キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

ナノ単科から広がった新しい可能性~ハッカソンへの挑戦と軌跡~

投稿日:2025/05/22更新日:2025/05/22

「今の仕事に必要なスキルが足りない」と感じたとき、どのように学びを始めるべきか。研究職から新規事業企画への挑戦で壁にぶつかった際、グロービス経営大学院のナノ単科での学習を選択し、その後ハッカソンで最優秀賞を獲得するまでに至った滝井美紀さん。仕事と家庭を両立しながらの学びが、どのように新たな可能性を切り開いたのか。ナノ単科で3科目を学び、新たな一歩を踏み出した滝井さんにお話を伺った。

これまでと系統の違う業務に立ち向かう力が必要だった

―学び始めたきっかけについて教えてください。

滝井 美紀さん(以下、敬称略):新卒で入社して以来、研究職に従事してきました。しかし、ここ2〜3年で新規事業の企画提案をする機会を与えられ、これまでにない課題に直面するように。アイデアを提案するたびに、「市場性は?」「経済性は?」と問いかけられ、答えに詰まる自分に悔しさを覚えました。従来の研究とは異なる視点を持つ必要性を痛感し、マーケティングや財務の基本を学ぶ必要があると考えたのです。

そんなとき、会社から紹介のあった女性活躍推進のためのセミナーに参加し、セミナー講師に相談したところグロービスを紹介されました。さらに、社内のグロービス経営大学院を卒業された先輩から勧められたこともあり受講を検討し始めました。

―なぜナノ単科を選ばれたのでしょうか 。

滝井:グロービス経営大学院での学びに興味を持ったものの、仕事と家庭を両立しながら学ぶことへの不安がありました。そんな中で、自分のペースで学べるナノ単科であれば挑戦できるかもしれないと思い、応募しました。1科目あたり計2回のライブ授業は日程が決まっているものの、各週のインプットとなる動画視聴は通勤時間や家事と同時進行しながら取り組めますし、週1回のグループワークも金曜の夜か土日の複数の時間から選択できるため、自分で学ぶ時間を調整できるプログラムは非常に助かりました。

圧倒的な学びやすさと他者と学び合える刺激

―どの科目を受講されましたか?

滝井:2024年4月期の「マーケティング入門」から始め、2024年7月期に「アカウンティング入門」、2024年10月期に「クリティカルシンキング入門」を受講しました。ナノ単科では最大3科目まで受講できるのですが、当初は上限いっぱいまで学ぶつもりはありませんでした。しかし、学びを進めるうちに知識の幅を広げる必要性を感じ、次第に他の科目にも挑戦したいという思いが強くなりました。

「マーケティング入門」では、売れる商品を世に送り出すための基本的な考え方を学びました。特に印象的だったのは、商品を顧客が使用する際の心情まで考慮する重要性です。顧客の立場になって、どう感じるかを深く考える視点を身につけることができました。

「アカウンティング入門」では、財務の基礎知識をゼロから学ぶことができて有意義でした。教員の「財務諸表は、会社の健康状態を知るためのCTスキャンのようなもの、同じ体重(売上)でも体脂肪率(負債)や骨格や筋肉量(純資産)から経営状態の違いを確認することができる」という言葉が印象的で、財務がより身近なものに感じられるようになりました。

「クリティカルシンキング入門」では、異なるバックグラウンドを持つクラスメイトと意見を交わすことの重要性を実感しました。クラスメイトの考えを知ることで、自分の思考の偏りに気づき、異なる分野の人々とコミュニケーションを取る価値を再認識するきっかけとなりました。

―クラスメイトと共に学ぶ環境はいかがでしたか?

どの科目でもオンラインのグループワークがあり、自分の学びや考えをアウトプットする機会がありました。異なるバックグラウンドを持つ方々とのディスカッションを重ねることで、自分ひとりでは気づけない新たな視点が得られたことは大きな収穫です。日頃の業務では社外の方とコミュニケーションを取ることはほとんどなく、やり取りの大半は同じ部署のメンバーに限られていたため、無意識のうちに視点が偏りがちだったように思います。そのため、異なる分野の方々と議論を重ねることの重要性を実感しました。

さらに、アウトプットすることで知識が定着しやすくなり、動画や書籍とは違った深い学びに繋がったように思います。受講から1年ほど経った今でも「あの学びが役立っている」と思い出すことが多々あります。この経験を通じて、アウトプットを取り入れた学びの大切さを改めて理解しました。

ナノ単科の受講が生んだ「人との繋がり」に刺激を受けた

―ナノ単科のコミュニティを通じて得たものについて教えてください。

滝井:ナノ単科修了後にはオフ会にも参加しました。オンラインで共に学んだ仲間たちとオフラインで顔を合わせ、情報交換ができたことは、非常に貴重な経験でした。志の高い方が多く、皆さんのこれまでの挑戦や今後の夢を語る姿に大いに刺激を受けました。

対面でのコミュニケーションを通じて、受講後も交流が続く仲間ができたことは大きな成果のひとつです。さらに、ナノ単科のOB・OGメンバーが集まる交流の場に何度か参加し、新規事業や受講後のチャレンジについて相談することで、皆さんからの励ましやアドバイスをいただきました。悩みを相談できるネットワークを築けたことは、何よりの財産です。

