※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
原点は「自分の無力さ」を知った文化祭の経験
冨山氏のリーダーシップの原点は、意外にも高校時代の文化祭や音楽祭にあった。
「進学校でみんな生意気で、言うことを聞かない。全然動機付けもない中で、かなり自分でも工夫しました。」「うまくいかないことのほうが多くて、自分の無力を痛感した」
ただ言うでは動かない人の心をどう動かすか。 この問いに向き合ったことで、リーダーシップの本質や人間理解の重要性を実感したという。冨山氏はこの経験を「能力開発の最初のきっかけだった」と語る。
スタンフォードMBAで得た挑戦と多様性
能力開発の第二の転機は、スタンフォード大学への留学だった。日本と異なる教育スタイル、発言が求められる授業、多様な価値観との出会い――そのすべてが冨山氏に強い影響を与えた。
「自分から積極的に参加しないと学びが得られない。多様性がすごい中で、揉まれ揉まれながらやるのはすごく新鮮な体験だった。かつ、実際の世界の政策意思決定の場で行われていることを体感して、学びになった」
加えて、シリコンバレーという土地柄、ベンチャー経営者と日常的に接する機会があり、失敗を前提とする挑戦の文化にも刺激を受けた。
著名なベンチャー経営者が近くを歩いているのを見かけたり、ジョブズやスコット・マグネリーがパーティーに来たり、ゲストスピーカーによる現場感のある講義といった環境に。
「世界が広がって、自分の気持ちも高ぶって、自分にもできるという気持ちになりましたね」
実業の現場で痛感した「机上の空論」とのギャップ
MBA帰国後、自ら立ち上げたコンサル会社を経て、冨山氏は大阪で携帯電話事業の立ち上げに挑むことに。しかしここで待っていたのは、まさに「アウェーの現場」だった。
「分析して、とうとうと理屈を言っても誰も言うことを聞いてくれない。相手は関西のおっちゃんやおばちゃん。足繫く通って靴底を減らして、信頼を築くしかない」
リーダーは人を動かす存在であり、論理だけでは人は動かない。 この経験を通じて、冨山氏は現場でのコミュニケーション力や地に足のついた実行力の大切さを学んだ。
学び続ける覚悟があれば、世界はチャンスにあふれている
「自分にないものを持つ人、自分にない経験をした人から学ぶ覚悟があれば、今の世の中はチャンスに満ち溢れている」
これが、冨山氏が最も伝えたいメッセージだ。自らの失敗や異文化体験、現場の苦労を経た今だからこそ語れる言葉である。
自分の頭で考え、自分の心で感じ、自分が正しいと思う答えを出すこと、その積み重ねこそが、リーダーとしての「能力」を本当に育てるのだ。

※GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、冨山和彦氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問(能力開発/挑戦/試練/仲間/志)を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。
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