、LINE上で「タイムラインに何か乗せたらスタンプが無料で貰える」といったような噂が世界中で流れて(会場笑)、「それは本当なのか」と。それでツイッターから回答すると、「貴方は本当にLINEの社長ですか? 偽者だ!」なんていう話になってまた盛りあがる(笑)。大変だった時期がある。(04:18)
神原:今はメンションをつけてきても対応しない方針なのだろうか。(04:42)
森川:こういった対応は中途半端にすると良くないのだと思う。ツイッターではもう個人的に対応しきれないことが分かったので、今は止めている。(04:50)
神原:ブログも書いていらっしゃると思うが、ブログを含めた各メディアを、それぞれどのような方がご覧になっているとお考えだろう。(05:11)
森川:マメに更新している訳ではないが、ブログに関しては後々残っても良いことを中心に書いている。で、ツイッターやフェイスブックには、基本的には時間軸のなかで流れて読まれなくなっていくことを前提に、どちらかというと「今現在はこうです」と伝えるような使い方だ。見ている人について言うと、フェイスブックでは知り合いの方が多くて、匿名性が高いメディアになるほどそうではない方が増えるという感じになる。(05:25)
鉢嶺登氏(以下、敬称略):ソーシャルメディアを活用するクライアント企業は増えているので、我々自身も積極的に使おうと考えている。僕自身はまず社長ブログということでここ5年ほど毎週一回発信している。本社以外に支店があると社長が何を考えているかが分かりづらいので、ブログを通じてそうしたことを伝えている。ブログは採用面で非常に良かったという実感もある。応募してくる学生さんがすべてのエントリーを読んでいて、「何を大切にする社風か」といったことを分かったうえで来ていただいている。その意味でも僕は他の社長さんにブログをかなりお勧めしている。(06:04)
あと、社内利用に関してはフェイスブックやセールスフォースのChatterをよく利用している。シリコンバレー支局が当地の最新情報が常にアップしていて、それを社員がクローズドなソーシャルメディア上でシェアしている状態だ。それで米国の最新ベンチャー事情を全社員が知り、かつそれをクライアント企業にご提供したりする。(06:54)
神原:LINEはお使いになっているだろうか。(07:22)
鉢嶺:会社としてはない。クライアントへのご提供、ないし個人利用になる。個人ではLINE対メールで9対1といった状況で、圧倒的にLINEの利用度が高い。(07:24)
神原:ご家族だけでなく会社の方々ともLINEのグループをつくっていると。(07:38)
鉢嶺:メールは本当に少なくなってしまった。僕にコンタクトをいただく場合でもLINEかフェイスブックのダイレクトメッセージのほうがメールより早い。ビジネスでは普通のメールを使う機会もあるが、LINEと携帯メールであれば9対1でLINEだ。(07:42)
「ヒエラルキーや組織の壁を越えやすいという特徴もソーシャルにはある」(宇陀氏)
宇陀栄次氏(以下、敬称略):当社が提供しているのは完全に法人向けの企業内SNSだ。営業、エンジニアリング、R&D、サポート等々、色々なメンバーが企業ではバーティカルに区切られているが、そこでチームごとに色々な編成をして一般的なコミュニケーションをとるという使い方が一番多い。また、プロジェクトごとにグループをつくることも出来るので、そのなかでやりとりしている例も同様に一番多いと思う。(08:17)
個人的に「良いな」と思うのは、ある一時点でのコミュニケーションだけでなく、過去に遡って時系列でコミュニケーションや情報の記録を追いかけることが出来る点だ。プリウス開発のチーフエンジニアで「ミスタープリウス」と言われたトヨタの内山田竹志会長からはこういうお話を伺った。最初は数人のプロジェクトメンバーで使いはじめるが、プロジェクトが上手くいきはじめると後から人が加わってくる。その加わった人達が過去のやりとりをざっと閲覧したうえで仕事に入ることが出来るため、結果的に即戦力にしやすくなるとのお話だった。(08:53)
あと、個人的には今サンフランシスコにいる息子とLINEでやりとりをしているが、社内ビジネスではChatterが中心になってくるという状況だ。(09:50)
神原:昨日、私が本セッションに登壇する旨をツイッターでつぶやくと即座にRTしてくださった。社内でもあれほど速くレスポンスをなさっているのだろうか。(10:06)
