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生成AIを使いこなせないビジネスパーソンに未来はない

投稿日:2024/03/05更新日:2025/05/19

今年2月発売の『ビジネススクールで教えている 武器としてのAI×TECHスキル』から「Chapter1 生成AIで生産性を上げる」の一部を紹介します。 

2022年後半頃より生成AIが大きな話題となりました。筆者も日常的にこれを使っており、いまやホワイトカラーのビジネスパーソンにとっては必須のツールといってよいでしょう。テキストに関連するタスクだけでも、調べもの、要約、編集、翻訳、草稿作成、分析、アイデア出し、相談、アプリ作成など、非常に多岐にわたってサポートしてくれます。極めて優秀な秘書兼アナリストを無料(有償版でも月数十ドル)で手に入れることができたわけです。これを徹底的に使って生産性を上げることができるか否かが、これからの時代をサバイブできるビジネスパーソンとなれるか否かの分水嶺となるでしょう。今回は、現時点で生成AIの代名詞ともいえるChatGPTを題材に、要約、編集、翻訳に関してどのようなことができるかを簡単に解説します。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

要約、編集、翻訳などを行う 

要約や編集、翻訳などもChatGPTは得意としています。たとえば1500字の文章を500字に要約してくれと指示を出せばそのとおりの文章が返ってきます。私の経験では、元の文章がよほど癖のあるものでない限り、きわめて重要な部分を落としてしまうといったことは少なく、非常に良いアシスタントとして機能します。

多くの人が役に立つと指摘しているのが、読むのが億劫に感じる外国語の論文やホワイトペーパーの要約です(当然、後述する翻訳機能とも関連します)。業務上、そうした最新情報に目を通す必要のある人には本当に役に立つツールと言えます。

編集については、校正(企業の独自ガイドも含む)なども得意としています。ただ、「よりわかりやすくなるように順序を入れ替えてほしい」といった指示には必ずしも1回で望み通りのアウトプットは返ってきません。

翻訳も非常に高いレベルになっています。日本人の立場で言えば、英語の翻訳の精度は翻訳専用のソフトとほぼ互角です。そのうち「下訳」(最終的な翻訳の前のラフな翻訳)などの仕事はすべてChatGPTに任せてもいい時代が来るでしょう。

英語以外の言語についてはまだスピードが遅く、精度も落ちます。しかし、今後コーパスが増せばある程度までは精度が上がるでしょう。

また、技術進化により、従来のやり方だとモデルが大きくなりすぎて実用的ではなかったケースでも、モデルを小さくできることで計算量を減らし、時間短縮やコストダウンができるようになります。その結果として、スマートフォンのような小さなデバイスへも搭載できるようになるでしょう。

なお、ここまでの話は調べ物も含めてすべて音声入力(さらには出力)にも対応可能です。ただし、その場合には専用のソフトウェアを導入したり、ChatGPTのAPI(Application Programming Interface:異なるソフトウェアやサービスが効果的に連携して作動するための言語や手順、ツールのこと。下記のコラム参照)と連動させたりする必要性があります。指示に対して返ってきたテキストを音声化するシステムも導入すれば、外国人ともラフな会話程度はできるようになります。コミック『ドラえもん』に「ほんやくコンニャク」という夢の道具がありましたが、それに近い未来が近づいているのです。

音声入力に関する現在の課題は、話者の分離(識別)です。たとえば私が1人でスマートフォンやパソコンに直接話しかければ、機械がそれを誤認することはありません。しかし、会議など数人、時には十数人が喋る場合、機械が話者を識別するのは容易ではありません。 リアルの会議の議事録の自動作成などはもう少し技術進化を待つ必要があるでしょう。ただし、Zoomのようなオンライン会議であれば、誰が喋っているのかが明確なため、話者分離も可能となってきています。

Column:API(Application Programming Interface)

APIとは、他者(組織や個人)が持っているデータやアルゴリズム、サービスをユーザーが使えるようなインターフェイスのことです。APIを利用することで、他者が提供しているサービスを自社のアプリやウェブで利用できるようになります。システムの開発者はAPIを利用することですでに存在する機能やデータにアクセスできるため、大幅に時間を節約できることになります。いまやAPIを介して他者のサービスと「相乗り」することは常識化しています。

出所:『フィンテックエンジニア養成読本』(阿部一也、藤井達人他著、技術評論社)をもとに作成

ビジネススクールで教えている 武器としてのAI×TECHスキル
著:グロービス経営大学院 発行日:2024/2/28 価格:1,980円 発行元:東洋経済新報社

グロービス出版
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  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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