キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

部長が心理的安全性を職場で保つためには

投稿日:2026/03/16

今年2月発売の『グロービスMBAエグゼクティブ・マネジメント入門』から「4章 組織開発に参画し、良い組織を作る」の一部を紹介します。

チームや組織の生産性に大きな影響を与えることとして心理的安全性が注目されるようになって久しい。特にクリエイティビティが必要とされる職場においては、他のどの要素よりも心理的安全性が重要となる。

自部署の組織開発や組織文化の醸成・維持に責任を持つ部長も、当然、心理的安全性が担保された職場作りを念頭に置くべきである。その際、心理的安全性の高い組織は、単に「居心地のいい組織」とは異なるという理解が必要だ。高い仕事の基準を維持しつつ、率直な議論ができる状態を目指すのである。

自身が率先垂範することはもちろん、課を取りまとめる課長にもその意義を正しく理解してもらうことで、部全体に心理的安全性を定着させていくことが必要なのだ。なお、心理的安全性は万能ではないので、それ以外の「効果的なチームに必要なもの」もあわせて理解し、浸透させる工夫も欠かせない。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇ 

心理的安全性の醸成

心理的安全性とは「Psychological safety」の訳で、チーム内でメンバーが恐怖や不安を抱かすに安心して発言・行動できる状態を指す。さらにいえば、チャレンジすることが「得」だと感じられる状況である。

この概念はハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が1999年に提唱したが、広く注目を集めたのは2016年、グーグルが「心理的安全性がチームの生産性を高める重要な要素である」という研究結果を発表してからだ。その後、心理的安全性が高い組織ではコミュニケーションが活発になり、イノベーションも加速することが実証されている。

ピクサーやIDEOといった企業が心理的安全性を組織設計に取り入れて成功した事例も広がり、逆に心理的安全性が低い組織は持続的成長が難しいことも明らかになってきた。いまや、心理的安全性を高めることは部長を含むすべてのマネジャーやリーダーの重要な役割となっている。

なお、参考までに、グーグルが示した「心理的安全性」以外にチームの効果性に寄与する条件を次ページの図表に示している。

「安心して発言・行動できる」と聞くと「仲良く空気を読む」「ぬるま湯のチーム」と誤解されがちだが、それは逆である。心理的安全性の高い職場では、むしろ空気を読まない発言や、従来のやり方を否定する意見が出ることも多い。重要なのは、それが拒絶されたり評価や人間関係に不利益をもたらしたりしない状態である。逆に「質問した無能と思われそう」「反対意見を言ったら人間関係が悪くなる」と感じて意見を控える雰囲気や、無難に過ごそうとする組織風土こそが、心理的安全性の欠如を示している。

心理的安全性を高める具体的な方法

では、部長は心理的安全性を高めるために何をすべきか。

職場を心理的に安全な場にするという姿勢を明確に示す

心理的安全性を高めることの効用や事例を紹介すると説得力が増す。部長自身が弱みや失敗談を共有することも効果的である。心理的安全性は一朝一夕に形成されないため、雑談を含め日常的にコミユニケーションが飛び交う職場づくりを意識したい。助け合いを当然とする文化がある場合は特に根づきやすい。

フィードバックの質を高める

相手を萎縮させる言い方は避けなくてはならない。「そりゃ無理だよ」ではなく「面白いアイデアだ。実現するとしたらどんな課題があるだろう?」といった前向きなフィードバックを心がけたい。部長自身だけでなく、課長など他のリーダー層にも意識してもらう必要がある。

発言や失敗を許容する文化を築く

発言は言わずもがな、「賢い失敗」を許容する文化を築くことが大切だ。考えなしの失敗は厳しく対応すべきだが、挑戦自体は正しくても結果が失敗だった場合にはマイナス評価を避けるべきである。むしろ、そこか得られる学びや改善の議論に注力すべきだろう。それによって「ここは自分がいてよい場所だ」という安心感が生まれ、メンバーはより創造的に振る舞うようになる。

グロービス出版


グロービスMBA エグゼクティブ・マネジメント入門
著:グロービス経営大学院 発行日:2026/2/11 価格:3,410円 発行元:ダイヤモンド社

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

関連動画

学びを深くする

記事に関連する、一緒に学ぶべき動画学習コースをまとめました。

関連記事

合わせて読みたい

一緒に読みたい、関連するトピックをまとめました。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

メールマガジン

受け取る情報で
周りと差をつける

おすすめや無料配信中の学習動画や記事、お得なキャンペーン情報など定期的に配信しています。

すでにGLOBIS学び放題へご登録済みの方は、別のメールアドレスをご入力ください。
プライバシーポリシーはこちら

トピックス

記事・動画の注目タグ

新着記事・動画

メールマガジン

すでにGLOBIS学び放題へご登録済みの方は、別のメールアドレスをご入力ください。
プライバシーポリシーはこちら