宇陀:いつもという訳ではないが。あと、企業内ソーシャルの大きな特徴としてもう一つ。メールは「相手に送る」というある種の覚悟がいるし、そこで組織のヒエラルキーがあると、ときには「俺をパスして社長に言うな」という人も出てくる。しかしソーシャルでは自分が思ったことをぱっと発信すると、感性を持っている人がそれに反応出来る。そこでヒエラルキーや組織の壁を無視出来るという特徴もあると思う。(10:19)
神原:私自身はブログを10年ほど、今はツイッターとフェイスブックも併せて使っているが、色々使っていると時間がどんどん速くなる感覚を持つ。また、複数プラットフォームを立ち上げる必要がある点に若干居心地の悪さを感じる今日この頃だ。(11:01)
会場の方々にもお聞きしてみよう。LINEのアカウントをお持ちの方はどれほどいらっしゃるだろうか(会場多数挙手)、…90%を超えている。フェイスブックはどうだろう(会場多数挙手)。ビジネス系SNSのリンクトインは?(会場多数挙手)、…かなりリテラシーの高い方々がお集まりだ。では、ご自身で書いてはいないにしても会社で公式ブログを運営しているという方は(会場若干挙手)、…意外と少ない。あと、BtoBのビジネスをなさっている方はどれほどいらっしゃるだろう(会場多数挙手)。…今日はBtoBあるいはBtoCといった視点にも触れていこう。まずは攻めの視点ということで、BtoC営業の最前線に関して伺っていきたい。まずは鉢嶺さん。(11:37)
鉢嶺:企業のソーシャルメディア活用となると大きく分けて三通りあると思う。まずはフェイスブックやLINEあるいはYouTubeといった既存メディアを活用するプロモーション。そして二つ目は最近の大きな流れだが、オウンドメディアや自社サイトへファンを呼び込むために使う事例だ。たとえば「コカ・コーラパーク」は有名だが、そうしたオウンドメディアづくりのオーダーも増えている。で、三つ目はそこへ呼び込む広告になる。現在はソーシャルメディアを使った広告よりもオウンドメディアの開発やフェイスブックページの制作または運用等、広告以外の用途でお金を払う比率のほうが大きい。後者の市場規模は前者の2〜3倍という感覚がある。(13:07)
神原:広告はお金を払って枠を買えば良いが、オウンドメディアはコンテンツをつくって運営しなければいけない。さらにそれをソーシャルメディアと連動させて使う場合、企業の体制はどのようになるのだろう。(14:14)
鉢嶺:我々は2年ほど前にソーシャルメディア専門部隊を立ちあげたが、当時はほとんどのクライアント企業がそうした部隊が持っていななかった。そこである種の啓蒙活動を1年ほど行い、最近ようやく各企業がまとまった予算をソーシャルメディアに投じはじめたという実感がある。アメリカでは数年前からいたのだが、日本ではようやくここにきて各企業にソーシャルの選任者も出はじめている感じだ。(14:32)
神原:そうした部署は広告宣伝部や広報でつくられるのだろうか。(15:10)
鉢嶺:会社によってさまざまだが、ネットに特化した販促セクションのような部隊がだいたい各企業にあるので、そうした部門で担当するケースが多い。(15:18)
神原:そこでKPI等の効果測定にもマーケティング視点で取り組むという…。(15:29)
鉢嶺:ほとんどそうなる。(15:36)
神原:今はソーシャルメディアとオウンドメディアを組み合わせるようなご相談が多いのだろうか。(15:38)
鉢嶺:基本的にはそう。たとえばLINEの場合…、O2Oと言うのか、小売・流通系でお客様を実店舗に誘導しようとする事例が圧倒的に多い。成功事例としては、店舗をお持ちの顧客がLINEのスタンプを発行してファンを獲得し、「実店舗にスタンプやクーポンを持っていくと何かと交換出来るようにする」といったものだ。あるデパートではそれで大きな売上に結びついた。LINEの場合はその辺が圧倒的だ。本当に、効果が非常に高いのでリピートする。(15:46)
「リーチが高いだけではメディアバリューは測れない。今はリーチ×信頼率。信頼を高める仕組みが重要」(森川)
森川:今までは企業が出した何らかの情報に対するリーチが高ければ高いほど、効果も大きいという時代だったと思う。すべてのメディアに高い信頼性があったので、リーチが高いメディアほど信頼も高い構造だった。そこにネットが出てきて何が変わったかというと、リーチが高くても信頼を得るのが難しくなった。そうなると“リーチ×信頼率”のような形で、結果的にどんな効果を生むかが大事になる。(16:40)
従って、メディアは露出だけでなく信頼性を高めることも考えなくてはいけなくなった。特に企業が発信するメッセージというのは企業側の論理で伝えているように受け止められがちだ。だからこそ担当者がカジュアルにメッセージを送るようなこともあるのだと思うが、LINEに関してはあまり多くのメッセージを送らないようにしている。(17:16)
