※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
学生時代から始まった実践的な学び
松尾氏の能力開発の原点は、学生時代にまでさかのぼります。
「研究者として、例えば人工知能学会の学生編集委員を学生の時からやっていました。毎日、有名な研究者にインタビューして掲載していたんです。そうすると研究者の人生や考え方がすごく立体的に見えて、すごく勉強になりました」
この経験が、他者から学ぶ姿勢と、自ら行動する大切さを教えてくれたといいます。また、自らが教える立場になることの重要性も語っています。
「教える方が力が伸びるという原理があると思っていたので、松尾組という形で毎週論文を読みながら僕が解説する臨読会をずっとやっていました」
教えることを通じて学びを深化させることが、彼の成長戦略の中核にあったといえます。
ゲームから始まったデータ分析の原体験
松尾氏のもう一つの原点は、意外にも「ゲーム」でした。
「『大戦略』というゲームのデータを分析して、価格あたり戦闘力の高い戦車を見つけて、それを量産して勝ちました。これが僕の最初のデータ分析の成功体験です」
単なる遊びを、数値的な考察を通じて戦略的な勝利へとつなげたのです。その視点は、ソフトボールや競馬のデータ分析にも応用されていきました。
「選手の成績データを見ると、打ちそうな人が実はあまり打ってなかったり、盗塁のタイミングにしても初球が最も成功率が高かったり、そういった『感覚では見えない事実』が見えてくるんです」
感覚や思い込みではなく、客観的なデータを基に意思決定する姿勢が、後のAI研究につながっていったのです。
「新しい分野」に挑む意志が生んだ研究の軸
研究者としてのキャリアの初期、松尾氏は大御所に勝つために「誰もやっていない分野」に意識的に踏み出しました。
「インターネットが広がり、データがどんどん増えていた。当時はネットの研究なんてオタクの遊び場だと思われていたけど、僕はそこにイノベーションの源泉があると確信して、ウェブマイニングの研究を始めたんです」
変化を恐れずに新しい潮流に乗る決断力も、松尾氏の強みのひとつです。
「ブログが出てきたときに、普通の研究者は新しいものを嫌うんですが、僕は『流行ってるならそっち行こう』と即決して、ブログの分析に切り替えました」
常識に縛られず、時代の変化を捉えながら柔軟に研究分野を選ぶ。これが松尾氏の能力開発における重要な視点といえるでしょう。
おわりに
松尾氏の語る「能力開発」は、行動すること、教えること、データを信じること、そして時代の流れに敏感であることという4つの軸で構成されています。
自らの経験を元に、体系的に力を伸ばしてきた松尾氏の姿は、これからのビジネスパーソンにとって必要な「学び続ける力」の重要性を示しています。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、松尾豊氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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