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グロービスの卒業式の風景

投稿日:2011/06/02更新日:2024/11/26

5月15日、22日にグロービスの卒業式が行われた。グロービスでは、3月末まで授業を行い、その期の単位を組み入れて卒業判定を行うので、卒業式が5月に行われるのが通例のことであった。

5月15日の午前10時に大阪で卒業式を執り行い、写真撮影を行い、懇親会を開く。同じサイクルを、名古屋に移動して、午後14時半から行う。名古屋では、西濃運輸の田口義隆社長より祝辞を頂いた。

翌週の日曜日の5月22日の午前10時から、グロービスの東京校で英語のIMBAプログラムの初めての卒業式が開催された。当然のことながら全て英語で行われた。参議院議員の松田公太さんが来賓として、激励スピーチしてくれた。卒業式で、堂々と英語でスピーチをする日本人MBA生を見て、とても感慨深かった。

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初めての英語の卒業式は、感動的だった。少ない人数ながらも、国際色が豊かであった。半数が日本以外からだ。スイス、ナイジェリア、そしてマレーシアだ。在校生には、カナダ人、インド人、フィリピン人、フランス人、タイ人などの姿もあった。一人ひとりに卒業証書を授与する時に、気持ちが高揚する。

午後2時からは、グロービス東京校の日本語のMBAプログラムの卒業式であった。90名の卒業生が結集した。

東阪名、そして英語の卒業式全ての式次第は、グロービスらしくシンプルなものであった。学長の式辞、来賓の祝辞、卒業証書の授与、そして卒業生の答辞のみである。

卒業証書授与の時が、印象深い。一人一人の名前が読み上げられ、僕の目の前にMBA生が来る。目と目が合い、グロービスでともに過ごした日々が思い起こされる。「おめでとうございます」と声をかけ、卒業証書を丁寧に手渡す。卒業証書のカバーのためかズシリと重く感じる証書を渡すたびに、「この人たちの学びにどれだけ貢献できただろうか?」と自問自答する僕がいる。

僕が教える「企業家リーダーシップ」のコースは必修科目だから、東阪名・日英の言語に拘らず全てのMBA生が受ける。僕は、僕が持っている全てのものを、このコースを通して全力で伝授するのだ。

卒業証書を渡した瞬間からグロービスの卒業生となり、「グロービスのMBA」という学歴を語り始める。彼らの志が低く姿勢が悪いと、グロービスのブランド価値が下がる。一方では、彼らが社会で活躍すると、グロービスの価値が上がる。言ってみれば運命共同体なのだ。だからこそ卒業式の式辞にも、力が入り真剣勝負になるのだ。

グロービスの卒業生は、家族の理解を得て、仕事をしながら、学びに専念する。2年間強ケースメソッドで徹底的に頭を鍛え、議論を通して切磋琢磨し、知識、知恵、伝える力を習得する。それを経て手に入れた卒業証書。卒業生の顔には充実感とともに、自信がみなぎっていた。

ゲストのネミック・ラムダ元社長兼会長・斑目力曠さんが、帰り際に一言僕にこう伝えて頭を下げられた。「これだけ多くの優秀な人々を育成してくれてありがとう。日本を代表してお礼を申し上げます」と。日本の現況を考えるとこんな人数では、まだまだ足りないのだ。もっともっと多くの「創造と変革の志士」を輩出しないと日本は変わらない。グロービスの教育にコミットする気持ちがさらに強くなる。

グロービスの卒業生の特徴は、元気なこと、仲間意識が強く、志が高く、既成概念にとらわれないこと。卒業式後の懇親会での講師の挨拶、在校生の送る言葉、アルムナイ(先輩方)の激励の言葉、そして、卒業生の謝辞。全てが熱く、期待感に満ち溢れていた。

家族とともに参加する卒業生も多くいた。黒いアカデミックガウンに身を包みながら、子供を抱きかかえていた。「お父さん、勉強頑張ったね」と僕が声をかけると、どことなく誇らしげに微笑む子供達。奥様や旦那様の表情にも支え続けたという充実感と、安堵感が表われていた。

最後の思い出のスライドショーには、オリエン・入学式から卒業式までの思い出が詰まっていた。あすか会議、トップセミナー、振り返りセッション、クラブ活動、学長セッション、そして卒業式の写真で締めくくられる。いつもながらウルウルと感動する。逞しく育ち、旅立っていく卒業生の姿を見るとき、嬉しい思いと寂しい思いが交錯する。

2年間のMBAは、長い人生を考えると学ぶきっかけでしかない。当然2年間で学べるものにも限度がある。むしろ、これからの長い人生での学びの方が重要なのだ。だからこそグロービスでは、志、向上心、学ぶ姿勢、学ぶことの楽しさ、使命感に訴えかけ、気付かせ、覚醒させることが重要になる。

卒業後の指針のためにも、僕は、本を執筆したのだ。拙本『創造と変革の志士達へ」には、僕がグロービスの卒業生に伝えたいことがほぼ網羅されている。できたら、繰り返し読んでもらいたい。そして、真の「創造と変革の志士」として、社会に大いに貢献してほしい。

いつも思うのだが、卒業式に参加すると、今までの全ての努力が報われる気がする。そして、「もっと頑張ろう」というエネルギーをもらえるのだ。もっと多くの「創造と変革の志士」達を育成しよう。そうすれば、日本、アジア、世界が、更に良いものになるであろうから。

創造と変革の志士達よ、卒業式は終わりでなくて、始まりだ。可能性を信じて、自らの志に向けて、ばく進せよ。僕は、皆さんのこれからの活躍を祈念し続けよう。

2011年5月吉日

堀義人

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