その結果、企業からのメッセージ開封率はおよそ70%となっている。これは驚異的だ。メールでは開封率1%にも満たない場合もあるがLINEでは70%で、そこから行動を起こすのがアンケートによると10%程度。10%ほど売上があがるという実績が出ている。それはナショナルブランドの話だが、個店はさらにすごい。レストランやショップの方がファンを集めてメッセージを送ると3割ほどの購買に繋がっている。従って、企業とお客さんとの信頼関係が生まれるような環境をいかにしてご用意出来るかがLINEのポイントになるのだと思って運営している。(17:42)
神原:メールマーケティングが1%未満、検索連動型広告も一桁台で推移している状況で、LINEの70%は驚異的だ。売上にも大きな差が出る。(18:41)
森川:今までのソーシャルメディアは、どちらかと言えばブランドをつくる場、あるいは企業からPRする場として使われていた。それもそれで効果は出ていたと思うが、それが売上に直結していることを数字上で説明しにくかったと思う。しかしLINEではオンラインメディアとして初めて売上を二桁に上げたという実績がかなり多く出ている。これはオンラインメディアの歴史を変えたのかなと、僕達は思っている。(19:09)
今まではあらゆる情報が無限大にあって、「そこから何でも選ぶことが出来る」というのがインターネットだったと思う。僕達がやっていることの一つは敢えてその選択肢を狭め、提供しているものの質を高めようというものだ。グーグルやアップルがやっているオープンに対してクローズド。そのぶん信頼が高まるということでやっている。従って、単なるツールやメディアあるいは技術というだけでなく、信頼を高める仕組みづくりのような部分にこだわっている。(19:54)
神原:たしかにソーシャルメディアの活用というと今まではブランディングや認知度の向上で終わっていたと思うが、実際に店頭へ足を運んで貰い、それで売上も伸びるという事例がBtoCの現場ではかなり多く出ているのだと思う。(20:31)
鉢嶺:最近はクックパッドの事例もある。今、無料の特売情報を提供していて急激に会員数が伸びているそうだ。あるスーパーにはそれで100人送客したという。100人というと少ないように感じるが、そのチェーンは1店あたり来店数が2000人。送客全体の5%がクックパッドの特売情報から来ていることになる。これは衝撃的だ。スーパーと言えばクックパッドかもしれないし、家電量販店はカカクコムかもしれないし、ドラッグストアはアットコスメかもしれない。ある種、そうしたカテゴリーキラー的なメディアを活用することで、今後の店舗集客でも新しい展開が見えるのかなと感じる。(20:47)
神原:BtoBのほうはどうだろう。BtoBtoCという視点もあるが。(21:45)
宇陀:基本的に当社のサービスは一般コンシューマに広めるものと異なり、目的が明確だ。そのぶん機密性も大切にしているので重要なやりとりも出来るというものになる。今まではそうしたSNSがなかったため、トヨタ自動車も研究開発等において自前でそうしたシステムを苦労しながらつくっていた。「それがこれほど簡単に出来て、かつプロジェクトを数多くつくることが出来るのは非常にいい」と仰っていた。(22:01)
その意味ではBtoBやBtoCという定義でなく、企業やグループ内でクローズドなものと外にも発信するものの違いなのかなと思う。当社の場合、たとえば半導体デバイスや電子部品関係といったお客様の利用度も高い。そうした分野では、たとえばR&D等、後ろにいるチームの方々と営業部門の方がお客様の目の前でやりとりをして、それでお客様の相談に即答出来ることもある。新人の方が、「お客様からこんな質問をいただいたのですが…」という相談をする。それを社内で見ていた誰かが、「この資料をお見せしたらいい」とその場で返してあげればお客様にも対応出来る訳だ。(22:40)
あるいは保険会社では、エンドユーザーさんでなく代理店さんが活用する。金融機関等で間違って情報が伝わると大問題だ。そうした情報に関して本当のプロというか、バックオフィスの方にサポートして貰える。自動車メーカーであればメーカーと代理店さんとのやりとりになるし、そうしたケースが色々出てきていると思う。(23:52)
「単にコスト削減、業務効率改善ではなく、ナレッジ共有が個々の社員の事業創造の意識を高める」(宇陀)
神原:社内のナレッジを最前線にいる営業の方が常に持ち歩けると。(24:29)
宇陀:おっしゃる通りだ。昔であれば本社に近い大都市圏の組織が有利で、地方へ行くに従ってサポートが弱くなるというフラストレーションがお客様にあったと思う。しかし今、地方の拠点が受けることの出来るサービスやサポートは大都市圏とほとんど差がない。それも非常に大きいのではないか。(24:34)
神原:店頭や営業端末からも入ってくるお客様情報もどんどん貯まっていく訳で、そうした情報でより効率的に事業を廻していくといったお話であるとも感じる。(25:07)
宇陀:それが非常に重要な用途だ。今日はトヨタ販売店での取り組みに関する2〜3分のビデオもご用意したので、差し支えなければご紹介したい。(25:32)
神原:社内のナレッジを最前線にいる営業の方が常に持ち歩けると。(24:29)
宇陀:おっしゃる通りだ。昔であれば本社に近い大都市圏の組織が有利で、地方へ行くに従ってサポートが弱くなるというフラストレーションがお客様にあったと思う。しかし今、地方の拠点が受けることの出来るサービスやサポートは大都市圏とほとんど差がない。それも非常に大きいのではないか。(24:34)
神原:店頭や営業端末からも入ってくるお客様情報もどんどん貯まっていく訳で、そうした情報でより効率的に事業を廻していくといったお話であるとも感じる。(25:07)
宇陀:それが非常に重要な用途だ。今日はトヨタ販売店での取り組みに関する2〜3分のビデオもご用意したので、差し支えなければご紹介したい。(25:32)
-----以下、映像より-----
北島義貴氏・トヨタカローラ徳島代表取締役社長(以下、敬称略):ディーラーが仕入れる段階では、車は“モノ”だ。しかし、今はお客様のなかに買い方を含めた“コト”を大切にする価値観がある。その部分を担うのが販売店だから、お客様が「繋がっていること」に価値を見出してくれるようなブランドが会社として必要だと思う。「ディーラーの仕事の有りかたを変えよう」と。そのエンジンにセールスフォースがなっている。
竹内浩人氏・トヨタカローラ徳島代表取締役専務(以下、敬称略):すべてをセールスフォールに置き換え、お客様ときちんとアポイントを取り、スケジュールを組んだうえで訪問する。訪問したらその場でスマートフォンに結果を入力し、それが店長に最新情報として直接伝わる。店長はその場でアドバイスも出来る訳で、そんな風に仕事が変わってきた。
北島:ディーラーの仕事に合っていると思う。非常にシンプルだし、時系列でしっかりと仕事を追うことが出来る。シンプルでなければ現場の人間は使わなかっただろうし、これほど早く定着しなかった。提案書に関しても同じだ。誰でもしっかり営業活動が出来るよう、たとえば3年後の残価等に関する情報も入るのでお客様にも大変好評だ。何より簡単につくることが出来る。また、Chatterの良いところはクローズドな環境で使える点だ。自身の不在時にお客様からご連絡をいただき、それを誰が対応してくれたということもリアルタイムで分かる。通常のSNSと違う形で良い運用が図られていく。
竹内:店長は今まで結果的にいくら儲かったかしか分からなかった。しかし、「店長にも本当の経営者感覚が芽生えてきたのだから収益は見えるようにしよう」、「せっかくだから営業スタッフやエンジニアにも店舗の状態を意識して貰おう」と。お客様とのお付き合いが営業スタッフだけではなく、お店や会社という単位になってきた。
北島:我々はすべてのお客様をカバー出来る訳ではないから、まずはお付き合いのある特定少数のお客様をしっかり守って差しあげたいし、同時に、お客様にも我々のことを知って貰う。ONEtoONEの関係で、「私をどのように満足させてくれるのか」ということをお求めになる時代だと思う。しっかりやっていくためには、このセールスフォースが必要だ。お客様の情報等、色々なものを知って差しあげることは、今後の小売・サービス業で不可欠になっていくと思う。
-----以上、映像より-----
宇陀:セールスフォースを使って、車という“モノ”だけでなくお客様基点で…、お客さんにはお子様が生まれる等の色々なイベントがある訳だから、そこまで含めて色々な形でサポート出来るようにするという方向性だ。(29:58)
神原:こうした新しいツールを企業に提案する際、何がポイントになるだろう。(30:45)
宇陀:日本企業は今まで、顧客管理や販売管理の新しい仕組みを何度もトライしては失敗してきた経験がある。それがトラウマのようになっていて、そのために弾かれるケースは正直あった。ただ、経営者はイノベーションを起こしたい訳だ。その可能性があるということで我々とお付き合いいただいている。業務効率改善だとかITコスト削減だとか、そういったことで企業が成長するのは難しい。その意味では世の中全体が新しいイノベーションを強く期待しはじめているのではないかと思う。(31:00)
※開催日:2013年11月4日。後編はこちら。