受講後に踏み出した新しい挑戦

―ナノ単科受講後の新しいチャレンジについて聞かせてください。

滝井:ナノ単科の3科目目が終了する頃、Tech GALAが主催するハッカソン(HackGALA)に参加しました。HackGALAは、現代社会の「ブラックボックス」に対する解決策を考え、社会を変えるアイデアを形にすることを目的としたイベントです。イベントは主に3つのステージで構成されており、最初に「アイデアソン」で自由にアイデアを発散させ、次にメンタリングを通じてそれをプロトタイプにする「ハッカソン」が行われます。中間審査の後、選ばれたチームがプレゼンテーションを行い、互いに競い合うという流れでした。

ハッカソンには、アイデアソンで初めて出会った異なるバックグラウンドを持つメンバーでチームを組んで参加しました。私のチームは『よりみちガイド』という、リアルタイムで風景を音声で説明し、骨伝導イヤホンと振動デバイスを用いて直感的に目的地まで案内するナビシステムを開発しました。目的地に案内されるだけでなく、近くのちょっとよりみちしたくなるような情報も音声で知ることができます。視覚障がいのある人も晴眼者(視覚に障がいのない人のこと)と同様に街の風景やよりみちを楽しむことができる世界の実現を目指しました。結果として私たちのサービスは、中間審査を通過し、最終審査のプレゼンテーションにて最優秀賞を受賞することができました。

―ナノ単科での学びはハッカソンに活かされましたか?

滝井:ナノ単科の受講を通して、異なる分野の人々とオンラインでコミュニケーションを取る経験をしていたため、初対面のメンバーとも抵抗なく議論を深められたと思います。学びを活かし、チームメンバーと共に目標を明確に設定し、軸をぶらすことなくテーマに取り組むことができたと思います。

また、「マーケティング入門」で学んだ商品の魅力を伝えるポイントは、チーム名でありサービス名でもある『よりみちガイド』のネーミングを考える際に非常に参考になりました。商品名が売り上げを大きく左右すると学んでいたので、何通りも案を出して慎重に考えました。一言でどのようなサービスか分かるようにシンプルかつ分かりやすさを意識した名称にしました。最終審査の際には、審査員の方からサービス名が良かったとお褒めの言葉をいただき、嬉しかったです。

ナノ単科の仲間にもらった助言が行動変容につながった

―ナノ単科を通じた交流はハッカソンに活かされましたか?

滝井:ナノ単科生との交流から得たものも多くありました。中でも、「やりたいことは口に出していくと良い。きっと周りが手を貸してくれる。仲間を見つけるんだよ」と背中を押していただいたことはその後の行動を変えるきっかけになりました。

私は祖母が視覚障がい者であったことから、視覚障がい者の生活向上に寄与したいという想いで研究に従事してきました。しかし、これまでその想いを声に出すことはあまりありませんでした。ナノ単科生との交流で皆さんが夢を語る姿に触発され、私も想いを伝えてみたところ上記の温かい助言をいただき、少しずつ声に出すようにしていきました。

ハッカソンでナビシステムの開発を始めた当初は、視覚障がい者に特化したサービスを考えていたわけではありませんでした。しかし、「やりたいことは口に出していくと良い」という助言が頭をよぎり、思い切ってチームメンバーに祖母のことやこれまで抱いていた想いを伝えてみたのです。すると、メンバーの皆さんから共感したと言っていただけて、一緒に形にしてくれました。もしナノ単科のコミュニティでの応援がなければ、視覚障がい者に焦点を当てたプロトタイプは実現していなかったかもしれません。

ナノ単科を通じて学んだこと、得たつながりが、一歩前に踏み出すための後押しになり素晴らしい仲間と巡り合うきっかけになったと実感しています。

学びや仲間から得た刺激を糧に、前に進み続ける

―今後のキャリアや学びについて、どのように考えていますか?

滝井:ハッカソンで取り組んだ『よりみちガイド』の今後について、チームメンバーと話し合い、チームで活動を続けることにしました。世の中にサービスを提供するために、何から手をつけるべきか、検討すべきことは何か、まだ分からないことが多いです。だからこそ、学び続けることが不可欠だと思っています。

ナノ単科で受講した3科目だけでも、視野が大きく広がったことを実感しています。今後はより実践的な学びを求めて、単科プログラムの受講も視野に入れながら、継続的に学びを深めていきたいです。

―ナノ単科の受講を迷っている方へ、アドバイスやメッセージをお願いします 。

滝井:ナノ単科を受講することで、新しい分野の知識を得たり、すでに持っている知識に新たな視点を加えたりすることができると思います。そして、可能性を広げる一歩になると感じています。

この記事を読んでいる方の中には、ナノ単科の応募のボタンを押すか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?もしそうなら、すでに一歩踏み出しかけている状態とも言えます。まずは1科目、挑戦してみてはいかがでしょうか。グロービス経営大学院を卒業された先輩は、卒業後にこれまでと周りの景色が全然違って見えたとおっしゃっていました。私自身も、ナノ単科を受講して、今までと景色が違って見えることがあります。新しい知識や経験が、次々と新しい世界を見せてくれるはずです。

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース